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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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212/240

ある日の冬休み①-3 高2(挿絵有り)

本日、12月31日。天気は晴天。そして大晦日。

様々な出来事があった今年も残す事あと数時間という午後のとある時間に、私は雪ちゃんを伴ってとあるスーパーへ買い出しに来ているの。



「ママ?今日のお買い物はここなの?」


「うん、そうだよ。まぁ、ママもここに来るのは初めてで勝手が全く分からなくて時間が掛かりそうだけど······、取り敢えず行こっか。」


雪ちゃんに指摘されたこのスーパーは、普段私が食材の買い出しをしてるスーパーとは違うお店なんだ。

それにお店の系列も違うから何が何処に配置されてるのかとか、どういった商品があるのかも分からないの。

陳列そのものは同じ系列店でも店舗毎に違うから探すのに苦労はするのは仕方ないし、商品もPB(プライベートブランド)を除けば大体は同じ筈なんだけど、そんな中でもあっちのお店になかった物がこっちには置いてある!なんて事も多々あるからねぇ。

だから探すのに苦労はする分、楽しみもまたあるんだよね。


そんなちょっと苦労するのが目に見えてる初めてのスーパーに、大晦日という店内が混み合う時に来たのには理由があるのだけど·····。



「雪ちゃん。このカート乗る?」


「うん!乗る!!」


「はい、じゃ、こっちから乗ってね。···よし、オッケー。じゃ、後はカゴを乗せて·····行くよ?雪ちゃん。」


「いいよ〜ママ♪」


雪ちゃんを乗せたカートを押して店内へと入る私。

このカートというは、スーパーの入り口にあるカゴを載せる車輪向きの台車の事なんだ。

沢山の物を買うときや飲料系やお米など、比較的重い物を買う時に手に持つことなくレジ&車まで運んでいける便利さがあるんだよね。

そしてそのカートには子供を乗せていけるタイプの物もあり、ちょっと前までは小さな子が座るタイプのしかなかったんだけど、つい最近に立ち乗り出来るタイプのが登場したんだよね。


これがなかなかに画期的で、まず座れなくなった子供にも適応出来るの。

そして子供は意外と座るタイプよりこの立ち乗りタイプが楽しいのか、喜んで乗るんだよね。

だから乗ってる時は比較的大人しくてあっちにフラフラ、こっちにフラフラしないでいてくれるから、親としてもある程度お買い物に集中出来るって訳。

まぁ、雪ちゃんは元からあまりフラフラはしない方なんだけど、それでも心配しながら商品を見てるよりは、目の前に乗っていてくれる方が私としても安心なんだよね。



「ねぇ、ママ。何で今日はここのお店なの?」


やっぱりいつものスーパーじゃない所に来たのが気になるらしい、雪ちゃん。

こういう不思議に感じた事を素直に聞いてくれるのは、親としてママとしても嬉しく感じるところだったりもするんだよね。


その理由は『成長』というものが感じられるからなんだよね。

子供って赤ちゃんの頃から喜怒哀楽という感情は表してくれる。

例えそれが喋れない時期でも、嬉しかったり楽しかったりすれば「キャッキャッ♪」って喜ぶし、嫌なことがあれば泣く。

そして言葉を覚えてきて話せるようになれば、個人差はあれどさらに感情表現豊かになるんだよね。


そしてその先に今のような疑問に思った事を聞いてくるというのが出てくるの。

有名なのが「赤ちゃんって何処から来るの?」っていう質問。

親がどう返答するか悩むそれだけど、幸い?にして私にはまだその質問は雪ちゃんからは聞いていない。

だけどそういう疑問に思う事を親に尋ねるという事が出来るのも、一つの成長の証なんだよね。


だから私はこの何気ないやり取りや日常を嬉しく感じるし、大切にしているの。

私の両親を始めとしていろんな方から「子供の成長って本当にあっという間よ。」って言葉を聞くし、私自身もその通りだなって身を染みて実感してるからね。


そして何れは雪ちゃんも私に聞くともなく、スマホで分からない事をちゃちゃっと調べる日が出てくると思うからね。

だからこそ余計に今のこの瞬間を大切にするの。



「ここに来た理由はね·····教えてあげたいんだけど、もう少し待っててくれる?」


「うん。」


雪ちゃんの疑問に答えるべく、その答えの元を探す事にした私。

疑問に対して答えが分かっているのなら、きちんと答えないといけないと私は考えているからね。

勿論、その内容の種類にもよるだろうけどね。


さてさて、その肝心の答えだけれどもどこだろう??

