超・夏休み19
連続更新29日目!
始まった罰ゲーム射的。
私が指定するのは長男である義昭が熱中症しているロボットアニメのプラモデルだ。
義昭に誘われてアニメを見たりしているがそこまで詳しい訳ではない。
しかしプラモデルにも特別な価値が存在する物があると詳しく教えてくれたのは覚えている。
昔発売されたキットでありながらパーツの色分けやロボの繊細な作りと完成した時のポーズの保持が容易な事、これらがプレミアが付く要因だ。
そして義昭は全国の店舗を回っても手に入れられていないプラモデルがいくつもある。
その内の1つが奇跡的にも巳継の糞爺とその孫がやっているこの出店の景品として存在するのだ。
昨日は無かったが今日ある事実について気になるが今はどうでも良い!
私が伝手を使えば手に入れられるかと思ったが無理だった。
「禮、神楽、拝!私が指定する景品はあのロボのプラモデルよ!
アレは義昭か限定過ぎて手に入れられないと嘆いていた品物です!絶対に取って下さいね!」
可愛い長男のが喜ぶ姿を見る為に私は舎弟と使用人を酷使します!!!
「あ〜〜アレって」
「確かアレって……」
「義昭君が欲しがってたヤツっすね!全力で取りましょう!!」
「「はい!」」
「さ、流石にカードの時みたいに1発で取るとかは勘弁してくだせぇよ?!?!」
「安心して相応に金は落とすわ。
まぁ時間が掛かったら私が出張って他の景品を根こそぎ取るだけよ」
「程々でお願いします?!?!」
ちょっとした悪戯で脅し染みた事を言うと響くように反応が返って来る。
昔長男を泣かせた男として糞爺は嫌いだがこの打てば響くように威勢良く反応が返って来るのは純粋な人間ではこの糞爺だけなのだ。
そこだけは好感を持っている。
3人は孫の慎太郎から銃と球を貰うと装填すると話し合いをしながらどこを狙うかを出店の横から眺めたりしながら考える。
景品は回転するタワーの土台の1番上に乗っている事を考えると時計周りに従って自分達から見て箱の左上の角を狙うのが良いと決まった。
「あー一応その1番上の段の景品は場所がずれても位置を調整して戻さないようにはしてるからな。
後景品は前では無く後ろ、要するに景品を乗せてる円盤の内側に落とせってこった。前に落ちると位置も元に戻るから気を付けろよな」
ふむ、中々厳しい条件だと思う。
射的は回転する中央に穴の空いた円盤に景品を乗せるタイプと乗せずに雛人形の如く並べて後ろに撃ち落とすタイプの2種類がある。
前者の場合でも円盤の中でも外でもどちらに落としても景品がゲット出来る店もあるがここはそうは行かない。
義昭からの情報が正しければ定価6000円程でプレミア価格が5万円だと聞いた。
そんな商品、もとい景品を簡単に取れる条件にするはずがない!!
ほぼ真正面からしか撃てない条件に単純に重さで落ち難い条件と射角の制限!
「糞爺の割に熱い勝負内容ですね?」
「狐雪さんにゃあ難しいかい?」
「っ!!糞爺!!やってみせるわ!3人とも必ず落としなさい!!」
「「「はい!」」」
「自分で獲らへんのかい」
「爺ちゃんあの人達罰ゲームでここに来てるから……」
「えぇ……???」
パン
小さく乾いた音がした。
球はしっかりと箱に当たったがほんの僅かに揺らす程度に収まる。
「威力は割と良心的っすね」
「少し時間はかかりそうですがこれなら何とかと言った所です」
「なるべく早く終わらせましょう。時間を掛けるとこの人にお金を献上してるみたいで不愉快ですから」
「祭りってそういう側面があるんじゃぞ?!」
「「「…………」」」
「無視?!」
「初対面でここまで嫌われるのは初じゃねぇか?」
「喧しいわ慎太郎!」
パパン!
3つの音がほぼ同時に鳴ると箱の左上にしっかりと当たり少しだけ動かした。
「よし!」
「3つ同時に当てれば動かすまでに行くと……」
「片方に当て過ぎたら後半打ちにくくなるっすから慎重に左右に分けて打ちたい所っすね」
「一万ほどで倒せそうですね」
「罰ゲームの事もありますが義昭君の為にも頑張るっすよ!」
「「おー!」」
…………正直私も射的に参加したい。したいがそれをすると決めた約束事を破る事になるので少し体裁が悪くなる。
お金だけ禮達に出させるって条件だけにしておけば私も義昭の為にあのプラモデルを手に入れる戦いに参加出来たッ!!!
「なぁ爺───」
「何も言うな慎太郎。例え目の前で狐雪さんが珍妙な顔で悔しそう震えていたとしてもだ。
気にしたら後々面倒くさいんだからな」
「何で知ってるんだよ」
「実体験だ」
「嫌われてる原因の1つでしょうに」
それから何度か小さく乾いた音か聞こえて来る。
球の同時発射を綺麗に決め続けた結果、掛かったお金は9000円を突破していた。
「あばばばばばはっばばば!!」
「爺?!何動揺してんだ!!そんなに大事なら自分の在庫を放出しなけりゃ良いのに?!?!!!」
「馬鹿野郎!!!俺はプラモデルは好きだが最近目の疲労や歳のせいで全く作れねぇんだ!!埃を被せて置くより誰かの手に渡った方がいいに決まってらぁ!!
だけどそれはそれとして想定より早く落ちそう少し吐きs」
ガタン
「「「あ」」」
「あ、落ちた」
「けふっ」
「爺ぃぃぃい?!?!?!」
慎太郎は膝を折り、倒れそうになる祖父を見て血反吐を吐く姿を幻視し、思わず抱き寄せた。
「爺!爺ぃ!!」
「………………もうちょっと儲けたかっ……た」
「爺ぃぃぃぃぃいい!!!!」
「茶番は良いから早く景品を渡しなさい」
可愛い子供の為頑張る()氷鉋狐雪
少しずつロボの知識も増えているが情報が多すぎて混乱気味。
不老不死にある意味勝った義昭の趣味の情報量
善の心を持っていても糞爺が嫌いなお婆ちゃん
ここまで読んで下さりありがとうございます!!
面白いと思った方はブクマ、評価をお願いします!




