超・体育祭4
連続更新45日目!
男子に混じり神楽は汗を流しアップが終わっていた。
「高田先生うちの神楽が申し訳ありません。道場破りみたいな事を言い出してしまって」
「ん?あァァ構いませんよ別に。最近のあいつらは陽太郎の奴が調子のとアイツが部で1番速い事をさも自分のように感じてる節があったんで、もちろん良い意味も悪い意味も両方です。
良い意味で自分の事のように喜ぶのは人として褒めるべきなんでしょうが努力も自分の事に感じるのは少し違うと思ったんですよ。なので鼻っ柱を折る意味でも今回の提案は正直有難いんです。まぁ、勝てる前提ですが」
「安心して下さい。神楽は陽太郎が敵わないと認める姉の葛葉よりも更に格上何ですよ?
たかだが中学生のレベルで勝てる相手じゃありません。少なくとも男子高校生でも速い子を呼ばないと勝てないレベルですよ」
「……それは本当何ですか?それほど凄い人なのに何故表舞台に上がらないんでしょうか?」
「色々と理由はありますが一言で言うなら反則。この一言に集約されていますね。
女子の中では5000の日本記録と同等の速さを持ちながらウルトラマラソンにまで完全対応する超常的な身体能力。間違いなくドーピングを疑われますし私も初見は目を疑いましたよ?
ですがその実力は白紙の折り紙付きです。距離を伸ばせば伸ばす程男子勢が勝てなくなる……まるで悪魔を相手にしているみたいだから表で戦わないんです」
「……………………なるほど」
「付け加えるのならば未来ある芽を潰したく無いとも本人の口から言っていました」
「…………この状況で?」
「この状況で…………っ!!」
道場破りまがいの事をしておきながら未来ある芽を潰したくないと神楽は言うがやはりどうしても戦いたいと言う欲は抑えられないのだと思う。
無限に溢れる体力の消耗先を見つけられないのは精神的に苦しいと私も知っている。
今回の神楽を否定する気はない、抑えて欲しかったとは思うが否定はしない。
顧問の高田先生や拝、峰墓と共に日除けとして建てたテントの中に入りながら話していると走る前の確認の話し合いも終わったのがスタートラインに立っていた。
神楽に着いて行くAチーム、設定ペースを20秒落として走るBチーム、そのBチームから10秒遅れで走るCチームにポイント練習をせずに外で1時間走をするDチームに分かれている。
ちなみにDチームは既に外へ走りに行っていた。
神楽に着いて行くAチームの人数は陽太郎を含めた4人。
1500の持ちタイム部内最高の3分54を持つ陽太郎を始めとして次点の風間悠木3年3分58秒、3番手の加古恵3年3分59.9秒、そして4番手は高田弓彦3年4分04秒。
部内にこれだけ精鋭が揃っている部活は全国を探してもそうそうない。
しかもトップが2年で明らかに成長途中の陽太郎とくればチームとしては最強と言える。
「行きまーーす。よーい、スタート」
今回神楽が決めた内容は距離が8キロでスピードがキロ3分20秒のハイペースジョグ。
最早ちょっとしたレース程に速い、タイムを落として設定したB、Cチームもギリギリ走り切れるかどうかのペースみたいだ。
「高田先生普段のポイント練習はどのようなものを?」
「基本的に若いうちにスピードをつけさせて起きたい方針なので400×15だったり1000×5を3分05〜10でやっています。
週一で短距離の練習もさせています」
「昨今のスピード化に対応する為に?」
「えぇ、中学生ではそう感じませんがここ最近の高校生や大学生は15年前選手達と比べて明らかに世代そのもの強さ、速さが上昇しています。
スピード化の世代に対応、勝つには中学生から備える必要があると私は考えていまして短距離の練習メニューも他の学校比べて積極的に取り入れてるつもりです。
彼らが高校生になった時陸上を続けるかは分かりませんがもし続けた時に勝たせてやりたいと思い今は下地作りに励んで貰っています。
しかし……想定以上に下地作りが成功したお陰で部内から全中出場者が4人も出るとは思いませんでしたけどね」
「確かに上位4人は既に下手な高校生より速いですしその下を見ても全員が速さより強さを感じる姿ですので相当高田先生の教えが上手いのでしょう」
「ははっそんな手放しの賞賛を貰えるとは思いませんでしたよ。
この年になっても褒められると嬉しいものです」
「感情に歳は関係ありませんよ高田先生。
感情の発露は人間的に健康な証拠ですから恥ずべきものではないですよ」
「はははっ……年下の貴女がまるで年上の経験豊富な先生に思えてきました」
熱血漢の側面を持ちながらどこか自信がなさげだった高田先生は私の言葉でほんの少しでも自信を持ち胸を張って欲しいと切に願う。
孫の陽太郎があそこまで陸上を楽しみ苦しみに行けるのはこの高田先生の影響も必ずあるのだから。
Aチーム5人の最初の1キロの通過は3分15と予定より少し速いがまだまだ神楽含めた5人は余裕を持っている。
高田先生は常日頃から生徒達に十全に実力を発揮する為にどんな形でも良いからルーティーンを作れと指導している。
それらを実践している陽太郎含めた4人の体調は間違いなく良い。
だが目の前を走る神楽は人外の領域に爪先が触れている葛葉よりも更に深く両足で突っ込んでいる神楽だ。
「2キロ目ぇ!3分12!!」
「設定より速いけど大丈夫かな?」
「あの葛葉さんよりも速いとは聞いていたけど本当に楽そうに走ってるね」
「男子メンバーが置いていかれた時点で女子世界トップが決まるバグ……」
「えぐぅ」
足を怪我したりして一時的にマネージャーをしている男女の会話が聞こえる。
「3キロ目!3分11!」
「タイムは落ち着いたけど全然速いよ!」
「私1キロも着いていける自信ないよ」
「流石に1キロは頑張れ?」
「冷静になって設定ペースの3分20の時点で1500なら5分フラットなんだよ?十分速いからね?
普段陽太郎君達を見てるから感覚麻痺してるかもしれないけど普通に女子の中では上澄みだから!」
「痛いって叩くなよ!!」
「賑やかですね高田先生」
「良い事ですが部活中だと言う事を忘れないで欲しいですね」
孫の勇姿と神楽の勇姿を見て興奮中の氷鉋狐雪
子供の1人である菅原善吉が陸上を始めてから陸上に少しずつ詳しくなり葛葉が陸上を始めてから本格的に陸上について学んだお婆ちゃん
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