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超・夏休み11

初投稿21日目!


「しまった」


私は失敗に気付く。

祭りに来たばかりなのにかすてら・超特大袋を5袋も買っている事に。

普通は帰りに買うだろう所を葛葉と陽太郎の2人を待っている間に買ってしまった。

これでは大量のかすてらを持ちながら屋台巡りをする羽目になる。


「…………」


周りを確認して人気のない場所を探し移動し、即座に転移の術を発動させ家に戻る。



「峰墓!」


名を呼ぶと奥から足音が聞こえて来る。


「狐雪様随分とお早いお帰りで」


「いや、帰宅の為に来た訳ではないんじゃ、理由はこれよ」


かすてら・超特大の袋、5袋を見せる。


「家の者達にと買ったのは良いが些か買いすぎた。4袋ほど預ける故他の使用人共と食べるが良い」


「有り難く頂戴いたします。他の者達も喜ぶでしょう。残り一袋はどうなさいますか?」


「これか?これは葛葉と陽太郎の3人で分けて食べようと思う。妾は葛葉の本来の食事量を知らなんだからな、これくらいが丁度良いじゃろ」


「分かりました」


「帰りはいつもより遅くなる。しっかり守っておくんじゃぞ」


峰墓が頭を下げたのを確認すると妾は再び転移の術を発動させ人気のいない場所へと転移した。



───────────────



周りを念の為確認してから意識を切り替え余所行きのキャラを固めた。


「こんな面白みのない失敗をするとは思わなかったわ。これが老化というモノなのかしら……?感じたくないです。

 もうそろそろ2人も神社での参拝も終わる頃ですし迎えに行きましょうか」


元来た道を辿り戻る。

沢山の人が行き交い活気に溢れていた。


昔とは比べるべくもない変わりよう……活気だけなら昔もあったが食事、娯楽などの発展は素晴らしいな。

砂糖がここまで自由に姿形を変えて妾達の腹に収まるのは昔は想像が出来んかった。

昔を思い出すと切り替えた口調も心の中では元に戻ってしまう。


感慨深い思いを取り払い葛葉達の姿を探す。既に2人と別れた場所には着いているが見当たらない。


「私を探そうと行き違いになった可能性がありますね。これは少し探すのが面倒です」


ぶっちゃけ逸れたとしても見つけるだけなら力を使って血の繋がりを辿れば良いだけなのだが狐雪はこの人探しすらと祭りの醍醐味と考え2人を探し始めた。


「葛葉の性格というか行動方針なら食べ物ですけど何かと陽太郎の事も気遣うから陽太郎の行きたい場所に行きつつ私の事を探すのが妥当でしょう。

 そうするとまず探すのは射的かしら」


神社の中にある出店を見て行く。

ふと目に着いた出店を見て過去に義昭がぼったくられ家に着くなり大号泣をする原因になった当時32歳、御年72歳の出店の糞爺がいた。

既に和解はしている。

和解はしているのだが「お小遣い無駄遣いしちゃった〜〜!!!ごめんなさいぃ〜!!」と泣いていた義昭の事を思い出すと


「苛つくわ」


ビクゥゥッ


糞爺の肩が跳ね上がる。

側にいた若い音が首を傾げていた私の目を見ると顔を強ばらせた。


「お、おい爺!!あの女の人滅茶苦茶睨んでんじゃん!何したんだよ!!」


「…………昔ぼったくりましてそれで死ぬほど仲間含めて説教をされました」


出店の糞爺の孫からすれば数年前に何かやらかしたんだな?と考えて当然なのだが真実は何十年前も昔の事なのだ。


「お、お久しぶりじゃの狐雪さん?」


「えぇ久しぶりね。昔みたいなせこい稼ぎはしてないようで安心したわ」


「ぼったくりは狐雪さんに説教されて懲りてらぁ!こっちは孫も出来て楽しい時期なんじゃ!狡い事してる姿見せられるかってんだ!」


「膝を笑わせながら威張っても威厳ないよ爺」


「顔の良い女に詰められる怖さを知らねえからそんな呑気な事言ってられんだ!馬鹿タレ!!」


「「その原因は自分だろ(でしょ)」」


「ゔっ!」


令和になった今

昭和親父のヒエラルキーは低い

項垂れた糞爺を見て気分が少し良くなる。


「そうだ。私も久しぶりに射的をやろうかしら」


「あ、やるんですか?なら500です。……はい、お預かりしました。銃はこちらをお使い下さい」


「……びっくりしたわ出来た孫ね」


「ありがとうございます反面教師が直ぐ!側に!いますので!!」


この清涼剤のような反応を見て癒される。

結婚していた事は少し前に説教後に聞いたが孫がここまで綺麗な人間になっているとは想定外も良い所だった。

チラリと横を見るとやや煤けた糞爺がいる


「はぁ……お客様がいる前で煤けているのは大分失礼です。私が騙されて上げますから元気出して接客をしなさい」


「へ、へい!!」


「ぁいや、騙す気はないんすけど」


糞爺の孫の言葉など聞こえないフリをする。

射的をするのは陽太郎が小学校6年の時だから2年ぶりか。

的のラインナップを見る。

10年ほど前に発売されたプラモデルや最近流行りのカードゲームのパックにエアガン、フィギアに駄菓子と王道のラインナップになっている。


「………………チッ良心的ね」


「狐雪さん良心的なんだから舌打ちは止めてくだせぇ!心臓に悪いったらありゃしねぇ!!」


「ふんっ」


母親としての恨みは薄まっても長〜く続くのでばれないように力を使い初発の威力を上げて最新カードゲームのパックを撃ち落とした。


「「あーーー!!!」」


「ふっ、残念ね」


「て、手加減を……!」


「気分次第ね?」


と答えたは良いもののこれ以上は流石に店にとって迷惑すぎるので安い駄菓子中心に落として行った。


「懐かしいお菓子はつい食べたくなるのよね」


「分かります」


「でもこの安いガムを上手く飲み込めなくて死にかけたのだけは死ぬまで忘れないわ」


「僕も経験があるので気持ちは分かります」




安っすいガムで死に掛けた過去がある氷鉋狐雪

やや狡い事も好むが素の能力値が高い為か出店の射的で割と無双出来る力がある。

他県の出店で無双しすぎて大真面目に出禁となってから10年が経つ。

そして陽太郎達の夏休みの宿題を見ていると急速に横文字への理解が高まったお婆ちゃまである








ここまで読んで下さりありがとうございます!!

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