エピローグ
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3章エピローグになります。
クロウ共和国グイル州ウム山中において、オークの集落が発生するという緊急事態が勃発した。
場所はウム山中にあるホウロの町から、半日程離れた所にある集落。
住民60人程で、森の木の切り出しを産業としている小さな集落であったが、この集落を突如オークの群れが襲撃。
住民が殺害され、集落が占拠されるという事態となった。
かろうじて襲撃から逃れ脱出に成功した住民の通報により、冒険者ギルドホウロ支部はこの事態を認識。
集落の場所がホウロから近い場所であったこと、集落とホウロの間には切り出した木材を輸送するための整備された道路が通っていることなどから、冒険者ギルドは本件を緊急を要する事態と判断する。
この事態に冒険者ギルドは直ちに緊急依頼を出し、オーク討伐の冒険者の募集を開始した。
募集に応じて集まった冒険者16名により結成された討伐隊が、元3級冒険者であるホウロ支部のギルドマスターカルガンを隊長として、直ちに集落へ急行。
討伐隊は集落を占拠したオークに夜襲をしかけ、占拠された集落を解放し、迅速な事態の収拾に成功した。
集落を襲撃したオークの数は38体。
討伐隊の確認によれば集落を襲撃した群れは、ハイオークというオークの上位種に率いられたものであったとのこと。
この上位種もまた討伐隊に参加をしていた2級冒険者パーティ『白鷹の翼』によって倒され、オークの群れは1匹残らず討伐されたと、冒険者ギルドから発表されている。
この襲撃による、集落の住民の犠牲者は18名。
討伐完了後、生き残った住民達は集落に戻り、ホウロの町からの援助を受けながら死者の葬送や集落の復興に力を注いでいる。
そんな災厄に見舞われた集落だが、復興がある程度進んだ頃から奇妙な祭りが開催され始めているのが、近隣の話題となっている。
その祭りというのは、住民が黒い布を被り、顔を炭などで黒く塗って、集落の広場で焚き火を囲んでコウモリの真似をしながら踊るというもの。
「死者の弔い」と「助けてくれた人達への感謝」ということで年に1度行われるようになったこの祭りは、周辺の町や村に知られるにつれてある種の名物となってきているが、同時にホウロの町の人々や集落を訪れる行商人達を不思議がらせてもいる。
「なんでまた、コウモリを?」と。
「なんでこの話が出る度に、ホウロの冒険者ギルドのギルドマスターと冒険者達は苦い顔になるのだろう?」と。
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