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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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214/233

ある日の冬休み①-5 高2(挿絵有り)

明けましておめでとうございます。



今日は1月1日、元旦にしてお正月。天気も良いみたいです。

お正月の朝は皆は何をしてるんだろう?

年越し初詣に行く?ゆっくりと寝てるのかな?

過ごし方は色々とあるんだろうけど、私の朝はお正月でも基本的には変わらないんだよね。


学校のある普段よりは遅くに起きるけど、それでも6時くらいには目を覚ますの。

そして雪ちゃんの寝顔をゆっくり堪能してからベットから出るんだけど、今朝はちょっと出難くかったんだ。

それは珍しく雪ちゃんが私にくっついていたから。


夏場は寝てる時でも結構動いたりしてる雪ちゃんだけど、冬は寒さなのか毛布の重みなのか分からないけど、意外と動かないで静かに寝てるんだよね。

それが珍しく私にくっついて寝てたから嬉しかったのはあるけれど、起こさないようにそっと離すのに苦労したんだ。

そして無事に離し終わって雪ちゃんの頭を一撫で二撫でとしてから、下の階へと行くの。


お正月でも、やる事は普段と一緒。

まずは私と雪ちゃんの服を洗濯する所から始まります。

正月のこんな早い朝から洗わなくてもいいんじゃない?って思われそうだけど、染み付いた生活スタイルというのは中々変えられないんだよね。

それに今年は行かないけど、いつもは新潟へ帰省するから出発する迄に家族皆の服を洗濯して干さないといけないんだ。

そうすると私達の服をまず始めに早くに洗わないと次にいけないから、お正月と言えども早く起きて洗う必要が生じるんだよね。


服を確認して、必要な物はネットに入れるなりの処置をしてから洗濯機のスイッチを押して。

洗い終わるまでざっと約1時間。

その間に私は1人のんびりと朝食タイム♪


お正月の朝は何を食べる?

お雑煮?おせち料理?それ以外??

私の家族は私含めてお雑煮は食べないんだよね。

これは嫌いとかそういうのでは無く、好みの問題かな?

だから朝ごはんも米とかパンとか、そういう普段と変わらないのを食べてるんだよね。

因みにおせち料理もそんな感じ。それに向こう行くとそれなりに出てくるから、我が家でおせち系を買うというのはしないんだ。


そんな朝ごはん事情。

私もいつも通りにパンを用意して、少しおかずも作り食べ始めるの。

テレビを付ければ着物や袴を着たアナウンサーや芸能人の方が、鮮やかなスタジオで賑やかに生放送番組をしてるのが画面に映る。

地方の特産品を使ったおせち料理を紹介したりそれを食べたり、この元旦の日限定のヘリコプターによる初日の出中継をやってたりとかね。

こういうのを見ればお正月って少しだけ実感するけれど、雰囲気的には日曜日の朝って感じが強い。

そのくらい家の中も家の外も静かで、いつもと変わらない我が家の朝の光景なんだ。



「さて······今日は何しようかな?」


賑やかにやっているテレビ画面を見つめながら、そんな呟きが私の口から漏れた。

いつもはこの後に家族の皆が起き出してきて、朝ごはん諸々を済ませてからお昼前に出発するんだけど、それがなくなったからね。

それに向こうに行って雪ちゃんや風花ちゃんと雪遊びをやったり、親戚のお家に行ったりとかってしてたから、そうしてた時間が空くというのは何をしよ?って考えちゃうんだよね······。





  ーーーーーーーーー




「しかしまぁ·····この混み具合は凄いねぇ〜。先が見えないよ?」


「ほんとだよね。毎年さ、向こうから帰ってきてからここの側を通ると、元旦から1週間くらいの間は凄く混んでるのを見た事あるけど、こうまで凄いとは思わなかったよ······。」


「うんうん。あ、雪ちゃん。はぐれないようにママと私と、ちゃんと手を繋いでようね。」


「うん!」


葵の言葉に頷いて、もとより繋いでた手を更に力を入れてギュッと握ってくる雪ちゃん。

そんな雪ちゃんに私もしっかりと握り返すけど、もとより離す気はこれっぽっちもないからね!

