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嫁を探さば剣戟が!  作者: めろんぱすた
<><><><><><>序章<><><><><><>
9/25

光を躱さば一閃を!

ファンタジー「やったぜ。」




雲海の上に(そび)え立つ白き古城。

何人をも寄せ付けぬ堅牢な城壁

城の上空を護るように佇む下級天使

神の加護を意味する頂上の白銀の環。


雲海、とは云うが本物の雲海を見た事はなく

これが本物の雲海かも知る術はない。

実際に見た少女との話に酷似する光景なので

少なくとも私は、雲海と呼んでいる。


城門をくぐり歩を進める私とエヴェリーナ。

「今回は皆張り切ってるねー」

「'どんな願いでも叶う'なんて言われれば、必然的な事さ。増して、お一人様限定であれば尚更だ」

「え、1人だけ!?それもっと早く言ってよー!!」

「一昨日の会議でちゃんと説明しただろう?ヨダレを垂らして寝ていたかさんの耳には入っていないかもしれないが」

ギク、とエヴェリーナの肩が揺れる。

「い、いいもん!願いの1つや2つ、自力で叶えるからさ!」

顔を真っ赤にしながら負け惜しむエヴェリーナ。

「どんな願いなんだ?」

「おっしえなーい♩」

相変わらずエヴェリーナの

切り替えの早さは凄い。


話している内に城内に辿り着き、

すでに猛者集団と天使達の

剣戟の音が城内に響き渡っていた。


白銀の甲冑に身を包み

白光する長槍を構え

象徴ともいえる美しい双翼を広げる

神の使徒たる尖兵の群れ。


対峙するは


多彩な外装に身を包み

白熱する闘魂を掲げ

象徴ともいえる美しい絆を讃える

自由の使徒たる冒険者の群れ。


辺り一面で剣戟が飛び交い

斬れず斬られず、硬直状態が続く。

敵の目が向いていない今の内に

敵将を見つけて叩いてしまおう。


天使の階級は翼の数で決まり、

2枚ならば中級天使、

4枚ならば上級天使といった具合だ。

支配者テレーゼ】程の天使ならば、

翼の数は6枚にもなる。


辺りを見渡すが、上級天使が1体いるだけで

他は全て中級天使のようだ。

恐らくあの上級天使が司令塔だ。

天使の世界は縦社会、

唯一の上官を失えば統率も乱れるだろう。


脇構えのまま上体を沈め、踵から踏み出す。

上級天使を目指し、一直線に駆け抜ける。

2体の双翼が、一瞬遅れて長槍を振り下ろす。

さらに上体を沈め、ひらりと一閃を躱し

もう一閃が振るわれようとする。が、

「おらぁぁぁぁぁぁぁ!」

双翼の腕が断ち切られ、共に彼方へ飛んでいく。

大斧を振るったのはベルナルドだ。

「助かった!」

「ティノ、やっちまえええええええ!」

上級天使は、

腕の中で光の巨剣を創り上げる。その刹那、


「!!!!」

声ならぬ声を上げ、巨剣を振るった上級天使。

その一閃はティノが踏んでいた床を綺麗に穿った。


「ティノォォォォォォォォォォ!」


天使の視界から消えた少女の名を、

'熱血漢'が叫んだ。


-------------------------


「!!!!」

光の一撃にて目障りな小娘を滅した。

「ティノォォォォォォォォォォ!」

部下の腕を斬り飛ばした男が絶叫する。

次はあの男を屠ろう。

仲間同士が離れ離れになるなんて

優しき者として見過ごせない。

実に悲しい事だからだ。

さぁ、早くあの男にじ…ひを?

視界が回り、冷たい床に叩きつけられる。

不意打ちだろうか?

とにかく起き上がらなければ。

だが、体に違和感を覚えた。



体が無いという違和感に



慢心故に負ける、か…


--------------------------


'熱血漢'の絶叫が響く中、

私は天使の真上に翔んでいた。

そのまま虚空で身体を捻り

剣先が骨肉を抉る感触を感じる。

首を撥ねられ、上級天使の身体は

自らが穿った穴へ堕ちる。

それを見た双翼達は、一目散に逃げ出した。

すかさずその後を追う。


追っている内に上階のある部屋の前に到達した。

扉を勢いよく蹴破る。



「此処から先へは、一歩たりとも踏み入れさせん」


支配者テレーゼ】のお出ましだ。

いよいよ支配者との戦いです!

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