55.報告
「そう、決めたのね。」
次の日の朝、マヴィムに昨日の出来事を伝える。
朝ご飯の片付けをいつもの様に手伝おうとするとマヴィムに止められた。
「ランガ様に報告に行くんでしょう?片付けは私がしておくわ、もたもたしてないで行ってらっしゃいな。…ミンティー姐さんには大雑把には明かしたのね、今から出かけるのはわたしから言といてあげるから。」
善は急げとマヴィムはロイカの背中を押した。
風の精霊とは便利なもので、凄い速度で空を駆ける。…といってもロイカはまだまだ下手なので保護者もいないところで飛び回るのもよくないと徒歩で出かける。
白神街の全体に通じる路面電車に乗って2.3回乗り換えをすれば診療所に着く。ノックしてドアを叩けば、すぐにランガ様が出てきて、中に入りな。と言った。
応接間の椅子に座って、まぁこれでいいかとランガ様は少し表面が汚れたビーカーにルビー色に輝くシソのジュースを淹れる。
「で、どうするつもりかは決まったのかい?」
ロイカはこくっと首を縦に動かす。
「決まりましゅた。」
「聞こうか。」
「とりあえずの一年間、ランガ様と共に居ようと思いましゅ。…よろしくお願いしましゅね。」
入れてもらったシソジュースを一気飲みする、むせ返る。
「そう、一気飲みするな。むせるじゃないか。…嬉しいな、よろしくなロイカ。」
ロイカの背中をさするランガは嬉しいよ、と返答を返した。
「…とりあえず1年、か。手放してやれなくなるかもしれないが。」
「ランガ様、何か言いましゅたか?」
「何でもないさ。」




