新たな仲間達・次の戦への心構え・条件付き武力100の軍師
10月個人ターン 許昌 酒家
「ドーモコンニチワ、魏国五虎将が一人、張郃儁乂です」
「同じく五虎将が一人、徐公明である!!」
「ソウソウ様サヨウナラ。従弟の曹洪子廉デス(死)。切腹!」
『曹洪が楽屋裏へ送られました』デデドン♪
殿路「逃がさんぞ。魔法カード《死者蘇生》」ウーウィーン♪
突然ですが、何だかんだあって仲間が更に増えました。
先の司馬師・司馬昭のアンティークドールコンビに続き、魏国五虎将の張郃と徐晃。今しがた魔法カード《死者蘇生》で復活もとい強制加入させられた曹洪。
「…………その “何だかんだ” に含まれるのは極めて不愉快だ」
「許褚ォ! そんな端っこに座ってないでこっち来ぉーーい!」
「貴殿と馴れ合うつもりはない。故にお断り致す」
『許褚は楽屋裏へ向かいました』デデドン♪
「逃がさんぞツンデレボディーガード。トラップカード《落とし穴》」ウーウィーン♪
宴会お断り……だが逃がさん! 俺は許褚の前に予め伏せておいたトラップカードを発動させ、彼の離脱を頑なに阻止した。
許褚の巨体は酒家の床を突き破って盛大に埋まり、顔だけが地表にコンニチワ。
物凄くシュールな状態となった彼は、さも不機嫌そうに俺を睨む。
「そんな顔するなよ。虎侯が俺の事を嫌っているのは百も承知だ。でも仲間になったんなら、たとえ形式上の繋がりであっても仲間は仲間。そして仲間との宴会は楽しんでなんぼ。虎侯が求める虎侯を凌いだ強さの源も、そこにあると思うぞ」
「…………貴殿らの持つ得も言えぬ強さを見極める為、俺は貴殿の求めに頷いた。……が、頷きはしたが、俺の意思は俺のものだ。馴れ合う必要があるかどうかは俺自身が決める」
「……頑固というかストイックというか。まぁ、だからこそソウソウの護衛が務まったんだろうけど……放浪軍入りしたからには半永久的な非番になるんだから、こんな時ぐらい寛げばいいのにYO」
「そうそう。取り敢えず許褚殿、これ食べる? はいアーン」
ヤンキー座りで語りかける俺に続き、怜華も小皿を片手に近づいた。
怜華は顔以外が土中に埋まって身動きのとれない許褚の為に膝を折り、出来立てホヤホヤの水餃子を食べさせようとする。
良かったね許褚。そんでもってちょっと代われ。トラップカードで嵌めたの俺だけどちょっと代われ。あと何気に怜華のパンツ凝視してんじゃないわよ、このムッツリボディーガードめ。どうせ見るなら俺の腹筋を見ろよ。ホレ、二十個に割れたバキバキの腹筋だぜ。惚れ惚れするだろ? 昇天するだろ?
「ん? アアアアァァァァッ!!!」
我が腹筋よ唸れ! 明日の晩飯を教えよ! ……みたく露にした腹筋をポンポコ叩いていれば、パンチラ状態にあった怜華が突然の奇声を上げる。
一体どうしたと……ハッ! よもや俺の腹筋を見て、怜華も遂に筋肉道に目覚めたというのか!? これは喜ばしい事だが……反面、俺の存在意義が薄れてしまうのではないか!?
「信長◯野望」で例えるならばそれは、持ち前の知略に加えて武勇と統率の値までMAXになった鍋島直茂が龍造寺軍に仕官した様なもの。
肉弾戦は俺達の得意分野だとする大将・龍造寺隆信および “五人揃って四天王” な龍造寺四天王が活躍の場を奪われてしまう時、彼等はこんな気分になるのだろうか。
「フクロモグラ発ッ見ーーー!! 許褚チョチョチョちょっとそこ代われ!!」
ところがどっこい。怜華が奇声を上げた理由は、許褚の嵌まった落とし穴から金色の体毛をしたモグラがひょっこりと顔を出したからだった。
「ンンッ確保ォォーーー!! よくやった許褚チョチョチョ!! ここオーストラリアじゃないけど絶対これフクロモグラだよ!! 超お手柄だよ!! 流石はソウソウさんが認めたボディーガード!! ナイスメン!! 伝説の漢!! 良い仕事してるっ!!」
手に持っていた小皿を平行な状態で宙に浮かせた怜華は、落とし穴にスッポリ嵌まった筈の許褚を軽々と放り投げるや、自身が穴に入ってモグラを確保した。恐ろしく早い捕獲、俺じゃなきゃ見逃してたね。
(ヨカッタネ怜華。……もうさぁ、条件次第で武力100になっても良いんじゃないかな)
俺はそう思いながら、宙に浮いている水餃子の小皿を手に取り、自分で自分の分身を生み出して自分にアーン。あら楽し…………くねぇよ悲しいよ。ある意味で感動的だよ。
「…………おい、頭領殿。その土竜はそんなに凄いのか?」
「……そっとしておいてやって。いつもの珍獣癖が出ただけだから」
片や放り投げられた許褚チョチョチョは、大地に平行を成した真っ直ぐな姿勢で、頭から壁に突き刺さっていた。
表情は見えないけど俺にはわかる。絶対仏頂面だ。
するとそこへ、混迷極めし状況を収拾せんとして、見かねた朱桓が割って入る。
「虎侯よ、すまぬが抜けそうにない故、そのままで聞いてほしい。軍師殿と他の諸将も、そろそろ次の戦について話をするぞ」
その一声で皆が落ち着きを取り戻し、朱桓は続けて語る。
