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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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ある日の出来事①-7 (挿絵有り)

『祖師名発見!祖師名発見!! 全員発見されました!』


「やったーー!」と喜ぶ私と

「見つかってしまったか〜···」と、残念がる長澤さん他タレントの皆さんとスタッフの方々。

対象的な光景です。


「でも、ギリギリでしたね。残りあと30秒くらいでしたっけ?あの子が気づかなかったら負けてましたよ。」


「うん。そうだね。良く気付いたと思うよ。あそこは一番気合を入れて作ったらしいからね。ほら、あそこのスタッフ見てみて。」


そう言われて見てみると、床に手をついてすっっごく凹んでる···。

多分担当した美術スタッフさんなのかな?

私は近づいて声をかけます。


「そんなに落ち込まないでください。とても素晴らしい仕掛けでしたよ。最後なんて殆ど運みたいな感じでしたし、自信持って下さい。」


「ありがとう」


起き上がった美術スタッフさんと握手します。

私の手首に軽く縄が巻き付いてる状態の変な握手でしたけど(笑)



   ーーーーーーーーーー


この後は皆さんと校庭に向かって最後の撮影です。

校庭に近づくと、校庭のトラックラインに生徒のみんながズラーッと集まっていて、入れなかった生徒は校舎の窓際に顔を出して手を振ったり歓声を上げたりしてます。


『桜ヶ丘高校の諸君!良くやった!!!! 全員発見だ!! おめでとう!!!』


ワアアァァーー!!


『約束通り彼女を解放しよう!!』


そう言い、長澤さんが私に巻き付いている縄を取ってくれます。

ここで一言と言われてるので、


「助けてくれてありがとう!!! みんなー!! 大好きーー!!」


キャーーー!!!


ノリノリで言っちゃいました。

でも、みんな喜んてるからいいかな?

挿絵(By みてみん)


『最後にもう一つ!約束の図書券200万円、進呈だぁーー!!!』

『おめでとーーー!!!』


大歓声と大きな拍手の中でかくれんぼ対決は終了し、最後に校庭で出演者さん全員と記念撮影をして終わりました。

私は出演者さんとスタッフさんに、今回この学校を選んでくれた事、楽しい時間を過ごさせて貰った事に感謝の気持ちを込めてお礼を伝えました。

出演者さんスタッフさんからも、「こちらこそ、大変楽しかったよ。」と言って頂き嬉しかったです。



「このはちゃーーん!」 ガシッ!


落ち着いた頃、呼ばれて振り向いたら抱きつかれたよ。


「茜ちゃん!それにみんなも!」


やって来たのはクラスの女の子4人で、抱きついてきたのは茜ちゃんと言って、クラスで1番小さい女の子。

多分140センチちょいくらいで、活発な子なんだけど可愛いんだよ。つい、なでなでしちゃうんだけど茜ちゃんも嬉しそうにしてるからいっか♪


「みんなどうだった?楽しかった?」


「うん!楽しかったよー!」「うち等1人も見つからなかったけどね(笑)」


アハハハって笑い合いならがらそれぞれ思い思いに、感想を述べ合いました。


「あ、そうだ!ちょっと待っててね。」


みんなに一言伝えて、校舎に戻ろうとしてた酒井ディレクターさんに声をかけます。


「酒井さーん!お疲れ様でした。」


「ああ、鈴宮さん。お疲れ様。今日一日ありがとうね。お陰でいい撮影ができたよ。」


「いえいえ、とんでもないです。こちらこそ、うちの学校に来て頂いてありがとう御座いました。」


改めてお礼を伝えてから、本題へ。


「それでですね、良かったら最後にみんなで皆様をお見送りしたいなと思うんですが、よろしいでしょうか?」


ちょっと前から考えていたこと。

随分前から入念な準備して、私達を楽しませてくれた出演者さん、スタッフさんを最後にお礼も兼ねて見送りたいなって。

酒井さんは考えながら···


「そうだねぇ···鈴宮さんのクラスだけにしとこうか。大勢で混乱が起きると危ないし、クラスの子には鈴宮さんの事で随分心配かけちゃったみたいだからね。先生の方には連絡しとくから、駐車場の門の辺りでお願いね。」