年末のこの人の多さの中から探し出すのは大変そうな気がしなくもないけれど、やってるとすれば恐らくレジか品出し&陳列かな?

厨房とかそういう箇所はさすがにないだろうと予想を立ててみて、一番手っ取り早いレジの方を確認して見る事にしたんだ。

そして、その答えを見つけた。


「ほら、雪ちゃん。あそこのレジの人、分かる?茜おねーちゃんだよ。」


「あかねおねーちゃん??····あっ、ほんとだ! あかねおねーちゃんだ♪」


「そうそう。茜おねーちゃんね、このお店でお仕事をしてるんだよ。だから今日はここに来たの。後で茜おねーちゃんのレジに行こうね。それまで内緒だよ?」


「うん!」


喜ぶ雪ちゃん。

そして「ないしょ、ないしょ。」って小さな声で言いながら、嬉しそうにしてる姿がまた可愛いのなんのって♪


茜ちゃんが働いている。

そういう理由で今日、このスーパーに来たんだよね。

部活を辞めて勉強もしつつ、アルバイトもするって話を聞いて。 

そして面接と研修期間を終えて、本格的に出来る様になって来始めたのがここ最近の事なんだよね。

そのタイミングを今まで待ってたんだけど、事前に面接が通った時点で茜ちゃんからは話を聞いてはいたんだ。

どこのお店でアルバイトをするとか、時間帯はいつだとかってね。


アルバイト先は茜ちゃんが普段買い物に行くスーパーの店舗で。

そして時間帯については、平日は無理なので休日を中心にシフトを入れるんだって。

まぁ休日をメインに入れる学生アルバイトも多いらしくって、その辺りはすんなりと通ったらいしのだけどね。

それに休日メインだと、一緒に過ごしたりする時間が減ったりして残念に感じる部分もあるけれど、安心という気持ちもこれまた大きいの。


それは平日の学校終わりにアルバイトってなると、帰りは夜になるじゃない。

そうなるといくら家から近いスーパーと言えど、夜道を女の子が1人で出歩くのが心配でね。

スーパーのある辺りは住宅も車の通りも多い地区だけど、茜ちゃんの自宅に近づくにつれ家の軒数も車の通りも街の街灯も少なくなる一方だから、それは心配にもなるんだよ。

まあ、それが休日メインならシフトによるだろうけど遅くとも夕方くらいまでには帰れるだろうと思ってるから。

だから安全面という部分では平日よりもホッとしてるの。


 

