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ランチと狙い

というわけで、今日は食堂へランチをしに行くことになった。


メンバーは俺、イヴ、真島、塚本、黒鉄の五人。


なんだかんだで面子が集まった。


初めて食堂に来たな。とにかく広いし人が多い。


至るところからいい匂いが漂い、食欲を刺激される。


基本的に安く、高くても五百円。最安値はその半分。


一番人気はカレーらしい。確かに美味そうだ。

食べてみよう。食券制なので、先に買わないといけない。

もちろん電子決済なので、普段使っている自販機のようだ。俺たち学生は硬貨を持っていないので、もし端末を忘れたらおしまいだな。並ぶ気が失せるくらいの行列を成しているので、もう一回並ぼうとは思わないだろう。


「桐生君は何にしたの?」


一緒に食券を買い、前に並んでいる塚本が声をかけてきた。


「カレーだ。一番人気だから気になってな」


「一緒だね!本当に美味しいから一回食べたらやみつきになるかもね!」


「……本当に人気だな」


食券を買っている生徒たちの殆どが、カレーを選んでいる。後ろに並ぶイヴと真島もカレーだった。


「お前らー!先に座ってるからな〜」


一足先に並んでいた黒鉄がカレーを乗せた膳を運び、席に向かっていった。


ちなみにあいつは、

今朝退院してそのまま直行してきたらしい。




「「「いただきます」」」


「……どうですか?」


「うん。美味しい」


「だろ!?ひっさしぶりのカレーだけど、やっぱり良いなぁ!たまんねぇ」


「本当に美味しいよね」


「うひょー!!うまぴ!!」


価格は三百八十円。手頃だし、量も多く、納得の一番人気だ。


「横、失礼するぞ______」


いきなり横から男子生徒が話しかけてきた。って真田じゃないか。なんでここに?


「えーと……」


有無を言わさず座り、彼は塚本の方へ顔を向けた。


「君は……D組の」


「ああ、真田政宗だ。よろしく」


ここまで間近に見たのは初めてだが、改めて強者のオーラを感じる。


「何の用だよ!!」


黒鉄が喧嘩腰に突っかかる。それを手で押さえて止める塚本。確かにわざわざこんなところに来る他クラスの生徒なんて信用ならない。


「ちょっと話がしたかっただけだ。塚本裕二。君とね」


「話?何のかな?」


「神楽島が何者かにやられて登校していないって知ってるか?」


「あ、そうなんだ!?全然知らなかったよ」


当然これは嘘だ。


「……本当に知らないのか?」


これは、完全に探りだな。


「何が言いてぇんだ?」


変わらずの喧嘩腰に再度塚本は押さえた。


「黒鉄君、ちょっと落ち着いてくれ」


「でもよ、いきなり割り込んで来て人を疑うって失礼だろ?」


素直に答えず、嘘に乗っかる黒鉄。ナイスだ。


「確かにお前の言うとおりだな。すまん。ま、ちょっとした聞き込みをしてると思って多少我慢してくれ」


「お、おう……」


「とにかく僕は知らない。できれば彼とは関わりたくないしね……あはは」


「……それはそうだな。じゃあ質問を変えよう。……誰がやったと思う?」


質問を変えながら塚本の顔をじーっと見つめる。


洞察力高い系かこいつ。


「そんなこと言われてもね……検討つかないよ」


「…………そうか」


実際、彼は神楽島との戦闘に参加していたが、誰が倒したかは本当に知らない。


変に勘ぐられるなよ……。


「……それもそうだな。邪魔した」


そう言い残し、真田はその場から立ち去った。

とりあえず各クラスの主将に質問して探ってるんだろうか。


でも、探してどうする気だ?


「なんだったんだあいつ?」


「さあな」


「無駄に怖いねあの人……」


「ですね」


「……物凄い威圧感だったね」


真田政宗、か。奴の相手はもうしばらく後になりそうだ。

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