23話 【召喚呪文 レバル】 夕子!
マイ・プリンスからの切羽詰まった声が聞こえてきた。
「セカンド、他国からの領海侵犯だ。戦艦3隻と潜水艦2隻が迫っている。この国の海軍が応戦しているが勝てないと思う」
「マイ・ファースト、まずは安全なところに身を隠してください。
落ち着いたら、もう一度、連絡してください」
「わかった。セカンドが教えてくれたようにする。夕子さんの準備状況は?」
「こちらは大丈夫です。では、通信を切ります」
セカンドが私の方に向いて、複雑そうな顔をしていた。
「まあ、この国の軍事力では、こうなるでしょうね。夕子、ディスプレイをご覧ください」
この国の戦艦も応戦するために出撃した。
しかし、潜水艦が無い。みんなが怖がって乗らないのだ。
敵は戦艦と潜水艦で攻めてくる。つまり、前と下から攻められては、勝ち目がない。
「敵の戦艦に比べて射程が短い。装甲も弱くて薄い。弾の威力も足りない。
これでは勝てませんね」
「もしかしてなんだけど、敵は潜水艦の弾を節約しようとしてないかな?
わたしなら、さっさと潜水艦で攻撃するけれど?」
セカンドは、感心したように返事をしてきた。
「この国の海軍の戦艦を捕まえて、リサイクルしたいのでしょうね
敵は、この国の戦艦を沈めるつもりが無いようです。温情ですね」
「敵の戦艦と比べると、型遅れよね?」
「夕子は冷静ですね。経営者だから、値踏みする習慣があるのですね」
「まあ、ビジネスは投下資本で回収できる元本と利益を考えるものです」
「ええ、その通りです。しかし、戦力差を見せつけるデモンストレーションとして、戦艦の拿捕は良いかもしれません」
「あら、さすがセカンド。痛いところを突くわね」
「データ処理速度は人間よりもAIが速いですからね。
そろそろ、出番ですよ。夕子。
この国の海軍が撤退を始めました」
「じゃあ、マイ・プリンスからの召還を待ちましょうか?」
わたしは、服を着替えて息を整えた。
◇
こころを落ち着けて準備を整えたとき、こころの中で、マイ・プリンスの声が響いた。
『【召喚呪文 レバル】 夕子!』
[受けますか? YES / NO]




