フィアデルファミリーは、勢力を拡大する。
俺の名前はゾット。
フィアデルファミリーのボスだ。
俺は「チェスターには関わるな!」と部下に命じた。
それなのに、俺の指示に従わない一部の馬鹿共が、ファミリーを離脱した。
そいつらが目指したのは、チェスターが首都星に購入した土地だった。
以前は、俺の縄張りだった場所だ。
ファミリーを抜けた馬鹿共は、俺が撤退した土地を自分達の縄張りにしようとしたが、全員が行方不明になったと報告を受けたところだ。
俺のスキル“危険察知”が反応していた。
チェスターには関わるなと…
だから撤退を決めたのに…まあ良い。
ファミリーを抜けた奴らに“けじめ“を付ける手間が省けた。
その後、南半球で広大な土地を購入した貴族がいた。
下級貴族らしい。
でも、下級貴族では、莫大な購入資金を用意出来るハズが無い。
恐らく、その裏には、もっと大物が控えているのだろう。
まあ、そんな事はどうでも良い。
その土地の地上げ。
その後の土木工事。
それらの話に上手く噛んで、莫大な利益を得た。
笑いが止まらないぜ!
その後、帝国議会で、ロボットやアンドロイドの使用を制限する法律が可決されると、不足する労働力を補う為、首都星で大規模な移民募集が始まった。
しかも、一部の貴族は、ご丁寧に仕度金付きだ。
俺は、これを見て、ピンと来たね!
上手く利用すれば、勢力拡大に結び付くと。
「おい!」
俺が呼ぶと、側近達が集まる。
「お呼びですか?ボス」
「大至急、幹部達を集めろ」
「承知しました」
★★★★★
ここは、首都星にある、フィアデルファミリーの総本部である。
「良いか、お前達。配下の者を貴族領へ移民させるぞ!大至急、準備するんだ!」
「貴族領へ移民ですか?」
「ああ、そうだ。移民を募集している貴族領へ配下の者を移民させ、勢力を拡大する。ご丁寧に仕度金まで用意してくれるらしいならな…笑いが止まらないぜ!」
「仕度金の半分は、本部へ上納させて、残りは本人に渡す。進出する貴族領では、繁華街に縄張を持つ中小の組織を狙うんだ!良いか、決して地元の大組織とは事を構えるなよ!」
「貴族領じゃあ首都星から遠すぎて、援軍を出すにも時間が掛かる。それに、警備をすり抜けて入国させられる人数にも限りがある。だから、中小の組織を狙い、確実に縄張を得るんだ!後から他の組織が進出して来た時には、地元の大組織の縄張しか残ってない様、大至急、進出するんだ!!」
「承知しました!」
こうして、フィアデルファミリーは、組織のボス、ゾットの指示で、他の組織に先駆けて貴族領へ進出する事が決定した。
ゾットは、部下達を進出させる貴族領の情報を自らチェックする。
そして、地元マフィアの勢力や縄張などの情報を精査した。
貴族領へ進出する配下の幹部を呼び出し“何処に縄張を持つ、何と言う組織”を狙うのか?
具体的に一つづつ指示を出したのだった。
この数年後、遅れて進出した首都星に縄張を持つ巨大組織と、地元の有力マフィアとの抗争事件が頻発する事になる。
治安が悪化し、ゲルハルト派の新興貴族達を悩ませる事となった。
そして、貴族領への進出が上手く行かない、首都星の巨大マフィアが、次にターゲットにしたのは、以前から移民を募集していたチェスターの領地であった。
しかし、情報担当のエラやミアに、ことごとく捕捉される事となる。
マフィアの構成員達は、ミア達から情報を得た、内務長官マルティン配下の警察機関にマークされる。
そして、チェスター領内へ足を踏み入れると、次々に身柄が拘束された。
彼等の行く先は“仮称チェスター教”の神学校である。
神学校で、エラの部下達から“熱心な指導”を受けた彼等は、熱狂的な“チェスター教”の信者となる。
そして、第2の人生を生きるのであった。




