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超・体育祭5

連続更新46日目!


「4キロ目!3分08!!!」


「おっ遂に切りましたね。スピードは落ち着かずビルドアップし続けていますが高田先生の見立てではこなせそうですか?」


「スピードに余裕を持てていますが後半の体力が心配です。まず最初に落ちるのは順当に息子の弓彦でしょうがアレはもがき始めてからが粘りの真骨頂なので最終的には3番手になる可能性はありますね。

 貴女の親戚の陽太郎君ですが最近上り調子だと傍目に見ても分かるほどですのでこの調子で最後までビルドアップしても着いて来れるのはあの子だけでしょう。

 しかしその陽太郎君に触発されて伸び盛りの風間と加古も可能性はあります」


「…………息子を贔屓目にみないんですね」


「贔屓目に見た所で本人としても得をしないと思いますからなるべく贔屓目に見ないようにしていますよ。

 しかし親としては息子に1番になって欲しいものです」


「親であればそう願ってしまうのは自然の摂理……みたいなものでしょうか」


冷静に自分の息子を見てる高田先生に対して好感が持てる。

私ですら多少なりとも贔屓目に見てしまうのに目の前のこの男は贔屓目に見る事なくしっかりと子供を見ているのは親として素晴らしいと思う。


「弓彦君疲れ始めましたね」


「タイム的にはそこまでですが今日は他の3人と比べて調子の波が少し低いようです。恐らくここ最近3人に追いつこうと練習を増やしていたから疲れが今出たのでしょうな。

 はぁ、終わったらアイシングだな」


高田先生の独り言が聞こえて来るが無視をして陽太郎達の走る姿を見る。

確かに横にいる高田先生の言う通り息子の弓彦君は疲れを見せ初めてからフォームが崩れて来ているがしっかり集団にはついていた。

地味にこの根性で走る癖がフォームの乱れに繋がってしまっている気がする。

恐らくこの癖を直せばもう少し確実に速くなるだろう。

そして一周400mあるグラウンド12周半した先頭集団は5キロ目に突入していた。


「5キロ目ぇ!15分48!この1キロ3分02秒でーす!!!」


普段からこの砂のグラウンドでTTをする事はない。

TTをするのならバスに乗り少し離れた競技場にまで赴かなければ行けないと分かっているマネージャーをしている部員はタータンのトラックではなくグラウンドで走るスピード感に圧倒されていた。


「すげぇ」


「一応これTTじゃないのにそれと同じくらいのスピードで走ってるの迫力ある…………」


「陽太郎や加古先輩達も凄いんだけど何より凄いのってどう考えても先頭を涼しい顔で引っ張ってる人でしょ」


「女子の記録に照らし合わても上澄みなのに何でグラウンドで走って引っ張ってるんだよ……バグ過ぎるだろ」


「頑張れ〜〜!って、高田先輩が離れた!」


「嘘?!」


「調子の問題もあると思うけど上位4人の中では1番遅いとはいえ全中出てる先輩が着いていけないってどんな練習だよ…………」


「ねぇあの引っ張ってる女の人マジで誰?名前聞かなくない???」


「陽太郎の姉の葛葉さんのお師匠さんって事は走る前先生言ってたろ?」


「佐倉神楽って名前なのは聞いたから分かるって!俺が言いたいのは陸上界では全く聞かないって事!全中に出てトップを狙うような選手が必死に着いて行く女子ってありえねぇだろ!

 性差的に敵うはずないのにあそこまで強くて無名はありえないんだって!!」


「今まで怪我してたとか?」


「怪我してたような走りかよ」


「なら単純に試合に興味ないんだろ。そうなら辻褄が合う」


「納得出来ねぇ!!」


「「「納得しとけぇ!!」」」


マネージャーをしている男女全員からツッコミが入った。


「6キロ目!3分0秒!!」



「また上がるかぁ」


「うちの神楽は凄いでしょ?アレが絶対に薬を疑われるからと大会には出ない理由です。直接目にしてどうです?」


「惜しいなと……」


「惜しい?」


「あれほどの逸材が表に出る事なく埋もれてしまうのは惜しいとしか言いようがありません。もし許されるのであれば一度だけでも指導してみたいと思いますよ。

 氷鉋狐雪さん、あの子の保護者はどちらに」


「こんな見た目ですけど一応私が保護者代わりです。施設の出で不良だったので私が拾った形ですね」


「もし良ければ表舞台に立たせてみませんか?薬を疑われるほどという事は使っていないという事でしょう?天然の体ならば正に神様や仏様から授かった体です!!

 羽ばたける空があり本人が望むなら羽ばたかせるべきだと!……私は思います」


(神様や仏様から授かった肉体ねぇ?私が授けたと言えるのはこの中で陽太郎だけ。その陽太郎すら今は神楽に敵わん。妖怪の血が混じっていない完全純粋な人間の体力部門の頂点にして到達点とも言える神楽か。明らかにルールを壊すレベルの存在だけど…………違反してないしいっか!許可!するけどそれはまだ先!せめて妖怪の確実性があのネットの者に暴かれるまでは羽ばたかせない!だってその方がインパクト強そうだからね!!!)


「7キロ目ぇ!2分56!」


「あ、風間先輩離れちゃった!!」


「残ったのは陽太郎と加古か。頑張れ加古〜!陽太郎〜!!」


応援がマネージャーから上がる。

しかしラスト1キロに到達した時点で陽太郎は寒気を感じていた。

目の前のいつも世話をしてくれている神楽が更にもう一段階ギアを上げようとしている事に。


「ぐぅ!!」


「あぁぁああぁああぁああえぁあ!!!」


「加古先輩が吠えた!ラストー!!先輩ラストーー!!」


「先頭の人めっちゃ加速するやん!!!?!」


「あぁぁ〜!!2人とも離れてく!!」


「加古先輩〜!!!!」


「陽太郎〜!!我まーーん!行けーー!!」


必死に応援も虚しく陽太郎達は神楽に追いつく事が出来ずにゴールした。

神楽のラスト1キロは2分46秒、陽太郎は2分58秒、加古は2分59.9、風間は3分6秒、高田は3分4秒。

予想以上に高田先生の息子が最後頑張り追い抜く事が出来ずとも風間よりラスト1キロが速い結果となった。

少し時間が経つとぞくぞくとBやCチームのメンバーがゴールをしたが全員が酷く汗をかき座り込む者が多い。

どうやらAチームの走りに感化されたみたいだ。


「はいお疲れ様濡れタオルとスポドリだよ」


「疲れるでしょうがゴール付近で座り込むのは止めましょう。まだ走っている人がいますからね」


「陽太郎君頑張りましたね〜」


「ちょ!拝さん!止めてくれ!恥ずかしいって!」


「ぶはははははは!!!陽太郎の野郎褒められて恥ずかしがって………オェ」


「ハァ……何がしたいんだお前……ハァ……ハァ……」





必死に走っている姿に興奮した氷鉋狐雪

必死に追いつこうと足掻く子供達を見て母性が爆発しかけていた聖母属性持ちのお婆ちゃん









ここまで読んで下さりありがとうございます!!

面白いと思った方はブクマ、評価をお願いします!

Aチームの結果

神楽

24分30

陽太郎

24分42

加古

24分44

風間

24分52

高田

25分10

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