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不動産ブローカーのアデルミール。

アデルミールは、首都星にあるヒューズ男爵家の屋敷に呼ばれていた。


彼は不動産ブローカーである。


アドルフが婚約祝いにチェスターに贈った、首都星の土地を用意したのも彼だった。


「ヒューズ男爵。本日はお招き頂き感謝致します」アデルミールが挨拶を述べる。


しかし、ヒューズ男爵は機嫌が悪い様だ。


「まったく…何故?こんな面倒な事をしなくてはならないのだ!…」


アデルミールが挨拶しようとすると「挨拶は良い。私も忙しい身分だからな!単刀直入に申す。南半球に土地を用意して貰いたい」不機嫌そうに、そう言った。


「土地で御座いますか?当然、準備させて頂きます。それが私の仕事ですから…それで、具体例にはどの様な土地で御座いますか?」


「まず、場所は南半球だ。宇宙から地軸を中心に見て、正三角形になる様、3ヵ所の土地だ!」


その後、予算や広さ等を男爵が説明する。


まあ、実際は、渡された資料を読んだだけなのだが…


広さは、日本の四国より一回り以上大きな面積の様だ。


かなりの面積である。


そして、一通りの説明が終わる。


アデルミールは、その姿を見て、質問しても無駄だと理解する。


上からの命令で、やらされているだけ。


男爵には、裁量が認められていない事が分かったからだ。


「ところで、私の事を何処でお知りになったのでしようか?」アデルミールが質問した。


「ふふふ。私は顔が広くてな。アドルフ殿下の派閥に入っている貴族に聞いたのだ。土地購入するに当たり、随意と活躍したそうではないか…」


「ああ、この事は誰にも話すなよ!アドルフ派のスパイだと噂にでもなると事だからな…」


「そう言う事でしたか…当然、誰にも話しません。どうぞご安心を」


「では、先程の打ち合わせ通り、購入予算の2%を内々にバック致します」


自分は窓口となり、アデルミールに丸投げするだけで、かなりの利益が得られると分かり、男爵の機嫌が良くなる。


こうして、土地購入計画の打ち合わせが終了した。



★★★★★



ここは、首都星にある、ごく普通の喫茶店。


だが、普通の店と違うところがあった。


それは、普通の人間が入る事が出来ない、秘密の部屋がある事だ。


この喫茶店の経営者は、表向きは違う人物になっているが、真の経営者はアデルミールである。


秘密の通路からでしか入れない、秘密の部屋で、4人の人物が話し合っていた。


1人は当然、アデルミールである。


残りの3人は、帝国3大マフィアと呼ばれる組織の幹部達だった。


アデルミールは自身の利益と、ヒューズ男爵にバックする金額。


それから不動産登記等の諸費用を差し引いた、残りの金額をマフィア達に渡す。


「この金額で土地を購入して欲しい。追加の予算は無い。よろしく頼む」


マフィア達は、前回アドルフが土地を購入した時も、膨大な利益を得ていた。


今回も、かなりの利益が上がるだろう。


マフィア達は、時に争い、時には協力する。


利益が出るなら文句は無かった。


アデルミールから予算を受け取ったマフィア達が部屋を出て行く。


彼らは、これから配下の者達を使って、地権者を脅して、土地を安く買い叩く。


そして、受け取った予算から、実際に支払った差額が、彼らの利益となるのだ。


だから前回、アドルフが土地を購入した時も、土地の売却を拒否した住民の遺体が、路地裏で発見される事件が何件も発生していた。


しかし、彼らが逮捕される事は無かった。


捜査関係者に賄賂を渡し、買収しているからだ。


だから庶民達は、嫌でも従わなければならなかった。



★★★★★



俺は屋敷の部屋で、タブレットを開き、久し振りに仕事をしていた。


資料の確認をしていると、気になる数字を見付けた。


う~ん?


何だ?この数字は…?


「バイオレット!」


俺が呼ぶと、すぐにバイオレットが現れる。


「お呼びですか?チェスター様!」


「移民希望者がやけに増えてないか?」


第1惑星の開発が順調に進み、いま、移民の募集を始めたところだ。


首都星に購入して開発した土地に、以前から住んでいた住民達は当然移住させる。


だが、それでは人口が少な過ぎる。


ある程度の人口がないと、経済も活性化しない。


だから首都星で、移住希望者の募集を開始したのだ。


しかし、この数字は変だ。


「はい。チェスター様。ゲルハルト派が南半球の土地を買い漁っている様です」


「そして、住む場所を無くした住民達が、チェスター様が開発中の惑星への移住を希望していおります」


「そうなの?」


ゲルハルトは首都星で土地を買って、どうするつもり何だろう?


まあ良いか…ゲルハルトが何をしようが、俺には関係ないからな!


「だが、良くもこんなに希望者が集まったな?」


「チェスター様が、日頃から住民達の為に、炊き出しを行っております。また、ソフィア様が孤児院や病院へ慰問に伺っている姿が、頻繁にテレビで放映されており、庶民達の間にチェスター様の良い評判が広がっております!」


「そうか?ただ、以前から言っている通り、俺の領地の治安が悪くなると困る。だから、きっちりと教育カプセルで教育しろよ!」


「それから、特に道徳教育には力を入れるんだそ!俺の領地で犯罪が多発したら、俺の統治能力を疑われるからな!」


「承知しました。お任せ下さい!」


首都星に購入した、北半球と南半球の土地に住む住民達。


宇宙港と地下に物流センターの建設。


それ以外にも、様々な施設を建設する。


それらの施設で働く者達もいる。


だから、首都星にある程度の住民を残し、それ以外の住民達を移住させる予定だ。


今の計画では、推定19億人の住民達を第1惑星に移住させる。


惑星1つで19億人では少ないと思い、首都星で移住希望者の募集を開始させた。


まさか、こんなに希望者が現れるとは…


資料では、既に3億人を超えていた。


予想外だった。


領地の土星を丸ごと物流センターにして、そこから最大の市場である、首都星に宇宙船で物資を運ばせる。


そして、帰りは空いたスペースに、住民達を乗せて俺の領地へ移住させる予定だ。


まあ良いか…ある程度の人口が必要だし…


その後も俺は、久し振りに仕事をしたのだった。

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