飾ってある花
最新話です。
「まだ、飾ってるの?その花。」
彼女はそう言って、1つの絵を見つめる。
「あぁ、小さい頃、描いた絵だよ。」
「それは覚えてるけど、アレ、何の花?」
「…覚えてないよ。」
「そう…」
覚えていない。
何も覚えていない。
何故だろう。
何故覚えていないんだろう。
大事な絵だ。
大事な絵。
大事な絵だ。
……大事な、そうさ、俺の、大事な絵。
花の絵
…どうして、大事な絵何だっけ?
どうしてだ。
どうしてだよ。
どうして思い出せないんだよ!
俺の、俺が、描いた絵なのに…どうしてだよ!
「儡!(らい)」
「え、あ、あぁ、どうした。」
「いや、なんか、元気なさそうだよ?大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫だよ。」
「ミホ、」
「何?」
「ありがとう。」
「え?」
「心配してくれて、ありがとう。」
「…いいよ、別に、ごめんね、急に来ちゃって、じゃあね。」
「バイバイ。」
ミホは帰った。
俺はまた一人だ。
ふらふらと立ち上がり、鏡の前に立つ。
酷い顔だ。生気がない。
心配するわけだ。
「…寝よう。」
熱があるかもしれないが、測る気にもなれなかった。
今は、ただ、眠りたい。
「高橋君。高橋儡君。」
まただ。
またこの悪夢だ。
どうなってるんだ。
「何ですか。」
「死んでくれ。」
そう言い、医者?の男が、ナイフを見せてきた。
「悪く思わないでくれ。」
早くやってくれ…
夢で死んで、早く起こしてくれ。
もう少し嫌だ。
早く起こしてくれよ。
「痛っ!痛い痛い痛い!」
ナイフが、俺の腹に刺さる。
痛い!
痛い痛い痛い!
早く覚めてくれ!
早く早く早く早く!
「おい!起きろ!儡!起きろ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
叫びながら起きる。
パッと腹を触る。
何もない…
当然だろう。
当然だ。
さっき、誰かに呼ばれた気がした。
嫌、気の所為だろう。
「おい!」
「え?」
「起きたか、儡、元気だったか?」
「え、だ、誰?」
そこには、見知らぬ女性が居た。
「お前、命狙われてるぞ。」
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