22話 夕子は、【性魔力】が使えるようになった
その夜、わたしたちの【姉妹関係の儀式】は、第3段階まで一気に進んだ。
これで、わたしは【性魔力】が使えるようになるはずだ。
◇
翌朝、目が覚めて、セカンド様との【姉妹関係の儀式】を思い出した。
とてもとても素晴らしかった。
『私が心の底から望んできた誠実で【王子様】なリードを理解できる相手を得て、喜びを感じるわ』
と同じ趣味の仲間に出会えた気がした。
わたしが男性に求めていることは要求レベルが高すぎるのかと不安になっていたが、セカンド様とマイ・プリンスが身につけていると知って、自分の考え方が正解の1つの形として存在する。そのことが自分の人格を肯定された気がして救われた。
わたしが目を覚ますと、セカンド様の美しい子守歌が聞こえた。
「セカンド様、おはようございます」
わたしが好ましいものを見るために大きく目を開いて言うと、嬉しそうな笑顔を声が返って来た。
「夕子も私の妹分、正確に言うと姉妹関係のサブシスになりました。
だから、セカンドと呼び捨てで呼んでくださいね」
「はい、愛しいハイシスのセカンド」
「そうよ、可愛いサブシスの夕子」
しばらく、セカンドとわたしは裸のままで抱き合った。
それから、真面目な顔をしたセカンドが私に通達してきた。
「若返った肉体での夕子の初めての相手は私になりました。
夕子は【性魔力】が使えるはずです」
二人とも衣服を整えてから、射撃訓練場に向かった。
◇
【理想の美女7人に愛される生活。】に出てきた性魔力を試すために、射撃訓練場に来ていた。
セカンドが見守る中、的に向かって、呪文を唱えた。
「【3点収束光球呪文 テグトス】」
小さな光球が的の中心をつらぬいた。
「ふむふむ、原作通りの威力ですね」
「すごいですね。でも、原作通りだと」
「弾数は少ないですね。【姉妹関係の儀式】の第4段階をできるだけ早くするべきですね」
「いつ頃になるかというと、当分先ですね」
「ええ、【姉妹関係の儀式】の第3段階までを何回も繰り返すべきですね」
「よろしくお願いします」
「もちろんです」
それにしても、ライトノベルの世界観を現実化できるなんて、セカンドとセカンドを支援するAIたちは、すごいと思うしかなかった。
◇
セカンドといっしょに司令室に向かうと、マイ・プリンスの姿は無かった。
わたしが、きょろきょろと探していると...
「マイ・ファーストは地上に出ています。
マイ・ファーストと夕子の初めての出会いは、かっこいい方が良いでしょう?
だから、ピンチに颯爽と登場するようにしましょうね」
わたしは少し苦笑いをしてしまった。
「え、ええ、アニメヒーローのように助けに行けば最高の演出ですね」
セカンドは自信にあふれる笑顔を返してくれた。
「夕子の出番は、すぐに来ますよ。
だから、今のうちに、動きやすい服装に着替えて、トイレを済ませておいてくださいね。では、後ほど」
「ええ、後ほど」
わたしは、ディスプレイの前に立って、パソコン作業をしているセカンドを後ろから見ていた。
『AI同士は直接通信できるはずだから、私たち用に、中間データを残してくれているのね』
わたしは、お茶を飲んだり、マンガを読んだり、汗が出ない程度に身体を動かしたりしていた。
◇
ディスプレイにマイ・プリンスの顔が映し出された。
それと同時に、レーダーに反応があった。
他の画面には、映画に出てくるような戦艦3隻と潜水艦2隻が映っていた。
『うーん、軍事演習を見せるイベントに潜水艦って必要ないよね?』
マイ・プリンスからの切羽詰まった声が聞こえてきた。
「セカンド、他国からの領海侵犯だ。戦艦3隻と潜水艦2隻が迫っている。この国の海軍が応戦しているが勝てないと思う」