その様な理由でこのスーパーに買い物に来て、雪ちゃんの疑問も無事に解決して。

それからは本来の目的を果たすべく、私と雪ちゃんは店内を歩き始めたの。


本日の目的は、今夜と明日のご飯の材料の買い出し。

どちらかと言うと、明日のご飯の材料買いがメインなんだけどね。

昨夜、元旦の日の晩御飯の希望を募ってみてはしたものの、結局はこれと言った意見はなかったんだよね。

だから私が考えて作る事になったんだけど、家族の雰囲気的には刺身とか寿司だとかそういうのが食べたい様な感じではなかったんだよね。

で、何にしようかな〜なんて考えつつ店内を物色してるんだけど、うん、分かってた。元からね。


店内は紅白の布やお正月飾りっぽいのがそこら中に飾ってあって、すっかりお正月モード。

そして鮮魚売り場やお惣菜コーナーでは、刺身や蟹、お寿司といった物が所狭しと並んで置いてあるの。

しかも、それの大半が2〜4人前のファミリー層を狙ったボリュームの物が大半で······。


それにお惣菜コーナー。

丁度今は大晦日=年越しそば。

と、いうことで普段ならコロッケや唐揚げとかが陳列されてるだろうそこには天麩羅が沢山置いてあるんだよね。

何パターンかのかき揚げや海老天、イカ天、各種野菜の天麩羅などお蕎麦に合う天麩羅が沢山。


つまりそういった物が沢山陳列されているから、それ以外の物がやや少ないんだよね。

私としては普段買うような物が欲しいだけに残念にも感じるけど、でも、こればかりは仕方ないよねと思う。

店舗側としてもかき入れ時だし、お客様の方もそういうのを求めてる人も多いだろうから·····。



そうな訳でお正月モードになってる店内の中を、そういった物に目をくれず探す私。


「さてさて·····何にしようかな?」


探し物は今夜と明日の材料なんだけど、今夜に関してはもう決まっているの。

それは大晦日定番の年越しそば。

我が家も例に洩れずそうなんだけど、トッピングとして天ぷらを用意するんだ。

蕎麦は前々から用意してあるから今日は買わない。汁も。

そして天ぷらは惣菜コーナーから買うことも出来るけど、そこは買わないできちんと作るよ。

逆に言うと、そこしか手がかけられる所がないからね。


「この季節はやっぱりさつま芋だよね。これは外せない。あとは···かき揚げにカボチャ、竹輪もいるね。」


天ぷらの定番のとも言える物だけど、美味しいから外せないだよね。

さつま芋やカボチャの甘くてホクホク食感。玉ねぎを沢山いれたかき揚げの甘み。

竹輪も青のりを入れて揚げれば磯の香りと風味で美味しいし。

家族のみんなが好む天麩羅素材を吟味しつつカゴに入れていく私。



「ねぇ、ママ。お芋さんは焼き芋するの?」


「焼き芋?いや、天ぷら予定だけど·····雪ちゃん食べたい?」


「うん、食べたい。」


「そっかそっか。じゃ···追加で買おっか。その代わりにお菓子はなしだよ?」


「うん、いいよ。やった〜♪」


嬉しそうに喜ぶ雪ちゃん。そしてあっさりと本来買う予定だったお菓子を手放したよね。

このお菓子というは一緒にスーパー等に来た時に「100円以内よ?」って条件をつけて買ってあげてるんだよね。

その中で一生懸命に探して「ママ。これとこれは、だいじょーぶかな?」って組み合わせを見せてきてくれるんだ。

そういう所も可愛いなって感じるけど、こういうのも大切な教育だから必要な事なんだ。


で、この焼き芋もお菓子と比べれは高いけど、野菜という部類なのを考えるとお菓子よりは断然にいいと私は考えてる。

それは芋はお野菜だから身体にいいのは勿論だけど、その甘さなのに砂糖を一切使っていない天然の甘さなのがいいんだよね。

特に野菜売り場の一角に設置してある焼き芋機で作っている、この紅はるかを使った芋は中はねっとりとして柔らかく、そして糖度が高くて甘くて美味しいの。

だから雪ちゃんはこの紅はるかを使った焼き芋が好き、私も好きだったりするんだ。


これはさ、私が普段行くスーパーでも設置してあって焼いて売っているんだけど、販売している生のさつま芋は紅はるかじゃないんだよね·····。

焼いて売ってるのは紅はるかなのに、生のはまた別の種類のお芋でいつも残念に感じてる······。


と言うわけで、出来立てらしい焼き芋を1つ手にとってカゴに入れてお買い物を再開。

もう雪ちゃんはるんるん♪だし、その原因の焼き芋はカゴの中からいい香りを出しているんだ。

そんないい香りを感じつつ必要な野菜を選び、あとは海老を追加して。

これで天ぷらのラインナップとしては十分かな。

私達はお蕎麦を食べれば天ぷらはそんなには食べないけど、お父さんは·····分からないね。

新潟行きもなくなったからお酒と合わせて意外と食べるかもしれないから、多めに作っとけばいいかなと思う。

余ったら余ったで、翌日に天丼風にして食べればいいからね。

後は、明日の分だけど······。



「やっぱり野菜は高いなぁ·····。」


もう分かり切っている事だけれども、でもそう思わずにはいられない。

それだけ野菜を含む食品類が値上がりしてるのを実感するんたよね。

勿論それ以外の全ての物が値上がりをしているのを知ってはいるけれど、スーパーというお店でほぼ毎日値段をチェックして食材を買っている側から見ると、この野菜の高騰は恐ろしく感じるんだよね。


「でもまぁ、お母さんからはいいよって言われてるから、明日は少し奮発しちゃうかな·····。」


品を見て値段を確認して。

少しでも安くなるように選びつつ、私は買い物を続けて行ったんだ。


挿絵(By みてみん)





「雪ちゃん、あと少しだね。」


「うん。あかねおねーちゃんビックリしちゃうね!」


茜ちゃんの驚く顔を浮かべてるのか、それともきちんと会えるのが嬉しいのか、もしくは両方かな?

