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第48話 アリシャの弓矢


「すみません。多分、弓の方もロイドさまの期待には応えられないかもしれません」


 俺がアリシャに弓での戦い方を勧めると、アリシャは申し訳なさそうに眉を下げて頭を下げる。


 それから、アリシャは頭を上げてから言葉を続ける。


「あの穢れた者たちにも弓を使ってみたのですが、盾の人にあっさりガードをされてしまい、傷一つ与えることができませんでした」


 アリシャはちらっと背負った弓を見てから、肩を落とす。


 まぁ、当然弓矢でもケインたちに攻撃はしているよな。


 それに、単純な弓の威力よりもさっきの魔法の方が威力は強いかもしれない。


 それは、そんな返答にもなるよな。


 俺はそこまで考えてから、小さく笑みを漏らす。


「それは、普通に弓矢を打った場合だろ? 多分、魔法と弓矢を組み合わせることで威力は飛躍的に上がると思うぞ」


「魔法と弓矢を? どういうことですか?」


 俺がそう言うと、アリシャはきょとんと首を傾げる。


 ……なんだか俺がもったいぶっているような言い方になっているけど、この方法ってアリシャが独自に見つけたものなんだよな。


 俺はそんなことを考えながら、咳ばらいをしてから口を開く。


「ただの矢を引くだけじゃなくて、矢を発射するときに一時的に魔法で風を送るんだとさ。矢の発射口に瞬間的に魔力で風を送るんだ。詳しいやり方は分からないが、それで矢の速度が上がって、威力が上がるんだと」

 

アニメ『最強の支援魔法師、周りがスローライフを送らせてくれない』の三期では、リリナ同様にアリシャもケインとは別の街に飛ばされてしまう。


そのとき、アリシャもケインの『支援』なしで戦う方法を身に着けることになるのだ


その際、アリシャは持ち前の魔法の才を活かして、魔法と弓矢を掛け合わせた方法を生み出したのだ。


 確か、アリシャ曰く、その方法は魔力をあまり消費しないで、矢の威力を上げることが可能らしい。


 でも、正直俺が覚えているのはその原理のみ。


 詳しいやり方などはアニメでも描写されていなかったので、俺にも分からない。


 でも、魔法の才に長けたアリシャなら、きっかけさえ与えればそこから、その方法を確立させるかもしれない。 


「あ、それって……」


「どうした?」


「いえ、なんだか昔に試したことのある方法だなと思って」


 アリシャはそう言うと、くすっと嬉しそうに笑う。

 

 それから、アリシャは何度かうんうんと頷いてから、機嫌よさげに口元を緩める。


「うん、もう少し試行錯誤すれば……そうですか、あのやり方を確立させた人がいるんですね」


「どのやり方かは分からないけど、多分その方向で合ってると思うぞ」


 俺がそう言うと、アリシャはこくんと頷く。


 どうやら、アリシャの中ではすでに確立している方法があるらしい。


 もしかしたら、俺が想像しているよりも早く、そのやり方をものにするかもしれないな。


 俺がそう考えていると、アリシャは俺を見上げる。


「分かりました、そのやり方を試してます」


 アリシャのどこか自信ありげな表情は、とても心強く思えた。


「穢れた者たちと戦うまでには、確実にものにしてみせますから」


「もしもそうなれば、凄い助かるな」


 俺が笑顔でそう言うと、アリシャは俺に釣られるように笑う。


 もしも、アニメのような弓矢の使い方ができなくても、アリシャはそれに近い弓の使い方を見つけ出すかもしれない。


 俺の方でも何かしら協力できればいいんでけど、こればっかりはアリシャ次第っていう感じだよな。


 些細なことでもいいから、俺に何かできることがあればいいんだが……。


 俺はそんなことを考えながら、ふとアリシャが背負っている弓矢を見る。


「さすがに、あのスキルは持ってないよな」


 俺はそんな独り言を漏らしてから、ステータスを表示させる。


 それから、奪ったスキル一覧を確認してから、俺は小さく声を漏らす。


「『生産』スキル。これって、他の作品とかだと『鍛冶』スキルって言われてる奴だよな?」


「ロイドさま?」


「アリシャ。もしも、俺が弓を作ったら、アリシャはそれを使ってくれるか?」


「え?」


 俺がそう言うと、アリシャは間の抜けたような声を漏らす。


 昔動画で見たあの弓を作れるかもしれない。


 俺はそんなことを考えて、微かに胸を躍らせるのだった。


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