その後
神楽島襲撃決行日同日。夜の八時。
そんな頃、神薙からチャットが来た。
松原は無事だったようだ。手と顔の筋肉が麻痺しており、その後遺症が約二週間ほど残るらしい。後は特段目立ったところはないとのこと。
(とにかく無事で良かった)
(本当によかったよ。……ところで、神薙さんはあの時、何があったの?)
(下っ端達との戦闘が始まるってチャットして離脱したじゃん?とりあえず一掃したら、いきなり生徒会長に目をつけられてさ……随分長引いちゃった)
(生徒会長か)
(一体なんで!?)
(うーん。さっぱり分からないw)
(本来の作戦からは大きくズレたが、"仮面男"のおかげで神楽島はこれでおそらく失脚か。まあ死んでるかもしれないが)
(処理班が来ちゃったからどうなったか分からないけど、これで終わってくれたら嬉しいよね!)
(仮面男は一体誰なんだろう?敵っぽくはなかったんだよね)
(まあとりあえず、深く考えなくても良いんじゃないかな?)
(そうだね)
(あっ!そうそう。まだまだ敵は多いしさ、私達このまま同盟関係を続けるっていうのはどうかな?)
(俺は良いと思うぞ)
(そうだね!じゃあ、これからもよろしく!)
こうしてC組との同盟関係は続行となった。
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翌日の放課後。
神楽島が登校していないことは特に騒がれていない。一日だけなら体調不良か?くらいの認識で終わりだろう。だが、実際には病院だ。
俺は殺してはいない。
いつかはまた帰ってくる。
復帰した時の奴がどうなっているのか、考えたくもない。
コンコン。
「誰だ?」
俺は今、少し用があって生徒会室の前に来た。
「一年A組の桐生です」
「入れ」
この声は……。
「失礼します」
ガチャリと扉を開け、中に入る。
中はソファとテーブル、それから大きな棚。そこには資料をまとめたファイルが並べられている。
あとは最奥に社長が座りそうなデスク。そこに座る生徒会長の倉科と目があった。
ていうか他には誰もいないようだな。
「適当に座ってくれ」
用件を伝えようとしたが、とりあえず座った。
「用件を聞こう」
「まあ、ただの質問なんですが、よろしいですか?」
「ああ、構わない」
「昨日、C組の神薙と戦闘しましたか?」
そう質問すると、倉科は少し口元を緩めた。
「ああ、その通りだ。まあ、たまたま路地のパトロールで見かけて襲っただけだが」
パトロールしてて何もしてない生徒を襲うっておかしいぞ?学生が一人で路地にいるのもおかしいけど……。いやでも、学校の事情を知ってるやつが襲うのはやはりおかしい。
しかも同じ学年でもないときた。
「おかげでこっちは神楽島と戦闘しなくちゃいけなかったんですからね。迷惑料ほしいくらいですよ。あと、さり気なく盗撮されたんですが、心当たりあります?」
神楽島と会敵してからずっとコソコソしていた盗撮野郎。コイツの正体は二通りある。
一つ目は、倉科と共にパトロールをしていた生徒会の誰かか。二つ目は全くの別人。彼の返答次第で今後が大きく変わってくる。
「ああ、うちのメンバーだな。単純にお前達の戦闘が見たくて盗撮させた」
「そ、そうですか。……でも、一体何のために神薙を襲ったりしたんですか?」
「実は、次期生徒会のメンバーを探していてな。それで一年の中から有力な生徒を選ぼうと思っている。だから神薙やお前を襲ったりしたんだ。実力は生徒会に入るうえで最重要項目だからな。それでどうだ?お前は生徒会に入るべき素質を存分に持っている。やってみないか?」
生徒会?ごめんだな。面倒事でしかないだろう。
こんなヤバい生徒会長の元で働くなんて考えられない。ていうかメリットなくないか。
「こんなイカれた学校の生徒会をやるほど、俺は優秀じゃありません。すいませんが、他を当たってください」
まさかの勧誘か。この人に神楽島の情報が欲しいと取引しなくて良かった。絶対条件に出されるところだったな。まあ、先生は先生で行事に参加しなくちゃいけなくなったが。
「そうか。気が変わったら声をかけてくれ。いつでも待っている」
申し訳ないが、気が変わることはないだろう。
いきなり襲うような奴に神薙もついていくとは思えない。
昨日の謎を解きに生徒会室へ向かった俺は、そこをあとにし、帰宅。
「ふぅ……」
なんだか疲れた。しばらく何もないと良いんだが、そういうわけにもいかない。
例の行事が迫っていることは確かだ。




