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77番目の使徒  作者: ふわむ
第二章
24/123

プロローグ

第二章です。投稿は不定期になります。


「八歳の魔法士だと?」


思わず聞き返してしまった。

確かに八歳の魔力持ちというなら、いないわけではない。王族や四侯の英才教育された跡継ぎならあり得る話だ。だが魔法士というのは、魔力持ちになってから更に修練が必要になる。素養がなければその修練がすべて無駄になる可能性だってあるのだ。だから教育する立場の者は、魔法士の修練に要する時間を他の教育に回したい、と普通は思う。ゆえに魔力持ちが多い貴族でも魔法士になれる者は少ないし、魔法士になったとしても普通は成人しているものだ。

なのに・・・八歳?


「そうだ。その魔法士、エルナを預かってほしい」


目の前の人物、セロトラエが冗談を言っているわけではないことはわかっている。

頼み事とのことだったが、やはり厄介事か・・・。おそらく王族や四侯ではなく、下級貴族の娘なのだろう。目を付けられて政争の道具にされることを恐れた、といったところか。


「で、どこの貴族の娘だ」

「いや」


セロトラエは息を吐き、かぶりを振って答えた。


「平民だ。それも裕福な商家というわけでもない。第七ホラス村の狩人の娘だ」

「・・・はぁぁ!?」


待て待て。平民がどうやって魔道具を手に入れたんだ?


「この厄介事は犯罪が絡んでいるのか?」


俺からすれば当然の疑問を投げたつもりだったが、セロトラエは一瞬面食らった表情を見せた後、一呼吸入れて答えた。


「何か色々考えを巡らせているようだが、エルナは魔法士ランダルフから魔法の指導を受けて習得したらしい。つまり初級の光魔法で修練したということだ」

「おい、まさか魔道具なしか?」

「そうだ」

「・・・信じられん」


それを才能という言葉で表すならば、まさしく天才ではないか。


「それで、引き受けてくれるのか?」


む。貴族も犯罪も絡んでいないなら、こちらとしても利益を取りたいところだが。


「条件はさっき言った通りでいいのか?魔法の使用はギルド内のみ、住み込みの職員待遇、魔法の指導をつける、だったな」

「ああ。外に情報が漏れないよう注意してほしい。今は大丈夫だが、今後貴族や町の権力者に知られればちょっかいを掛けてくる輩が出てくるやもしれん」

「そうなると、ギルド内でも知るべき者を選んだ方がいいな」


俺と副長と後一人くらいにしておくか。


「その人選は任せる。あとは・・・」


続く言葉は想像が付いた。

だからこそ、冒険者ギルドへ持ち込んだわけだ。


「わかっている。商業ギルドだろう」

「そうだ。商業ギルドには気を付けてくれ」


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