もしはぐれたら、この人混みの中で探すのは容易ではないから·····。

容易ではないというのは、見た目だけなら雪ちゃんは凄く見つけ易いけれど、大人が多い中で背の低い雪ちゃんは埋もれちゃってるから、その特徴が活かせないんだよね。

だから、はぐれると大変。

まぁ、はぐれるほどその歩みがあるわけでもないのだけどね。



そんな私と雪ちゃんと葵が何処にいるのかというと、私達の住む街の隣の市にある、とある寺。

ここはこの辺りでは比較的有名?な初詣スポットらしく、かなりの賑わいを見せてるの。

厄除けに力を入れてるのか、そののぼりがお正月の時期になると所狭しと掲げられてて、元旦から1週間くらいはかなりの混雑をしてるのを見た事があるんだよね。

近隣の遊休農地を臨時の駐車場にしてて、そこにズラーッと車が止まってる光景を見て凄いなーってよく感じてた。


そういう風に感じるって事は、実は私達はここに来た事がないんだよね。だから今回が初めてなんだ。

毎年帰省から帰ってくると、もうお正月って気分が抜けるから。

特に葵は冬休みの課題に追われるから、とてもじゃないけど初詣どころではないし。

私も気分的にはもう直ぐ新学期とか、雪ちゃんの幼稚園が始まるって意識の方が強かったからね。


そういう訳で今迄初詣って行った事なかったんだけど、今年は事情が変わって時間があるから行ってみる事にしたんだ。





ーー 回想 ーー




「初詣?」


「そう、初詣。いつもは特に行くわけじゃないけど、こういう時なら良いかなって思ってさ。行かない?」


「はい!ママ! ゆきは行きたーい!」


「オッケー♪じゃ、雪ちゃんは一緒に行こうか。」


「うん!」


今日はどう過ごすかな?なんて考えて取り敢えず思いついたのが、お正月らしく初詣。

家からだったら車で比較的近くに、それなりに有名?な場所があるんだよね。

それを思い出して時間もある事だし折角だから行ってみようかと思って葵に一緒に行く?って誘ってみたんたけど、葵よりも先に雪ちゃんから返事がきたよね。

まぁ、雪ちゃんは私とだったら大抵の所には付いてくるんだけどね。


「じゃ、私も行こっかな。特に予定もないしね。」


「オッケー♪じゃあ、午後から行こうか?その方が少しは暖かいだろうしね。」


「うん!」

「はーい。でもお姉ちゃん、どこに行くのかは決めてるの?」


雪ちゃんに釣られる様にして葵も一緒に来てくれる事になって。

そしてもう直ぐにお昼になるから、午後から出掛けようって伝えたら「どこに行くの?」なんて聞かれたよね。

ま、私達は初詣って行かないからいざ行こうと言われても、何処に行くの?って疑問に思うのは仕方ないよね。


「川の向こう側に観音寺って所があるじゃない? そこに行ってみようかな?って考えてるの。」


「観音·····ああ!バイパス沿いにある寺っぽいとこ?厄除けとかって大きい看板が出てて、裏に池があるとかっていう······。」


「そそ。池云々は私は知らないけど、そこだね。」


「りよーかい♪」




  ーーーーーーーーー




そいう経緯で葵も一緒に行くことになり、場所も判明したここ。

初詣って言うと神社ってイメージがあるけれど、ここはお寺なんだよね。

見た感じあまりそういう風には見えないけど、きちんと墓地もあるから間違いないと思う。

他に地元周辺では有名なお寺系もあってそこは文殊、つまり知恵を司る菩薩様を信仰してるみたいなんだよね。

だから受験を控えた学生とかその両親がよく訪れたり、そうでなくても近隣の人が沢山お参りに来たりもしてるって聞いた覚えがあるんだ。


聞いた覚えがあるんだって言う事は実は私、そこに行ったことはないんだよね。

おまけに今思い出したくらいだからさ。

それに今から考えると私達は今年受験なんだからそっちにお参りに行けばよかったのかな?なんて、考えたりもして······。



「ママ!見てみて!凄い高いよ!!」


「うん?どれどれ····あ、本当だね!」

「おー·····結構いい景色じゃん!雪ちゃんよく見つけたね。」


「えへへへ。うん♪」


雪ちゃんが私の腕を引っ張って何事?なんて振り向いたら、そこには素敵な景色が広がってたんだ。

遠くには山々が見えてて、これはまぁ普段からも見えるんだけど、その手前は畑や田んぼがズラーッと広がってる。

