尋問
後ろで、手を、組んで、歩くように言われた。
自分で、手錠を、している様なものなのだろう。
上官三人に、囲まれて、引率されている。
理由は、私の、地位では、入れないエリアなので、引率が必要だったと言うだけ。
そして、通された部屋に、その男が居た。
「ローズ・アルマリナ君」
私の名前を呼んだ。
「椅子に掛けたまへ」
一応、敬礼して、椅子に座った。
その男と、秘書ぽい人が、隣に座っている。
「単刀直入に、聞こう。君は、ニュータイプかね」
私は、嫌そうな顔をしていたと思う。
「いいえ。私は、サイコミュを、使えません。ニュータイプでは、有りません」
「簡潔な答えだね。結論も、解りやすい」
その男は、資料に目をやると、また質問をしてきた。
「だが、君の戦歴を、見させてもらったが、ニュータイプと、宣言しても、そん色ないと思うがね」
「私の、戦略は、逃げる。避ける。背後から撃つです。今回の戦果は、それに、たまたま有利な状況が、続いただけです」
「成程、敵が、間抜けだったと、言いたいのだね」
「いいえ、敵の、運が、悪かったんです」
「見解の相違だね。結論は、同じだが」
もったいぶった沈黙の後に、質問を、続けた。
「しかし、その戦略に、そぐわない事例も、それなりに、有ったようだが」
「戦場は、常に動いています。敵が、正面を、向いて居るから、敵が有利とも限りません。敵が、私を、見ていなければ、結果は、同じです」
「中々、巧妙なんだね。狡猾と、呼んでも、良いかね」
「私の判断する事では、有りません」
「それでも良い事に、成るのかな」
その男は、私を注視する。
その後、質問してしてきた。
「何か、質問は、有るかね」
「あれは、何です」
「あれかね。私が、答えると、思うかね」
「いいえ」
「では、私から、質問を、させてもらおう。あれは、何だと思うかね」
私は、押し黙った。
一つため息を、ついてから、答えた。
「何らかの、コミュニケーション・デバイスですか」
「控えめな、表現だね。本心だとしたら、私は、失望しただろうね」
いい答えが、返せずに、私は、押し黙った。
男は、身を乗り出して、聞いてきた。
「あれの感想を、聞いても良いかな」
「迷惑です」
「ふふふ、迷惑か、的確な表現だ。実際、私も、君の意見には、共感を、持つよ。多少だがね」
続けざまに、質問が来る。
「君は、あれを、何処まで使えると思う」
「使いたくありません」
「君に、その権限は、無いよ。意見としては、聞かせといてもらうとしよう」
私は、また、ため息を、一つ付いた。
「それに、もう、十分に、君は、実績を、示したからね」
私は、やりすぎたのか。
「我々は、欲が、深いのだよ。君には、期待させてもらうよ」
返事を、する気にも成れない。
「最後に、君の、質問は、無いかね。何でも構わんよ。モニターが、暗いとか、空調が、気に入らないとか、そんな下らない事でも構わない」
一つか、二つか、質問が、浮かんだが。
「いいえ。特にありません」
「そうか、今日は、来てくれて、感謝しているよ。後は、ゆっくり、休んでくれたまえ」
私が敬礼すると、その男も、敬礼した。
あとは、退出するだけだ。
「失礼します」
それなのに、その男が、話しかけて来た。
「そうそう、一つ言い忘れていたことが有った」
立て続けに言う。
「軍人は、自分の意志では、辞められない。それを、決めるのは、軍だと言う事を、覚えておきたまえ」




