婚約するには。
それで、具体的にどうすれば良いんだ?
《マスターの母、クラウディアに相談するのが良いでしょう。マスターから相談されたクラウディアは、マスターの祖母ハイディに根回しを依頼するはずです。ハイディが実家のシュナイダー伯爵に話を通し、シュナイダー伯爵からワグナー公爵に打診する形になります》
うまく行くかな?
《はい。ワグナー公爵家の信用が上がります。うまく行くと推察します》
《また、マスターとソフィアの婚約は、以前から水面下で話し合われていた事です。ホフマン男爵家の問題が発生し、話が中断しました。そこへ第一皇子と第三皇子が割り込もうとしています》
《ワグナー公爵家から了承の連絡が入るハズなので、次は母の実家ミュラー伯爵が帝国宰相に根回しを行います。そして、宰相からマスターの父である皇帝に打診され、皇帝が許可したら、帝国から発表されます》
…根回しとか…根回しとか、面倒だな~
まあ、自身の身の安全が最優先だな。
ワグナー公爵家と婚約が結べれば、より安全になるんだろう?
《はい。5伯爵家と同様にマスターを積極的に支える存在になります》
企業で言うと、準メインバンク1社が、メインバンクに昇格して、メインバンクが5社から6社に増える感じかな?
《はい。それと、マスターの評判が上がると予想します》
えっ?なんで?
《貴族社会で信用を失っていた、大貴族の名誉を守ったのです。評価が上がって当然です》
そーなんだ。
まあ、俺は評判よりも、安全の方が大事だけどな!
それと、極力働かずにのんびり生きるんだ!
ところで、皇帝は俺の婚約を許可するかな?
《マスターの父である現皇帝には、以前から水面下で打診されています。ホフマン男爵家問題があった為、中断しているだけです》
《第一皇子は、公爵家との婚約が出来ずに悔しがるハズです。また、ワグナー公爵家をマスターの派閥から切り離し、自身の派閥強化に利用出来なくなる為、マスターとの関係が悪化すると予想します》
それって、不味いんじゃないの?
《元々マスターの事を見下していました。以前から関係は良くありません。従って、現状と変わらない為、マスターが気にする必要はありません》
《次に第二皇子です。既に婚約者がおり、自身の派閥の公爵家との婚約を破棄し、婚約者を他の派閥から迎えるとなると、貴族社会で信用を失い、自身の派閥が崩壊しかねません。また、以前からマスターとは良好な関係である為、マスターとソフィアの婚約を祝福するハズです》
《最後に第三皇子ですが、以前からマスターを見下し、馬鹿にしていた為、悔しがるハズです。何かしらの嫌がらせをしてくると予想します》
まあ、あいつは小者だからなぁ~
顔を会わせる度に「伯爵皇子」と馬鹿にされた気がする。
よし、分かった!
早速、母に相談してみるか。
それで…ワグナー公爵家のソフィア嬢ってどんな子なの?
《貴族は、古来からの風習で、15歳になると宮殿で開催されるパーティーへの招待状が届きます。それまでの間は、極親しい人としか接する事は無い為、写真等は出回っていません。ガブリエルが行った情報収集では、芯が強く聡明な女性の様です》
そうか、分かった。
皇子である以上、何れは誰かと結婚するんだ。
俺は、ストックから招き猫を出す。
そして「良い縁が結ばれますように!」と言いながら、猫の手を上に持ち上げた。
すると、招き猫は何かを掴む様な仕草をした。
招き猫さん、よろしくね!
そう言えば、前から思ってたんだけど…
この世界って、美男美女が多くない?
《長寿種のエルフの遺伝子を研究し、人族の遺伝子を改良しています。その結果、美男美女が多くなっています。また、エルフと同様に魔法に長けており、寿命も永く、男性の平均寿命がおよそ780歳。女性の平均寿命は800歳を越えています》
《男女とも15歳位になると、身体の成長が緩やかになります。平均寿命が伸びた為、成人年齢も引き上げられ、100歳で成人です》
《マスターの記憶にある、ライトノベルで言うなら、この世界の人間は、ハイヒューマンと言った方が良いかも知れません》
《そして、この世界では、100歳を過ぎると、身分の高い者から順に結婚式を上げて行き、貴族階級で一番身分の低い騎士爵家が最後に式をあげます》