足元下の方には沢山の出店と参拝の人々が大勢いる、そんな景色。


「下から見上げるとそんなんでもないのに、ここまで来ると意外と小さく見えるんだね。」


「そうだね。パッと見はそこ迄高さがある風には見えなかっただけに、これにはちょっと驚きだよ。」



そうな景色を見てるここは、参拝をする本堂に行く為の道で階段なの。

このお寺さんは小山に作られた珍しいお寺で、境内は起伏があって場所によっては階段やスロープで少し上に登ったりしないと行けないんだよね。

で、参拝をする本堂は上の方にあってそこに行くのには石の階段を登るのだけど、私達はその階段の上の方で並びながら少しずつ登ってる状況なんだ。


で、その待ち時間に雪ちゃんが気が付いたのだけど、高さがあるように感じるんだよね。

多分、15メートルとかそのくらいだと思ってたのだけど、思いの外高かったみたい。


「こういうのが見れるのなら、この渋滞も悪くないかもね。」


「そうだね。これで風でもあったらかなり寒そうだけど、それもなくて日差しが暖かいから助かるね。ありがとね、雪ちゃん。」


「うん!」


見つけてくれた雪ちゃんに感謝感謝。

だって雪ちゃんが気が付かなかったら、前方を見つつ葵や雪ちゃんと話をしてただけだったろうからね。


「そういえばお姉ちゃんはお賽銭いくらくらい入れるつもり?」


「お賽銭?あ〜······どうしよっか?特に考えてもなかったね。」


お賽銭。うん、全然考えてなかったね。

上に行ったらお財布を開いて、入ってる硬貨でってくらいにしか考えてなかったからね······。


「ここってさ、電子マネーでも出来るのかな?」


「電子マネー?? うーん·····どうだろう? 分からないけど、田舎だから無いかもよ?もしあったら、それでするの?」


「いや、そんな大金入れるわけでもないから、硬貨で済ませるつもりだよ。ただどうなのかなーって思ったんだ。」


「なるほどねー。」


電子マネー賽銭。

いつだったかテレビでそういうのを始めたっていう神社のニュースを見た記憶があるのだけど、ここにそれが導入されてるのかは知らないんだ。

ただまぁ·····時代の流れだよねっていうのは感じる。

いまでも大半の人は硬貨で賽銭してると思うけど、その大量の硬貨を数えるのは手間暇がもの凄くかかるだろうからね。

それに今度はそれを金融機関に預けるにしても硬貨の場合、手数料が取られる時代だからねー。

だからそういった意味では電子マネーもありなんだろうけど、私からするとやっぱりチャリン♪と賽銭してお祈りするのがいいなーって思っちゃうんだよね。



「じゃあさ、5円玉を入れない?」


「5円玉?? 何でまた········あぁ!?語呂合わせみたいなやつ??」


「そうそう。5円と御縁、だね。せこいかな?」


「いや、いいんじゃないの? こういうのって金額よりも気持ちが大切って聞いたこともあるし、それでいこうよ。」


いくら入れる?なんて聞かれても特に考えてなくて、考えた末に閃いたのがこの語呂合わせの一種の5円と御縁だったんだよね。

こういうのって験担ぎ的な所も含まれてるから、そういうのでしてみるのも良いかなって思ってね······。


だってほら、昔からあるっていうじゃない。

勝負事に挑む時に『敵に勝つ』という意味合いで豚カツを食べるといいとか、某チョコ菓子のキット◯ットとか。

他にも語呂合わせで『いい夫婦の日』とか『サンキューの日』。

他にもニャンニャンニャンで『猫の日』とか、数え切れないほどの語呂合わせとか験担ぎとかあるもんね。

あとは歴史とかの年代物を語呂合わせで覚えるとか、そういうのもあるし。



「ねぇ、ママ。ごえんってなーに?」


「あら、雪ちゃん。気になったの?」


「うん。」


「偉いね〜。」


私と葵との会話でまさか気にするとは思ってもみなかったから、驚いたよね。

雪ちゃんからすれば、全く興味を抱くような話ではないだけにさ。

そんな雪ちゃんの頭をなでながら、軽く説明をしてあげる事にしたの。

説明をしてさ、それを理解できなくても親がきちんと答えてくれるって言う、姿とか姿勢を見せてあげたいから。


「御縁っていうのはね、人と人の繋がりとか出会いの事を表すの。例えば雪ちゃんが素敵なお友達と出会いたいな〜、仲良くなりたいな〜って思ったりお願いする事を『御縁があります様に』ってお願いすることなのね。」


