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黎明を灯す光 ~神に至る道~  作者: Mr.Z


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112.後方支援部隊

 美奈からの届いたメッセージに、私達はすぐに返事をした。


 サキ『おかえり! でもどういう事? もしかして怪我でもした!?』


 カズキ『美奈! 今家!? すぐに向かうから!』


 リン『ソロモン』


 ミナ『とりあえず今からサキサキの家に集合でもいい? お兄さんの事で伝えたい事があるからサキサキのパパンとママンもいたら話したいんだけど』


 お兄の事で? 話の内容は分からないけど、パパとママも家にいたから確認したら今すぐにでも会いたいとなった。美奈にも『オッケー』と返信して、家で待つ事1時間。道中で合流していたのか、3人一緒に訪ねてきた。


「美奈!」


 久しぶりに会えた親友に、感極まってつき抱き着いてしまった。


「おふ。人気者は辛いぜ」


 ふざけてそう言うも、4か月前と同じ様に私の頭を撫でる彼女。


「おかえり」


「ただいま。それにしても3人共見事なまでに同じリアクションだからビックリしちゃった。もしかして打ち合わせでもしてた?」


 突然の再会だったから打ち合わせなんてしていない。それに再会するのだって数年先だと思っていた。まさか半年も経たない内にまた会える何て思ってもみなかった。


「とりあえずお邪魔しまぁす」


 リビングに移動すると、待ちわびていたパパとママが美奈を出迎える。


「いらっしゃい」


「お邪魔します。おじさん、おばさん」


 みんなでソファーに座って、美奈の話が始まるのを待っている。そんな私達の期待に応えるよりも前に、美奈は出された飲み物、コーラをがぶ飲みした。


「あーっ! 久々にコーラ飲んだけどやっぱり美味しい」


 軍に入るとこういった飲み物も気軽に飲めなくなってしまうのだろうか。久々にコーラを飲んだと思われる美奈が満面の笑みで空になったコップをテーブルに置く。


「じゃあ早速私が帰ってこれた経緯を話すね」


 やっとお兄の事が聞ける。期待しているのは私だけでなく、パパとママも今か今かと待ちわびている。


「えっと、今私が所属しているのが『後方支援部隊』ってところで、その名の通り雑務をしたり、戦場に物資を運んだりするのがお仕事の部隊。だから直接オメガ戦ったりする事はないから安心して」


 つまり命の危険は限りなく少ないのだろう。それを聞いて一輝が一番安心していた。


「普段も基地内の掃除とか洗濯、訓練場の整備とかやっているの。逆に言うとそれぐらいしかやる事がないから月に4日休みをもらえて、それで帰ってこれたって訳」


 本当に雑務をこなしているだけみたいだ。いつお兄の話に繋がるのだろうか。


「で、肝心なのは後方支援部隊は元々存在しなかったって事。新しく作られた部隊なんだけど、じゃあなんで作られたかっていうと、私の為なの」


「・・・えっと、どういう事?」


 美奈の話を遮らずにずっと聞いているつもりだったけど、つい聞き返してしまった。美奈の為だけに作られた部隊ってあり得るのだろうか?


「私だけじゃなくて18歳未満の希望者も含まれるんだけど、それは置いといて。その部隊を作ったのがサキサキのお兄さん、啓司さんなの」


「え? お兄が?」


「啓司が・・・?」


 私に続いてパパも驚きを隠せずに声を漏らしてしまった。ママは驚きのあまり声も出ていない。そして美奈は続けて言った。


「私が3か月の訓練期間を終えて、さあこれから兵士としてより一層頑張れって演説を聞かされたんだけど、演説をしていたのが啓司さんだったの。もうね、3年前に見た時とは別人かってぐらい大人びてて・・・。身長も高くておじさんよりも大きくなってましたよ」


 前は170センチに届かなくて牛乳を飲んでいたお兄が、そんなに背が伸びたなんてちょっと信じられなかった。


「演説もカッコ良くて・・・。コホン、『訓練期間を終えた諸君らは、これから戦地に赴く事になるだろう。軍人として戦場に立った以上、諸君らに求めるのはただ一つ。勝利を手にする事だ。友人を、家族を、人類を、そして地球を守る為に散っていった英雄達の意思を受け継いで戦ってほしい。今後、諸君らが活躍する事を期待している』」


 お兄の声真似をしているのかもしれないけど、はっきり言って全然似ていない。そもそもお兄がそんな喋り方をするとは到底思えない。


「スピーチを任されるぐらい啓司さんって凄い役職、じゃなくて階級なんだよ」


「お兄が・・・?」


 さっきの演説といい、私の知っているお兄とは別人の様な気がしてきた。


「普通は軍人だから大佐とか軍曹とかって階級なんだけど、啓司さんだけ特別階級なの。その名も、『騎士団長』!」


「っぶ。き、騎士団長?」


 ふざけた階級の名前につい笑いを耐えきれずに噴き出してしまうも、皆もポカンと口を開けていた。


「もう、私も最初聞いた時は嘘かと思ったけどさ。連合軍最強の特殊部隊『騎士団』。その隊長が啓司さんなんだから。軍の中で啓司さんの事知らない人なんて一人もいないぐらい有名なんだよ?」


 本当にそれは私と血の繋がっているお兄の事なのか、改めて信じられなくなってきた。あのお兄がそんなに強いのだろうか? 確かに前に香港の映像で戦っているのは見た事があるけど、適合者なら誰でもあれぐらい強くなれるのではないだろうか?


「軍内部での発言力もトップクラスで、私がサキサキの友達だって伝えたら3日後に後方支援部隊が作られて、配属がそこに決まったんだよね。戦う必要がないから安全だし、他の人達とは違って家にも帰れるし。職権乱用の気もするけど・・・。だから安心してね」


 美奈が安全ならそれでいい。お兄が元気でやっているのならそれでいい。基地に防衛設備も設けられ、更に安全となった為、危険はほぼないと言うし。


 他にもお兄の事を聞いてみたけど、他に知っている事はないらしい。美奈のおかげで、パパとママも明るい表情になり、完全に元気を取り戻した様に見える。お兄が最強とか信じられない要素はいっぱいあったけど、それでも話を聞けて良かった。


 この4か月をどう過ごしていたのかを聞いていると、ふと一輝がスマホを取り出した。


「そうだ。また海外のサイトでオメガと戦っている動画見付けたんだよ」


 おそらくロシア語と思われるタイトルの動画を一輝が再生する。本当、どうやっていつも見付けてくるのかと感心していると、ふと他の軍人とは違う装いの人が映し出された。黒いロングコートを着た白髪の剣士。変な黒いマスクを付けているけど、まるで騎士みたいだ。


「あ、この人が啓司さんだよ!」


 こ、この白髪なのがお兄!? ストレスが原因なのかは分からないけど、色々と苦労しているのかもしれない。


 どうやらお兄はストレスでハゲるタイプじゃなくて白髪になるタイプみたいだ。


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