ある日の休日① (挿絵有り)
主婦の朝は早い。
早いと言っても今は朝の午前6時ちょい過ぎ。
今日は日曜日だから平日に比べれば少し遅いんだけどね。
本当はまだ寝ててもいいんだけど、染み付いた習慣とでもいうのかな?
そういうので自然と目が醒めちゃて。
私は結構朝に強いので二度寝はほぼしないし、スパッと起きられる。
だから目が覚めて暫くは雪ちゃんの寝顔を堪能してたんだけど、やっぱり起きようってなって、いつもの様に起きちゃいました。
雪ちゃんを起こさない様にそ〜っとベットから降りて、静かに着替えてから1階へ。
いつものように身支度を整えてから洗濯物を洗います。
いつもはこの後、洗濯物を畳んだり幼稚園の準備とかあるんだけど、今日はありません。
土曜日の昨日に洗濯物は畳んじゃったし、幼稚園も今日は休みでないからね。楽だよね。
誰も居ない真っ暗なリビングへ行きます。
お父さんと葵は10時過ぎまで起きてこない。特に葵は土曜日の夜だからって夜更かししてるみたいで、酷い時は昼ごろまで寝てるんだよ。
変わってお母さんと雪ちゃんは8時頃には起きてくる。自然と起きてくるから、私も休みの日ぐらいはいいかなって思って、敢えて起こさず寝かせててあげてるんだけどね。
なので日曜日のこの約2時間は私だけのもの。私の空間。
カーテンを開けてレースで軽く日差しを入れる。
リビングに置いてあるタブレットから某動画サイトを開いて、カフェの音楽動画を再生。テレビの側にあるスピーカーから癒やしの音色が流れてきてほっこりさせてくれるの。
リビングの雰囲気とは少し合わないけど、そこはまぁ気にしないで。
休みの日の朝食はパンと決めてるので、パンにサラダと飲み物を用意して朝ごはんです。
ダイニングテーブルに座ってカフェ音楽を聴きながら、のんびりゆったりと食べる時間が好きなんだよね。
食べ終わった後は雪ちゃんの事をやるか、勉強です。
こんな日曜日の朝から?なんて思うかもしれないけど、これももう習慣なんだよね。1人だけの空間に流れる音楽…とっても集中出来るんだ。
そんなんで集中してるとお母さんが起きてきて終わりです。
「おはよう」と挨拶してから、終わってる洗濯物を干しにいきます。
そろそろ雪ちゃんも起きてくるかな?と思ってると、上から音がして雪ちゃんが降りてきました。
「おはよう、雪ちゃん。」
「まま、おはよ〜」
ふぁ〜っと欠伸しながら、まだちゃんとは目覚めてないね(笑)
あと10分くらいすればちゃんと目覚めるんだけど、これもいつもの光景なんだ。
可愛いよ〜♪ふぁ〜って欠伸の仕草。
そんな仕草に癒されながら、麦茶を出してあげて、「麦茶置いとくから飲んでね。」「ふぁ〜い」だって♪
普段この後は雪ちゃんの目が覚めるまで、抱っこしてたりするんだけど今日は違います。
お母さんに「庭に行ってくるから雪ちゃん見てて〜」とお願いして外ヘ。
寒くなってくると落ち葉とか結構飛んでくるので、その掃除なんです。
そういうのも誰かがやらないとだしね。
箒とちりとりを持って来て始めようかなと思ったら、
「あれ?なんかいる??」
家の車庫と反対側の方の隅に何かいるみたい。そ〜〜っと見てみると、
「猫さんだぁ〜♪」思わず声に……。
ちょうど風に当たりにくく太陽が当たってるから、寝てた?日向ぼっこ?どっちか分からないけど、可愛いなぁ♪
しかもよく見ると、この子近所に住み着いてる野良猫だ。たまに見かける白黒の猫。
餌を貰ってるのかは分からないけど、近づくと逃げちゃうんだよね。
気づかれないように、気づかれないようにとしゃがんでじっ〜と眺める。
うん!可愛い。犬もいいけど、やはりここは猫!私は猫派だよ。
家じゃ飼えないけどね。
暫くし見てると、耳がピクッ!として目が開いてキョロキョロ。
あ、目が合った……あぁ〜…逃げちゃったよ……。
「残念…ま、でも可愛い姿が見れたからラッキーかな。」
うん、そうしよう。
気を入れ直して、改めて掃除再開です。
少しずつ落ち葉を集めてはゴミ袋へ入れてを繰り返して。
うちの街はゴミ袋の指定がないから、スーパーとかコンビニとかの袋でも出せるから助かるんだよね。
まぁ、今はエコバッグを持ち歩いてるから買うことはなくなったけど。
それでも何かの拍子に貰った時はそれ用に使えるから、無駄にはならないです。
そんなゴミ袋に詰めながら、ふと空を見上げれば秋晴れのいい天気。
朝日が昇るのもだいぶ遅くなったけど、まだそこまで寒くもなく長袖を着てれば過ごせるし。
毛布を干すにはいい天気かな?なんて考えながらやってると、近所のお婆ちゃんに声をかけられました。
「あらあら、このはちゃん。今日も早くから偉いわね〜。」
「おはようございます。お婆ちゃん。いつもの癖で目が醒めちゃうんですよ。お婆ちゃんはこれから畑ですか?」
「そうなのよ。収穫もしないとだけど、冬野菜の準備もあるからね。」
「そうなんですね。気をつけて行って来てくださいね。」
そう言ってお婆ちゃんを見送ります。
日曜日の朝だから、会うのはお年寄りの方が多いです。それも大体が畑に行くって人で。
家の前は住宅街の市道だから通るのは殆ど近所の人のみ。
それに地方の昔からある所だから年配の方も多いです。
見知った顔の方が通ればペコリとお辞儀をしつつお掃除。
さて。こんなもんかな。
綺麗になった庭先を見て満足な私。
秋の青空の下、今日も1日が始まるのでした。