「次の一戦でソウソウ軍は間違いなく滅亡する。さすがにここまで弱体化しては、如何に武将の質が高い軍団であっても物量に押し潰されるだろうからな。……そこで問題となるのが、どの勢力がソウソウ軍を滅ぼすかだ。無論、我等であれば、それに越した事はない」
「……だが、ソウソウ軍の北にはエンショウ軍、東にはカシン軍がいる。どちらも先の敗戦(※)の借りを返したいところだろうな」
(※第72話「君主が君主だからといって活躍できるとは限らナイツ by怜華」参照)
「如何にも。両軍にとって、我等がソウソウ軍を打ち破ったのは好都合極まりない。私がどちらかの軍で参謀を務めていれば、漁夫の利を得るならば今だと主君に進言しよう。……そして、その考えを持つ者は当然いると見た方が良い」
カシン及びエンショウの下に、人無しなど絶対にありえない。
歴史的に見れば、カシン軍は時代の波に呑まれ、エンショウ軍はソウソウ軍に敗北したものの、かの軍中には三国に匹敵する傑物が確かにいた。
その者等が、この絶好の機会に静観を決める筈はない。
必ずや放浪軍より先に行動できる事を利用して、ソウソウ軍に止めを刺し、その勢力の大半を吸収するだろう。
所謂「ハイエナ戦法」である。旨いところだけ持っていきよって……畜生。
「カシンは大将の器ではなく、エンショウも優柔不断で頼りない。然し、この状況ならば間違いなく動くだろう。故に、次の一戦はソウソウ軍を併呑したカシン軍もしくはエンショウ軍との戦いと見て間違いない。……各々方、努々油断なさらぬよう」
朱桓の忠告を耳にした俺達は、次の戦への意気込みを新たにした。
(……カシンもエンショウも侵攻せず、または侵攻されてもソウソウが耐え凌いでもう1ターンだけ存命してくれたら、この不安は杞憂に終わる訳なんだが……)
一番望ましいパターンは、ハイエナ戦法を耐えた直後のソウソウ軍に俺達が止めを刺し、ソウソウを含む優秀な武将達を余さず飼い殺しにして、他勢力に仕官して全勢力滅亡ENDの邪魔をさせないようにする事。
(まぁ何だかんだ言って、あのソウソウだ。もしかしたら、次も彼等が敵かもな)
願わくば、ハイエナ戦法からのハイエナ戦法が行えますように。
味方の被害は最小限に抑えつつ、得るものは最大という贅沢な結果が欲しいでやんす。
……というわけで、みんなも一緒に願ってくれよな!
次回予告
「なんて事だ! 弱体化したソウソウ軍にカシンがエンショウの援軍と共に侵攻したら、武将の質で勝るソウソウ軍でも敗北してしまう!
頼む、耐えきってくれソウソウ!
お前がここで敗けたりでもしたら、勢力を吸収したカシン精肉店の、伝説的な市場拡大が始まってしまうではないか!?
勝手に殺られるんじゃねぇぞ。お前を倒すのは……俺達だ!!
次回『ソウソウ 死す』 ターン進行ゥゥ!!」
許褚(字:仲康)
田韋と並んで曹操の双璧をなした豪傑。
三国志演義に於いては、上半身裸で戦う事に定評のあるナイスガイ。
殆どの三国志作品を通して、田韋より長く曹操の傍に控えている為、下手をすれば曹仁を主とする魏の重鎮より出番が多い。その上で「一緒に飲もう」という誘いを冷たく断るもんだから、そら曹仁もキレるわ…………本当はそんな理由じゃないけど、そんな風に感じてしまう。
三国◯双シリーズでは、自分で操作すると上手く戦えないが、味方NPCで一緒に戦ってくれると、いつも絶妙な連携で助けてくれる頼もしい存在。防御力と体力も極めて高いので簡単に殺られない。
三国◯双4の修羅モードでは最序盤から建国後まで、とてもお世話になりました。間違いなく第一の功臣です。しかも一回殺られてパーティー離脱した後も、すぐ再雇用に応じてくれたという。
ゲーム内に於ける彼は、193年に譙で未発見武将として登場。翌194年からは曹操軍所属となり、曹操と共に各地を転戦。どのシナリオで開始しても、常に曹操本軍の主力としてスタートする。
……歴史上では砦に籠って賊と戦っている筈の彼だが、譙で見聞せずに未発見武将のままにしておくと、暫くして賊の頭目として出現し、討伐にきたプレイヤー武将をギッタンギッタンに叩き潰す。その様は宛ら、鈍器を手にしたジャイ○ンがノ○タをギッタンギッタンに半殺しするよう……野球やろうぜどころの問題ではない。ドラ○もんを通り越して警察案件である。
能力値については以下の通り
武力96 知力37 政治35 魅力53 全武将ランキング351位。完全に脳筋。武力は全武将中5位であり、賊武将では1位。因みに2位は田韋、3位は甘寧。
スキルは《巡察の心得》と《挑発》のみ。
戦法は猛攻Lv3 乱撃Lv2 攻城Lv4。城攻め以外は通常攻撃に徹した方が無難。尚、田韋も似たようなもので、彼は猛攻Lv2 乱撃Lv3 攻城Lv4。
上記の能力により、私はこのゲームの許褚をあまり用いません。少し武力が劣っても、張郃や徐晃の方がバランスが良く、撹乱・奇襲といった奇兵戦法も修得しているからです。




