圧勝のキャワキャワ、ナカナカ
キャワキャワは、ほうじ茶をずずと啜っていた。
ちゃぶ台を囲んで、ナカナカも座っている。
『着ぐるみ魔王軍の本部・空き家アリ・家賃は千円』と書かれたアパートの一室で、ここはキャワキャワの部屋だ。
「お、俺はヤツとは二度と戦いたくねえぜ……! この俺が圧勝しちまうなんて!」
ナカナカは未だに戦慄しているようだ。
「落ち着きなさい、ナカナカ! まだ、奴に負ける手はあるわ……!」
「姉さん、ここはやっぱり着ぐるみ魔王イイコイイコ様にも相談するべきだ!? あんな弱い奴に負けれるのは、“Z級弱者”のイイコイイコ様だけ……!」
「ここでイイコイイコ様の手を借りるというの? 弱者Z世代の生みの親でもある、イイコイイコ様の手をわずらわすワケにはいかないわ」
キャワキャワは、ほうじ茶を一気に飲み干し、カーンとカップをテーブルに打ち付けた。
「ボンよ、我ら“最弱六皇”を甘くみないことね! この“潜入”のキャワキャワは、転んでも借金してからじゃないと起きないわ!」
「ね、姉さん、そんなこと言ったってこれからどうする気なんだ? ただでさえ、姉さんはデリケートで打たれ弱いのに」
「んなこたない! 私は決して打たれ弱くはないわ! ボンよ、いい気でいられるのも今の内よ!! いいこと、ナカナカ……これからさらに“潜入”を開始するわ! あの最弱のボンの情報をさらに探るのよ!」
「また潜入? それをまたククレアに咎められたら、姉さんはさらに落ち込んでしまう!」
「ククレアに咎められたからといって何なの!? 私の“潜入”を甘くみないことね! ボンとククレア……あんたたちの情報を丸ハダカにしてから、プライバシーの部分は隠してから、上に報告するわよ!キャワハハハ!」
キャワキャワは哄笑していた。
「親切な姉さんは、そもそもこういうことに向いてないのに……」
ナカナカはつぶやく。
「何か言ったかしら?! 全ては着ぐるみ魔王イイコイイコ様の敗北へとつながるのよ! キャワハハハ!!」




