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黎明を灯す光 ~神に至る道~  作者: Mr.Z


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048.パンケーキ

 私はクーナとアメリカの軍事基地を後にし、転送装置を使ってホワイトハウスに移動する。それから専属の運転手の手によって、ワシントンにあるショッピングモールへと向かった。


 クーナの頭には、私のニット帽を被せている。それを深めに被る事で耳を覆い隠しているのだ。秋頃という事もあり、服装の季節感に問題はない。ただ、帽子を被っても尚にじみ出るその美貌は、どうしようもなかった。


 女の私から見ても、やはりクーナは美人だ。写真では顔を見た事はあったものの、実物はそれ以上の美しさを誇っていた。そんな彼女が、ショッピングモールの大きさを目の当たりにし、目を見開いて口を大きく開けていた。


「地球の店はこんなに大きいのか!?」


 田舎者丸出しのその姿に、私は笑いを堪えられなかった。それに気づいたクーナがむくれてしまうも、その様子もまた可愛い。


「とりあえず色々服を買いましょ。ケイジが喜ばせる為に地球のオシャレを勉強しないと」


「確かにそうだな。ケイジが喜ぶ服は一着しか持っていないからな」


「アールヴの服でケイジが喜びそうなデザインがあったの? 参考までに教えてくれるかしら?」


「いや、アールヴの服ではない。ネットで買ったネグリジェという服だ。あれは着心地も良くて寝るのにピッタリだからな」


 その言葉に眉がピクリと動く。ネグリジェを着るなんて一体どんな状況なのかと、疑問を抱く。まさか、ケイジはクーナと既にあんな事やこんな事をしているのでは?


「・・・ケイジにネグリジェ姿を見せたの?」


「ああ、一緒に寝る時はいつもネグリジェを着ているからな。それにしても地球の服は面白いな。半透明の服なんて、どうやって作るんだ?」


 半透明・・・。透けているネグリジェ・・・って事・・・?


 一緒に寝ている発言もそうだが、そんな透けているネグリジェを着てセックスアピールをするクーナに、呆然としてしまう。もうそこまで進んでいるなんて・・・。


「ふ、普段からケイジと一緒に寝ているの?」


「当たり前だ。ケイジと私は一心同体だからな。それにケイジを抱きしめながら眠るのは気持ち良いんだ。お前も今度試してみるといい」


 彼と一緒に寝ているという発言に驚きを隠せなかったが、それ以上に彼女の言葉に違和感を抱いた。


「えっとクーナ? あなたケイジが他の女と寝てもいいの?」


「ん? 一緒に寝る事ぐらいあるだろ。ミカエラはケイジと一緒に寝た事がないのか?」


「ないに決まってるでしょ・・・」


 そんなのある訳ないと叫びそうになるも、ぐっと堪えた。違和感の正体はこれだ。クーナに浮気という概念がないのかもしれない。そういえばアールヴは世界樹から生まれる為、貞操観念が人間とは違うという事を思い出す。


 なら、どうして私とケイジが二人で会っていた時に不機嫌そうな顔をしていたのか。ミカエラは正直に聞いてみる事にした。


「さっきはどうしてあんなに機嫌が悪そうだったの?」


「誰だって部屋に知らない人がいたら警戒する」


 それはごもっとも。そもそもクーナの部屋ではないけど、かなりの頻度で入り浸っているのは話から伺える。


 ケイジったら、普段からこんな美女と一緒に寝ているなんて。だから私に手を出してこないのだろうか? いや、奥手で誠実なケイジの事だ。ただ流されているだけだろうと、私は察する。


「ごめんなさいね。お詫びに今日は私が出すわ」


 そう言って財布からブラックカードを出す。が、クーナはそれが何なのか分かっておらず、顔をしかめている。どうやらネットで買ったと言っていたが、クレジットカードの事は知らない様だ。パパかミスターコマンダーが協力したのだろう。


「とりあえず服を買って、その後カフェにでも行きましょ」


「おお! 地球にはみるくてーをかふぇで飲むという文化があるのだったな!」


 ミルクティー以外にも多数のメニューがある事を知ったら、彼女の驚く姿がまた見られるだろうと、期待に胸を膨らませる。


 その後、およそ3万ドルも彼女の服を購入した。スタイルの良い彼女には、その美貌を際立たせる服がいくらでもあった。どれも似合ってしまうのだ。美しすぎる彼女が悪い。大人っぽい服が多くなってしまったが、およそ身長が170センチメートルある背の高い彼女にはそちらの方が似合うだろう。


 買い物に満足した私達は約束通り、カフェで至福のひと時を過ごす事にした。


「み、みるくてー以外にもこんなに種類があるのか!? ぱ、ぱんけーきとはなんだ!?」


 期待通りに驚く彼女はあまりにも可愛かった。とりあえず彼女のご所望に従って、ミルクティーとパンケーキを頼む。数分後にそれらが運ばれてくると、彼女の耳が、帽子の中でパタパタと動いているのが分かった。


 胸を躍らせながら、彼女はフォークを使って一口それを口にする。


「んんっ! 口の中で溶けたぞ!? 何だこれは!? ふわふわだ!」


 パンケーキで頬を膨らませてはしゃぐ彼女を見ていると、自然に口角が上がってしまう。本当に可愛らしい人だ。それに、情報では彼女は戦いに長けた魔法使いだという。


 そんな彼女だからこそ、私はある提案をしたくて彼女を誘ったのだ。


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