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サクッと世界が終わらせられた話  作者: ☆4IPON☆
第一章
10/21

第八話 一ヶ月後の話

前話で、相田中心視点のパートは一旦終了です。

今話から、扇視点でお話が展開されます。

設定上、第一話から一ヶ月後、ということになっています。

それでは、第八話、お楽しみください。

Now lording...

データを取得中...

Wondows/system :[■■■□□□□□□□]30%

2019/9/26 P.M.27:00


主「今だ!!」


扇「ふふ、今でちょうど一ヶ月ですか」


翔「眠たいんだけど」


主「まぁまぁ、せっかくの一ヶ月記念だ。楽しく朝まで語り明かそうじゃないか」


時刻は、深夜3時。いつもの三人で、7INEのグループトークをしている。


私は、夜に強いし、全然眠たくない。


主が一人で盛り上がってるのを見て、少し楽しそうに思えた。


今日は、朝まで語り明かそうじゃないか、だって。


もちろん、そのつもりだ。


薄羽が寝落ちしないか少し心配だが...。


扇「薄羽、一ヶ月前もこの時間に起きてたんだよ?」


翔「確かあの日はたまたま夜中に目が覚めたんだよ」


扇「じゃあ、今日も大丈夫でしょ?」


翔「頑張ればなんとかなるし、まぁ構わないけどよ」


主「一ヶ月って言っても、いろいろあったねぇ」


扇「一番いろいろあったのは、主さんじゃないですか?」


翔「俺の家でぶっ倒れたよな、そういえば。もうなんともないんだよな?」


主「おかげさまで今はなんともないよ」


扇「主さんが倒れた次の日の薄羽の顔も、すごかったよ」


主「え、まじ?くっそー、俺まともに見てなかったわ」


翔「まぁ、寝起きじゃあ、そんなひどい顔にもなるもんじゃないのか?」


扇「私、寝起きだなんて言ってませんよ?」


主「薄羽、自覚あったんだw」


翔「扇にひどい顔って思われるタイミングが、寝起きにチラッと顔を合わせた時しかなかったんだよ」


扇「私、ひどい顔とも言ってませんよ?」


翔「初対面の時にキョドッてたやつが、言うようになったじゃないか」


主「扇は本当に変わったねー」


扇「私だって、頑張れば人並みの力を出せるんですから」


翔「まぁ、働けてよかったんじゃないか?」


主「うちの会社だけどねw」


扇「悪い冗談はよしてくださいよ...まぁ、事実ですが」


私は主の会社で、平社員として働き始めた。


きっと、これも薄羽のおかげだ。


彼は、私に道を与えてくれた。


きっと、あのプレゼントも、私に「頑張れ」、って。


そう伝えたくて、渡してくれたんだと思う。


それで、実は働いていないんだ、ということを主さんに打ち明けると、あっさり採用してくれた。


最初は謎すぎて困惑したが、思っていた以上にいい職場で、とても満足している。


主「扇って、男性社員から人気高いんだよ?」


扇「もう、今はそういう話じゃなくて、なんかもっとこう、活動の振り返りみたいな話題で...」


翔「そういや主、一ヶ月前のあのスレッド、どうしたんだ?」


主「ん?ちゃんと履歴とかは消したし、誰かがちゃんと調べない限り出てこないと思うよ」


翔「あの場に、俺ら以外にまだ人間がいただろう?Aと、Bってやつ」


主「そいつらがどうかしたの?」


翔「もしそいつらが警察に通報したら、まずいことになるんじゃないのか?」


主「いや、全然?」


翔「ふーん、まぁ、主がそう言うなら問題ないんだろうな」


主「あれ、気にならないの?」


翔「主が問題ないっていうなら、深く気にする必要もないだろう?」


扇「そうですね。我々のリーダーは主さんですから」


主「ふーん、俺がリーダー、ねぇ」


翔「そうそう。お前がリーダー」


主「AとBのこと、気になる?」


翔「脅威になるっていうなら、気になる。無害なら、放置で大丈夫」


主「まぁ、無害って言えば無害。でも、脅威にはならない」


扇「なら、問題なさそうですね。」


主「あ、あとそれと、情報交流の場を設けたいと思ってたんだけど」


翔「いつだ?」


主「今日の夜。気になる記事とか見つけてたりしてない?あと、餌も足りなくなってきそう」


扇「そういえば、ここ一ヶ月の間、餌の補充してませんでしたね」


翔「あんまり溜まってないけど、必要なら持ってく」


扇「バラしたパソコン、持ってきます」


主「またバラしたの?前にも似たようなこと言ってなかったっけ?」


扇「そうでしたっけ?」


翔「まぁ、一ヶ月経ってるからな」


主「とりあえず、これからの課題は餌を切らさないこと、だね」


確かに、それはその通りだ。


でも裏を返せば、私と薄羽が餌を調達しておけば、あとは主がやってくれる。という話なのだ。


何かもっと、自分にしかできないことで役に立ちたい、と思い始めていた。


主「あ、一ヶ月経って思ったんだけどさ」


主が話題を変えてきた。


主「このままのペースだと、準備期間を持て余しそうじゃない?」


翔「まぁ、時間を持て余すほどの余裕はあったほうがいいだろう」


