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森の巨人  作者: SAME
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3/17

事件

※※※※※※


 ある月の月曜日、15時頃。



 まず第一報は、『町外れの道路に自転車が投げられてある。』という事だった。

それだけなら警察に通報する様な事でもないと思うのだが、サドルに血痕らしきものがついているとのことで、捜査員が2人、現場へ向かった。

 その時はまだ、たいした事ではないという空気が署内に流れていた。自転車が見つかった場所は、車の通りもあまりない所だし、まして自転車で通ろうなんて考える方がおかしいほど、町から離れている所だったからだ。


 自転車の防犯登録番号を照会している最中に、次の電話が入った。


「いつも学校に来る生徒が、今日は来ていない。彼は、自分が休んだら警察に通報するよう、クラスの者に頼んでいた。家族はカゼだと言っていたが、今再び連絡しても要領を得ない。彼は殺されると言っていたと聞いている。」この町の高校教師からだった。


 …事件の可能性は低いのではないか?と思いつつも、その休んだ生徒の氏名と住所を尋ね、部下に家に行ってこいと告げようと思ったら、更に次の電話。

ボソボソと聞き取りにくい声だったが、「どうも上の階の住人が殺人をして死体を隠したようだ。」との話であった。住所を聞く。


 「課長、これは…。」

 今の電話から得た住所と、さっきの生徒の住所が同じだった。なんとなく嫌な予感がする。


 「おい、さっきの自転車の持ち主はわかったのか?」

 「はい、これです。」

 「見せろ。」



 …事件だな。



 至急、捜査員に対し、生徒の家へ事情と聞きに行く者と、近隣への聞き込みへ回るものとに分け、捜査を指示した。


 生徒の母親は、風邪を引いているから学校を休ませた。と主張していたが、顔を見せて欲しいと言っても、それはちょっとだの可哀想だの、なんだかんだ言い逃れしようとし、最後には捜査員を追い出しにかかったという。児童相談所に電話してみようか。何か情報を知っているかもしれない。


 と、その時、聞き込みをしていた捜査員から連絡が入った。


おととい…土曜日の朝、生徒の父親の車についていた血痕のような物を見た、と言うのだ。

そうして、その前の日、金曜の夜に、激しい怒鳴り声を聞いたという住人まで現れた。


 家庭環境を洗い直すと、生徒の父親は本当の親ではなく、母親は生徒が小学校に入るか入らないかあたりで再婚したようだ。その後、子供が生まれる。住人の中には、高校生の子供がいたなんて知らなかった、という人も多かったと言うから、さぞかし、肩身の狭い思いをしていたのだろう。


 とにかく、両親だ。特に車の件から言って、父親が怪しい。





 徹底的に絞り上げろ。





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