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灆葉  作者: 湯川 航
第一節 浸す
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浸す

寒々とした日、残暑日が交差する今日この頃。大雨、残暑、目まぐるしい日々。

秋の藍色の空の中、紅葉が飛ばされ、吸い込まれて行く。


ふつに紅葉を空に浸すか、て。


それは刹那に消え、あたりは静けさを取り戻す。


秋の道をサッ、サッ、と歩く。ズボンがすれる音だけが脈々と聞こえる。


10月某日。


サラサラと風、吹き、また一つ、一つと紅葉が消えてゆく。


なにがし、何を想うか。


駅前。無数の人。山中の鳥兜。


学校風景。アマリリス。


あの紅葉になりしとき、それななんどき。


歩を進めるとともに、足元のレンガ通りに数多の落葉が見える。


銀杏は黄色。桜の紅色。紅葉は燃え色。


サク、サク、サク、と絨毯を歩く。ため息交じりの息で、眼鏡が薄曇る。


現在時刻。16時半。藍色になりし空は、今や群青。


肌寒さが増す、風が冷やかす。街灯や外套の存在に人を感じる。


あたりは金希星の甘い香り。なにがしは擦れた銀棄生。

次章:拡がる

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