「そういう意味だと、雪ちゃんと雪ちゃんのママは御縁があったから、こうして出会えたんだよ。それもとびっきりの御縁だね!良かったね、雪ちゃん。」


「うん! ゆきとママはごえんなんだー♪」


「そうそう♪」


私が軽く説明して、そこに葵が補足してくれたんだよね。

しかも雪ちゃん的には、私との事をそう表せば分かり易いだろうと考えてくれたみたいでさ。

まぁ、実際にはそうなんだけどね。

私と雪ちゃんは原因が分からない為、とびっきりの御縁があったからこうして産まれて出会う事が出来たともとれる。


それにこれは先生に聞いた話だけど、普通の妊娠・出産だってそうととることが出来るんだって。

1つの卵子に対して数億の精子の中から1つが受精。

その出会いそのものが奇跡とも取れるのに、そこから細胞分裂しながら着床。その過程で染色体異常とか何かしらの原因で着床出来なければ、妊娠は成立しないの。

正常な妊娠そのものが確率が低いのに、そこから約10ヶ月の妊娠期間。

なにか起これば流産だったり早産しそうになったりするし、赤ちゃんが何かしらの障害を持って生まれてくる事もあるかもしれない。


だから五体満足で元気な子が生まれてくるというのは、本当に奇跡的な確率なんだって。

その話を昔に聞いた時に私と雪ちゃんの事を考えたら、さらに愛しく感じるようになったのはもう分かるよね。



「そういう訳で···はい、これ。」


「あっ、5円玉だ。」

「ありがと、お姉ちゃん。」


賽銭まであと少しって所まで来たとこで、財布から5円玉を取り出して雪ちゃんと葵に渡したの。


「どういたしまして。雪ちゃん、順番が来たらあそこの箱の中にお金を入れて、何か一つお祈りしてね。声には出さなくていいから、心の中でお願いするのよ?」


「うん! 何にしようかなぁ〜??」


お賽銭のやり方を教えて何をお祈りしようか本気で悩んでる雪ちゃん。

何を祈るのかは分からないけど、真剣に考えてくれてる姿は微笑ましくて可愛いなって思ってしまうよね。


「お姉ちゃんは何をお祈りするの?」


「私? さぁ·····なんでしょうね? そういう葵は?」


「う〜〜ん······お願いしたい事はいっぱいあるけど、欲をかくのは良くないと思うから、正直悩むよね。でも、お姉ちゃんのお願いしそうな事は何となく分かるかな?」


「そう?」


「うん。お姉ちゃん優しいからさ、きっとこうだろうなって言うのは普段見てる私からしたら想像がつくんだよね。」


フフン♪とドヤ顔っぽく言う葵だけど、その想像は恐らく当たってるんじゃないかなーって思う。


お願い事というと先ず思い浮かべるのは、自分自身の事に対しての事。

健康や学業(仕事)成就、出会いや金運。人の数ほど色んなお願い事ってあると思うの。

それ以外では家族とかの身近な事に対してのお願い。


そして葵が想像してるのは恐らく後者で、私が雪ちゃんや家族の健康とか安全をお願いするんじゃないかと思ってる。

さすが葵。よく見てるよねって思うよ。

私はやはり雪ちゃんが優先だから、まずはそこになるんだよね。


『健康で健やかに。大きくなってね。』って。


今年は小学校入学も控えてて、入学すれば環境がガラって変わるから大変な事もあるとは思う。

通学の事、お友達関係の事、勉強の事。

慣れるまでは大変だとは思うけど、そこを頑張って乗り越えて元気に過ごしていって欲しいなって思うんだ。





  ーーーーーーーーー



「雪ちゃん、美味しい?」


「うん!美味しいよ〜♪」


「そっか。それは良かった♪ゆっくり慌てないで食べるんだよ。葵もゆっくりでいいからねー。」


「ふぁい。」

「うん!」



あの後、参拝を済ませた私達は行きとは逆に坂道を下って出店やイベントが催されてるエリアへやってきたんだよね。

そしてそこでこれまた定番のおみくじを引いてみようってなって、やってみたんだ。

で、結果は3人とも可もなく不可もなく、ごく普通の結果に終わったんだ。

葵はそれを見て少し残念がってたけど、私としては別にいいんじゃない?って思うくらいだったけどね。

