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異世界のお宝は便利です

 



「テメェ! 何で起こさなかった!」



 そう言って起きて早々に怒り狂ったクソ野郎にぶん殴られる。

 コイツは俺が所属する冒険者パーティーのクソリーダーことサム。



 俺様で野蛮な汚い顔の野郎で、ちょっと腕が立つからと調子に乗っているバカだ。



 俺は昨日の夜このクソに朝早く起こせと言われたので起こそうとしたが、予定は無くなったからいいと言われたので起こさなかった。



 そしたらこのザマだ。

 テメェが起こさなくていいって言ったんだろうが。



 このクソ野郎は自分の思い通りにいかないとすぐに癇癪を起こす。



 というか、何でプライベートでまでコイツの世話を俺がしないといけないんだ。

 可愛い女の子の世話なら喜んでやるが、こんなクズの相手はしたくない。



 世の中はまったくもって理不尽だし、反撃出来ない自分にも嫌になる。



 もうこんなパーティー抜けてやるっていつも思うのに、結局クソ野郎のパシリみたいな事を今日もやっている。



 昨日なんて自分がミスしたくせに俺のせいにしやがって!



 やれ役立たずだクズだなんだ言いやがって、俺でストレス発散するんじゃねぇよ。



 誰か俺の代わりにクソ野郎を殺してくれないかな。

 コイツが死ねば俺はハッピーなのにな。







・・・







 柔らかな日差しが差し込み、僕は意識を徐々に覚醒させて行く。

 まだ隣に居るイデアルはベッドの上で気持ちよさそうに寝ている。



 そんなイデアルを起こさないように、ゆっくりとベッドから抜け出した僕は朝食を作るためにリビングに向かい歩いて行く。



 特にどちらが食事を作るか決めているわけでは無いけど先に起きたし、イデアルに助けてもらっている事が多い僕は少しでも彼の役に立ちたい気持ちはある。



 それに、そんな大した料理は作れないけど、僕が作った料理をイデアルが喜んで食べてくれるのが実は嬉しかったりする。



 自分が作った料理で誰かが喜んでくれるというのはささやかな幸せだ。



 時間はあるわけだし料理について勉強するのもいいかも。



 そのうち、あまり客の来ない落ち着いた雰囲気のカフェをやるのもいいかも知れない。

 人気過ぎると忙しいし、1日に10人来ないぐらいの店が理想だ。



 どうせなら可愛い女の子を5人ぐらい雇って百合百合してるのを見たい。



 にしても、今僕が乗っている車は色々と便利で凄い。

 実はもう次の街に向けて僕とイデアルは出発している。



 その時に転移魔法で移動するか車で移動するかの選択肢をイデアルから与えられた。

 そもそも車ってあるんだって思ったら、ダンジョンから発見されたお宝の1つらしい。



 見た目は普通のキャンピングカーで全長5メートルぐらい。

 でも中は異空間にでも繋がって居るのかなと思うぐらい広くて、バスルーム、トイレ、キッチンがあってリビングかなりも広い。



 昨日の夜は窓から移りゆく景色を見ているだけで時間を潰せてしまった。

 おつまみにイデアルから貰ったスナック菓子やチョコレートを食べながらボケ〜とする。



 こういう穏やかな時間を過ごすのは最高に気持ちがいい。

 僕は元々景色を見るのが好きで、良い景色が見られる自分なりに考えた散歩コースを休みの日には歩くのが好きだった。



 散歩のゴールはスーパー。そのスーパーで予算1000円を握りしめて好きな物を買う。



 これが僕なりの精神安定剤。



 だから移りゆく景色を眺めているだけでも時間を過ごせるのだ。



 そんな昨日の幸せを思い出しながら2人分の朝食を作り出す。

 結局ヘルマナは僕たちと一緒に行くのではなく自分1人で旅に出ることを選択した。



 僕たちと一緒にいると「甘えてしまって成長出来ない」可能性が高そうだからと彼女は言っていた。

 でも、自分1人で生きていける力を身につけることが出来たら一緒に旅をしましょうとも約束してくれた。



 そんな事を言われたら引き止められないし、イデアルに養ってもらっている僕からしたらその選択を決断出来るのが凄いなーって思う。



 僕が逆の立場だったら絶対について行ってると思う。

 いや、でもヘルマナ視点から見れば友達夫婦の間に挟まって、旦那の世話になるというのは嫌かも。

 しかも自分は無職なわけで罪悪感を感じたり色々と複雑な気持ちになりそう。

 


 まぁ、とにかくヘルマナとはあの街でお別れした。

 今度は自立したヘルマナに会えるのを楽しみに待っていよう。



「うん、出来た!」



 そんなこんなで今日の朝食が完成した。メニューはスクランブルエッグ、ベーコン、ウインナーにトーストだ。



 僕が料理を作っている途中にリビングに入ってきたイデアルがニコニコとこちらを見ている。

 別に僕の事を見てたって楽しいことは無いと思うんだけどな。



 朝食を食べ終えた僕はのんびりと景色を見ている。

 食器洗いはイデアルが進んでやってくれたので、食後の優雅な時間を過ごせている。



 この車は自動運転にも出来るから僕とイデアルがリビングに居ても勝手に目的地に向かって進んで行く。



「ねぇ、イデアル」



 僕はイデアルを呼ぶ。



「うん、どうしたの」



「何か前方で大きな魔物と誰かが戦ってる」



 



誤字報告をしてくれて方ありがとうございます。助かりました。

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