とにかく嬉しそうな雪ちゃん。

そんな雪ちゃんと一緒に今、私達は茜ちゃんが担当してるレジの順番待ちで並んで待っているんだ。


ここのスーパーはセルフレジは導入されてないみたいで、全て店員さんがレジを通してくれるみたなんだよね。

そしてお会計の方だけそのレジの後方にある会計専用の機械で、自分で処理を行うスタイルみたいで。

だから意外とレジの進み具合は早かったりしてる。

セルフレジだと台数も多くて一見早そうに見えるけど、人によってそのスピードが違うしエラーも起きたりして、早そうでそうでもなかったりするんだよね。

その点、店員さんなら慣れてるからテキパキとレジを通して行くから早い早い。



「お会計はそちらの5番でお願いいたします。····お待たせ致しました。いらっしゃませ~·····あっ!?」


「やほ♪茜ちゃん。お買い物にきたよ。」

「あかねおねーちゃん♪こんちにわ!」


私達の前の方が終わって私達の番が来て。

カゴを出して茜ちゃんが挨拶と共にこちらを見た時に、やっと私達に気が付いたんだ。


「いらっしゃませ。このはちゃん。雪ちゃん。ありがとね♪」


「うん。頑張ってるね、茜ちゃん。はい、これ。お願いします。」


「はい。当店のポイントカードはありますか?」

 

「いえ、持ってないのでそのままでお願いします。」


「畏まりました。」



挨拶も程々にレジ打ちの方をお願いして、茜ちゃんもそれを進めて行ってくれる。

話したい事はあるけれど今はお仕事中だし、後ろにもお客様は控えているからさ、業務を邪魔しちゃいけないよね。


「あかねおねーちゃん、早いね〜。」


「うん、ありがとね、雪ちゃん。」


時通り話しかける雪ちゃんに、レジをやりつつ答えてくれる茜ちゃん。

そんな茜ちゃんの姿を静かに見てるけど、確かに早いかなって感じるね。

勿論ベテランさんよりは遅いだろうけど、それでも研修期間を終えてるだけあって私達お客さん側からしたら十分なレベルの手捌き。

そしてあっという間に私が今回買う全ての買い物商品が、マイカゴに収まった。


「お会計は隣の6番レジでお願いします。」


「はい。ありがとね、茜ちゃん。」


「私の方こそ、来てくれてありがとう♪」


「またね~、あかねお姉ちゃん。」


手を小さく軽く振って、茜ちゃんにお礼とお別れの挨拶を交わして。

そしてそのまま隣の機械にてお会計の決済を済まして、本日のお買い物は終了。

なんか呆気ないというか····不思議な感じだったかな。

お買い物やレジ後の事はいつもと変わらなくて、違うのはレジ打ちが友達の女の子だったってだけなんだけどね。

知り合いのおばさんとかがしてるって言うのは以前にもあったけど、同級生というのは私も今回が初めてで、でも仕事中だから話しかける事も挨拶程度しか出来ないし······。

その変なもどかしさみたいなのが、私の心の中に残ってるんだよね·····。


でも·····茜ちゃんも問題なくやれてるみたいだから、私としてはホッとしてるかな。

そして今日という忙しい日を無事に終わらせられれば、今後も大丈夫かなって思うしね。

雪ちゃんも最初は驚いてたけど、その後は会えて嬉しそうにもしたたから、今後は週末限定でここのスーパーに買いに来ようかなって考えてる。

理由は勿論、茜ちゃんが働いてるからなんだけど·····あー、でも一応聞いてみた方がいいかな?

人によってはこういう働いてる現場を知り合いに見られたりするのが、恥ずかしいとか嫌って感じる人もいるとかって話だし。


······うん、そうしよう。

嫌がれちゃったら折角のアルバイトが嫌に感じちゃうかもしれないからね。


「ねぇ、ママ? またここにお買い物来るの?」


「う〜ん·····ママは来たいけど、一度茜おねーちゃんに聞いてからね?」


「ゆきはまた来たいなぁ。またあかねおねーちゃんに会いたいな。」


素直な気持ちを伝えてくれる雪ちゃん。

まだ子供だからこうして素直な気持ちを私に教えてくれるけど、私も本当はそうしたい。

でも、取り敢えずは確認をとってみないとね。


「また来れるといいね、雪ちゃん。じゃ、帰ろっか?」


「うん!」


マイカゴだから改めて詰め直したりする必要もなく、会計を済ませればそのまま帰れる楽ちん仕様。

エコバックも持って来てはいるけれど、やっぱりこのマイカゴの便利さには勝てないなって感じながら、このスーパーを後にします。


去る前にもう一度、茜ちゃんをチラッと見る。

後ろ姿しか分からないけど、引き続き並んでるお客さんを捌いてる。

この分だといつ頃空いてくるのか見当もつかないけど、心の中で『頑張れ!』ってエールを送って今度こそ雪ちゃんとお家へと帰ります。



年越し前まであと数時間。

今度は私が美味しい天ぷらを作るよー!と気合を入れるのだった。

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