扇「そうですね。パッツパツの日程になるよりはゆったりして進めたほうがいいと思います」


翔「んで、ぶっちゃけ作業の方はどうなんだ?」


扇「あ、それ私も聞こうとしてました」


主「一回しくじりかけたけど、結局うまいこと立て直したよ。あとは、アケチに凶悪性を足していけばいいだけだ」


アケチとは、今、我々が育てているウィルスの名前だ。


私がつけた名前だ。結構気に入っている。


翔「具体的にどんなことになるんだ?」


主「前に話した通り、基本的には、機械に取り付いて、増殖して、そのまま機械を捕食して、拡散して、機械に取り付いて、っていうのがループする」


扇「あの、思ったんですけど、アケチが通れなくなる壁、みたいなのを作ることができれば、主は死ななくてすむんじゃないですか?」


主「残念だけど、そういう便利なものは存在しない。二人は、俺の計画を手伝ってくれるだけで十分だから、安心して」


翔「前から気になってたんだけどよ、お前さん最近俺たちのことをお手伝いさん、みたいな感じで言うよな?」


主「え、だって、二人は現に手伝ってくれているじゃないか」


扇「少なくとも、私は手伝っている気なんてないですよ」


主「え?どういうこと?」


翔「まぁ、そういうことだな。俺たちは、好きでお前の計画に付き合ってるんだ。悪ふざけでやってるわけじゃねぇんだよ」


薄羽は言葉にするのが上手いなぁ。率直にそう思った。


扇「まぁ、変わらなきゃっていう私の目標はすでに達成されてるようにも思えるのですがね。お二人がいつも変わったねーと言ってくれるので」


翔「それでも、まだお前についてってるんだよ。わかるか?」


数秒後、主から返事が返ってきた。


それを読んで、思わず声をあげて笑ってしまった。


「プッ...ははは!!そう...だね。そうだよね。フフッ。」


主「...君たちがイカれた奴らだってことがわかったよ。これからもよろしくお願いします、だね!」


翔「おう、まぁ、主もイカれてるけどな。俺も子どもの時にあったぜ、夢が世界制服だった時期」


扇「戦隊モノのアニメとか、特撮を見て、ヒーローより敵さんのほうがカッコよく見えちゃう人ですか?だったら、私も同じですw」


翔「あ?わかるか?だってよ、ヒーローがカッコつけて変身してるうちにリンチしたら、雑魚でも絶対勝てるだろうよ」


扇「そうですよね。私なら絶対そうするって思いますもん。なんなら、自分で世界制服したほうが早いじゃん、とも思います」


主「なんかもうアケチがいなくても世界制服できそうな流れじゃない?まぁ、最終目的は世界制服じゃないんだけどね」


翔「そういや、主は世界を終わらせてどうしたいんだ?結局自分も終わっちまうんだろ?」


主「一番最初の予定では、俺までは死なないはずだったんだけどね。急遽俺も死ぬことになったの」


扇「それ、すごく謎なのですが...」


主「まぁ、そこらへんは俺が死ぬ間際に教えてあげるよw」


翔「お、世界を道連れに死んでいく勇者様の遺言を聞き届ける義務ができたぞ」


主「薄羽、今になってやっと深夜テンション?w」


扇「もう4時を過ぎていますね」


翔「あれ、もう少しで朝か。今思えば、明日は仕事ないからいいんだよ。徹夜しても。明日っていうか、今日か」


扇「ここら辺の時間って、明日と今日の区別がごちゃごちゃになりますよね」


主「じゃあ、情報交流とかは、また明日にするか。明日っていっても、今日の夜なんだけどね。あれ、今も今日の夜?」


翔「話をややこしくするんじゃねーよ。せっかくだし、今日の夜は俺の家に来いよ。パスタ作るから」


扇「あんなに美味しいものをまた口に出来るだなんて...今日の夜が楽しみだ」


主「その今日の夜っていうのは、P.M.07:00のことで、あってる?」


翔「おう、そうだ。一ヶ月記念ってことで、俺からのプレゼントだ。情報交流も飯食った後にするか」


主「薄羽が俺よりも主っぽいぞ!?」


扇「でも、主は主さんですよ?(錯乱)」


翔「ややこしい。もっと普通に会話しようぜ...」


主「あははwじゃあ、今日の夜は...」


翔「しつこいよw」


扇「あ、薄羽が草生やした」



________________________________________________


「...楽しかったな。」


7INEでのグループトークを終えて、素直にそう思った。


同時に、このメンツで今後も色々とつるんでいきたいと思った。


しかし、今彼らとつるんでいるのはあくまで計画のため。


世界を終わらせる、というただ一つの目標のため。


そう思うと、とても寂しく感じた。


「計画がうまくいったら、主は死んじゃうし、薄羽も私とつるんでくれるかどうか、わからないよね...。」


いつにも増して、切ない気持ちになっていく。



ーーそして、夜が明けた。


たった今から、また新しい1日が始まる。








メンバーが上手い具合に打ち解けあってきているようですね。ただ、相田死亡フラグは消えないまま...。

何か打開策はあるのでしょうか。

それでは、次回も良しなに。

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