「あ···、さっきの見てました?」


「うん。抱きつかれて、随分心配されてたみたいだったよ?」


そっか〜。そういう風にも見られてたんだね。

私からじゃ分からないや···。


「じゃ、そろそろ行くね。今日は一日本当にありがとう。」


そう言って酒井さんは戻っていきました。

みんなの所へ戻って先程の話をします。


「······と言うわけでうちのクラスだけでお見送りが出来ることになったから、連絡してくれる?」


「おっけー!了解!」


「くれぐれも、うちのクラスのみだから騒がずに来るようにって念を押しといてね。」


伝言を頼んで、私達は駐車場へ向かいます。

暫く待つと皆がやって来たんだけど、


「このはちゃーん!」「シ〜〜〜」「あ!ごめんごめん!」


そんな定番なやり取りを展開しながら、みんなで待ちました。

待ってる間の話題は当然、かんれんぼ。

「全然見つからなかったねー」とか「俺、◯◯さん見かけたぜ!」とか。

「このはちゃんの方はどうだったの?」って、もちろん聞かれたよ。

私はかくれんぼの舞台裏がああだったとか、こうだったんだよって色々話しして、


「でも一番辛かったのは答えを知ってるのに、教えられないことだったかな。最後の一人は時間もなかったからさ、見つた子に頑張れー!!って、あと少しー!って必死にエールを送ってたの。」


「そうだったんだ〜。」


「結果的には向こうでも凄く楽しかったよ。O.A.(放送)がどう編集されるかは分からないけど、凄い楽しみだよね〜」


みんなも楽しみ楽しみ♪って言ってる。

なかには全国放送なんだから、もっと姿を整えてくれば良かっただの、俺モテ期くるかなー?来るわけねーだろ!みたいなボケが入ったりとかね。


「そういえば、結局何でこのはちゃんが選ばれた訳?生徒会長でもよかった訳じゃん?」

「そういえば···そうだね?それ、聞いてなかったよね?」


今頃になって、聞かれた様で聞かれてなかった事があったみたい。

私もすっかり忘れてたよ。


「あ〜〜、えーとね···私がかくれんぼに応募したのが当たったからだってさ。」


「「「「「えぇーーーー!!??」」」」」


最後の最後に、みんなにビックリドッキリをかました私でした。



   ーーーーーーーーーー



「あ、出てきたよ!」


誰かの言葉にみんなで振り向くと、職員玄関からスタッフさんを先頭に出演者のタレントさんが出てきました。

黄色い歓声と手を振って出迎える私達。

ロケバスと言われるワゴン車に乗り込んでいって、本当のお別れです。

1台、2台と私達の前を去って行ったけど、4台目と5台目が私達の手前で窓を開けてくれて、中にいたタレントさんが手を振ってくれるという、粋な計らいをしてくれました。

これにはみんなも大喜びで、手をぶんぶん振りわましながら思い思いにお見送りをしてます。


私も「お体に気をつけて頑張ってください!応援してます!! 本日はありがとうごさいました!!」と、声をかけてお別れをしました。

挿絵(By みてみん)


最後の車両が見えなくなって、


「行っちゃったね···」とポツリ。

「そう···だね。嵐のような一日だったよ。」


ホントにそうだったな。

先生に連れて行かれてからの一連の出来事は、嵐のような怒号の連続だった。

自分の見てた番組の、時間にして1時間もないコーナーにこんなにも入念な準備をして沢山の人を使って作りあげる。

知らなかった番組の裏側を知れて、スタッフさんの情熱を感じて、凄く色々考えさせられる一日だったよ。

この経験が今後の何かの役にたつといいな、と思う。




「このはちゃーん!教室に戻るよー!」


「はぁーい!行こっか。」「うん!」


突然のお祭りは終わっちゃったけど、私達のお祭りはまだ残ってる。

それは、年明けのテレビ放送。

いったいどんな風になるのか、今からわくわくです。

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