だってさ、新年早々『凶』だったら流石に嫌だけど、『吉』くらいなら普通だもね。

受験(就職含めて)が控えてるから『大吉』の方がって言う思いもあるけど、それを葵が引くと何だか油断しそうでさ······。

『吉』なら良しも悪くも自分の頑張り次第······って考えることも出来るから、いいのかなーなんて思うんだ。


そしてその後は出店で何か食べたいって言う雪ちゃんの意見を取り入れて、少し休憩をする事にしたんだ。

お店も結構な数が出店してて、焼きそばやたこ焼き、イカ焼き。ポテトや唐揚げ、お好み焼きとか定番の物は勿論の事、お正月らしく甘酒やつきたてのお餅の振る舞いなんかもあったよね。


そんな沢山のお店の中から雪ちゃんはクレープを選んで、美味しそうに食べてるの。

葵は私とシェアしようって事で、ドネルケバブにしたんだ。


ドネルケバブはお肉の塊をゆっくり回転させながら焼いて、それを薄く削ぎ落としてそのまま食べてもよし。パンなどに挟んで食べてもよし!っていう、キッチンカーとかで最近見られるようになったアレ。

「折角食べるなら変わった物がいいよねー」って言う葵に私も乗っかって、でもお昼を食べてお腹も然程減ってないからシェアしよ!ってなってね。



食べ物と一緒に買った暖かい飲み物を飲みながら一休み。

うん。こういうお正月も悪くないね。

そう思う私だった。


挿絵(By みてみん)


「葵、それ美味しい?」


「うん。ソースもちょいピリ辛で食欲をそそるし、いけるよ。」


「あら···それは私も楽しみかも。」


美味しそうに食べてる葵を見てたら、つい感想を聞いてしまったよね。

コレもさ最近見かけるようにはなったけど、それでもそんなに遭遇はしないし買うという所までも中々いかなかったから、気にはなってたんだよね。


「でもさぁ·····こういうのもいいよね。」


「それ、今さっき私も思ってたよ。」


「え?ほんと? 流石姉妹だ。考えることも同じなんて!」


しみじみとした感じで言う葵に、私もそう思ったよって返せば驚くのと同時に嬉しそうにして。

私と葵。

タイプは全然違うのに、偶にこうして同じ事を考えたりする時もあったりで不思議だよねーって思う。


「いつもだったらさ、もう向こうに着いてるのかな?」


「んー·····どうだろね?雪が少なければ着いてるだろうし、今年みたいだったらまだ車の中かもよ?」


結局天候は大荒れみたいで、出かける前に高速道路のカメラ映像をみてみたら路面が真っ白だったんだよね。

これでは向こうに向かうのにかなりの時間を要するなって思ったのと、中止にしたのは正解だったねって感じた。


「お母さんから聞いたんだけどさ、伯母さん大変だったみたいだよ·····。」


「うん···何となく想像はついてたけど、やっぱりそうなったのね·····。」


「お姉ちゃん、懐かれてるからねー·····。」


伯母さんの娘の風花ちゃん。

私に非常に懐いてくれてるんだけど、今年行けないのを伝えたら大泣きするだろうなとは思ってたけど、やっぱりそうなったみたい·····。

小さい子供ってああなると宥めるのが大変なんたけど、こっちからは何も協力出来ないのがもどかしいんだよね。


「次のG.W(ゴールデンウィーク)の時は、沢山甘えさせてあげるつもり。だからそれまでは伯母さんに頑張って!しか言えないかな。」


向こうに行くとなるとある程度の連休が欲しくなるけど、当面はないからね。

たからそれ迄は仕方ないけど······。



お寺のちょっとしたスペースにある椅子に腰掛けながら、のんびと食べて飲んで休んで。

目の前には参拝に行く人、出店や催し物を楽しむ人、帰る人。夫婦で家族でお友達と。

暖かい日差しを浴びながらそんな沢山の人々を眺めつつ、私達ののんびりとしたお正月は過ぎていくのでした。


今年も色んな事が待っているけれど、いい1年になりますように····。

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