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第47話 アリシャの実力


「プギィ!」


 猪のような魔物は、アリシャが何かを仕掛けてくると思ったのか、すぐにアリシャに向かって突進をしてきた。


 このまま何もしなければ魔物に突進されてしまい、大きな怪我をするかもしれない。


 しかし、そんな俺の心配をよそに、アリシャは向かってくる魔物に対して焦る様子を一切見せない。


「プギィィ!」


 そして、魔物がもう一段階加速した瞬間、アリシャの纏っている空気が変わる。


「……『中級魔法 氷槍』『中級魔法 鋭風』」


 アリシャが小声で魔法を唱えると、ぱきぱきと音を立てながら、アリシャの目の前に氷の槍が形成された。


 そして、その槍はもう一つの魔法によって勢いよく発射されて、猪の魔物の体を貫く。


「ピギィィィィ!!」


 体を貫かれた魔物は、そんな悲鳴を漏らしてから勢いを失速させて、アリシャの目の前でぱたんと倒れた。


「す、すごっ」


 リリナはアリシャと魔物との戦いを見て、思わずそんな声を漏らす。


 戦い方もスムーズだったし、一撃で魔物を屠るだけの力もある。


 俺もリリナと同じく、そんな言葉を漏らそうとしていた。


「はぁ……はぁ」


 アリシャが息を乱している姿を見なければ。


 ……やっぱり、リリナの弱点はアニメと同じか。


「どうですか? 私はロイドさまのお役に立てそうですか?」


 アリシャは息を整えてから、そう言って俺を見る。


 アリシャのニコッと笑う表情を前に、俺は微かに眉を下げる。


「ああ。一撃で魔物を屠れるのは凄いと思うぞ……ただ、魔力量が心配ではあるけどな」


 俺がそう言うと、アリシャは俺の言葉を予想していなかったのか、目を見開く。


 それから、目をぱちくりとさせてから、脱力したように深く息を吐く。


「さすがロイドさまです。まさか、一撃で私の魔力量の低さを見抜くなんて」


「別に特別低いわけじゃないだろ? アリシャの場合は、まだ体がアリシャの使う魔法に追いついていないだけだ」


「本当にさすがですね。おっしゃる通りです」


 アリシャはそう言うと、眉を下げて笑みを浮かべる。


 アリシャたちエルフは長く生きる種族として有名だ。


 確か、アニメだとある程度体が成長したら、そこで見た目年齢の成長が遅くなるはず。要するに、ある程度成長したら老けにくくなるのだ。


 そして、体がその過程に入ったときに魔力量がぐんと伸びるようにできている。


つまり、幼いうちは魔力量が低くて当然なのだ。


アリシャの場合は魔法の才に恵まれたので、幼い今の状態でも色んな魔法が扱える。


しかし、それに伴う体ができていないというのが現状だ。


「えっと、どういうことですか?」


 リリナは俺たちの会話を聞いて、きょとんとしている。


 まぁ、アニメの設定を知らないリリナからしたら、そんな反応にもなるか。


「要するに、まだまだ成長途中ってことだ。大きな魔法を扱えるほどの魔力がまだ育ってないということだな」


 俺がそう言うと、リリナはなるほどと言って頷く。


「正直、長い目で見れば、今の戦い方を続けて、魔力が成長するのを待つ方がいいかもしれない、でも、ケイン戦に向けては別の戦い方を身に着けた方がいいかもな」


「はい。私もそう思います。あの穢れた者たちに、私の魔法は利かなかったので」


 アリシャはそう言うと、顔を俯かせる。


 ケインの『支援』+ザードの『剛盾』は、俺の『豪力』を止めるほどの防御を誇る。


『支援』のスキルで魔力を底上げしていない状態のアリシャでは、突破するのはほぼ不可能と言っても過言ではない。


 でも、アリシャの力がケインたちに全く届かないとも考えられない。


 なぜなら、俺はアニメでアリシャがケインの『支援』なしで戦っている姿を見てきたのだから。


「アリシャ、弓をメインの武器にして戦ってみないか? 狙撃手みたいなスタイルで」


「狙撃手、ですか」


 俺の言葉を聞いて、アリシャはふむと顎に手を置く。


 そんなアリシャの背中には、使い古されたような弓がちらっと見えていた。



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