この世界の歴史①
ガフさん。
この世界の歴史を教えてくれ!
《はい。この世界には、大銀河系があり、惑星間で戦争を繰り広げていました。そこに、ジークフリートと言う下級貴族出身の若者が誕生。ジークフリートは優秀な部下を多数抱え、幾つもの戦争に勝利し、戦乱の世を平定する事に成功。そして、宇宙帝国の建国を宣言し、初代皇帝ジークフリート1世を名乗り皇帝に即位しました》
《その後、ジークフリート1世の後を継いだ息子のジークフリート2世や、3世が善政を行い、ジークフリート4世の時に最盛期を迎えます》
《しかし、ジークフリート5世以降の皇帝は、政治に関心がなく、側近の貴族達に政治を任せてしまった為、貴族同士で権力争いが勃発。腐敗が横行しました》
《自身が贅沢な暮らしをする為、また、権力のある貴族に賄賂を贈り、自身の地位を上げる為、領民達から多額の税を徴収》
《その結果、領民が疲弊し暴動が発生。領主貴族が武力により暴動を鎮圧しようとしましたが、兵士のほとんどは徴兵された平民だった為、兵士達は領民に味方し、領主貴族を追放》
《領民が選んだ代表者の中からリーダーを選び、その者が中心になって政治を行う仕組みをつくりました》
《そして、自由民主共和国の建国を宣言します》
なるほど…議会制民主主義ってやつか?
日本やイギリスみたいな議員内閣制かな?
学生の時に勉強した気がする。
《イギリスと違うのは、イギリス王家は存続していますが、帝国の皇帝一族の大部分は、領民達によって処刑されました》
《時を同じくして、辺境の惑星に共産主義を唱える若者が出現。巧みな演説により支持者を増やし、やがて領主を追放し、社会人民共和国の建国を宣言します》
《その後、政治思想の異なる自由民主共和国と、社会人民共和国との間で戦争が勃発しました》
《大銀河系の大部分を支配していた自由民主共和国議会は、戦費調達の為、支配していた惑星に多額の税負担を求めました。その結果、多額の税負担に反発した、複数の惑星が自由民主共和国からの独立を宣言。自由惑星連合を建国します》
《自由惑星連合は、自分達に多額の税負担を求めていたのが議会だった為、議会ではなく、行政のトップに権力を与える大統領制を導入しました》
なるほど…イギリスからの税負担に耐えかねた植民地のアメリカが、独立戦争をしたみたいな感じか?
《はい。イギリスの場合は、アメリカが勝利し、アメリカの独立を認めましたが、自由民主共和国と自由惑星連合の戦争は、決着がついていません》
《やがて政治思想の違いから、自由惑星連合と、社会人民共和国との間でも戦争が勃発》
《現在、自由民主共和国・自由惑星連合・社会人民共和国の3ヵ国の間で、戦争と停戦を繰り返しています》
なら、大銀河系には、その3ヵ国しか無いんだな?
《いいえ。それ以外に2ヵ国が存在しています》
《宗教国家と商国です。どちらも惑星を1つづつ支配しています》