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Twitter SS② 腕比べ ジュラ

「弓の腕比べをするぞ」


 悪友が満面の笑顔で言ったのに対して、ジュラは顔を顰めた。遠征の最中に相応しいこととは思えなかったからだ。


「暇なのか」

「でもないが、良い的が出来たのだ」


 そして的とやらを示されて――色々と思うことはあったが取り敢えず明白なことを指摘してみる。


「外す方が難しいぞ」

「だからいかに上手く当てないかを競うのだ」

「……なるほど」


 その的はあまりに大きく近く、しかも木の幹にしっかりと固定されていた。兎や小鳥などの狩りの獲物と比べるとあまりに簡単すぎる的だった。

 そして獣とは違って大変うるさかった。


「縄を解け! 少し遊ぼうとしただけだ!」


 最も友の矢が顔のすぐ横に刺さったのですぐに静かになったが。彼の矢は更に指一本分、的に寄った。

 友が次の矢を構える間に、呟く。


「まだ姫君を狙うとは良い度胸」

「狙っていたのは侍女の方だと言うがまあ同罪だろう」


 的の悲鳴は人目を引いて、加わる者や賭けを始める者も出た。賭けが白熱した結果、勝ちを焦って的を傷つける者も中にはいた。まあ、完全に命中させるほどの下手はいなかったので大した問題ではない。彼としても、王の側妃となる女性を蔑ろにする者に同情する気はなかった。


「娯楽にもなり不届き者への牽制にもなる。良い案だろう」


 得意気な悪友が例によって調子に乗りすぎているように見えたのが、問題といえば問題だったが。これのせいで戦場で背後を狙われるようなことがあれば守ってやるか、などと。彼は密かに考えるのだった。

シャスティエはともかくイリーナはまだ狙われそう、という感想をTwitterで頂いたので書いてみました。

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