第8話 「通貨という爆弾」
「では銀行員」
「はい」
「最近、民が騒いでおる」
玉座の間。
女王エリシアが、やや疲れた顔で言う。
「物の値段がバラバラだと」
「来ましたね」
「何がだ」
「通貨崩壊です」
ざわ。
「つうか……?」
「また怖い言葉きた」
レオが小声で言う。
「最近、パンの値段が日によって違うんですよ」
「典型的だな」
(あー……これはもう)
(爆発寸前だ)
■ 市場調査
「現場見ます」
王都の市場。
「パンいくらだ」
「今日は3銅貨だ」
「昨日は?」
「5銅貨」
「一昨日は?」
「2銅貨」
「ブレすぎだろ」
「なんでこんなことに?」
レオが聞く。
「簡単だ」
「誰も“このお金に価値がある”と思ってない」
「えっ」
「信用がない」
「またそれですか」
「全部それだ」
■ 原因
「原因は3つ」
桜木、指を立てる。
① 無計画な発行
② 財政赤字
③ 信用崩壊
「全部やってますね」
「やってるな」
「つまり?」
「このままだと紙くずになる」
「紙じゃないですよ?」
「例えだ」
■ 女王との会話
「どうすればよい」
「絞ります」
「何を」
「通貨の量」
「減らすのか?」
「はい」
「足りなくならぬか?」
「今は多すぎる」
(銀行でも同じだ)
(貸しすぎると死ぬ)
■ しかし
「問題があります」
「なんだ」
「減らすと――」
「経済止まります」
「どっちだ!」
「バランスです」
「難しいこと言うな!」
■ 産業の話
桜木、少し考える。
(ここで気づく)
(回収ばっかりやっててもダメだ)
「もう一つやります」
「なんだ」
「稼げる仕組み、作ります」
「仕組み?」
「産業です」
場が静まる。
「この国、何で稼いでます?」
「……」
「答えられない時点で終わってます」
「ひどい!」
レオが言う。
「いや現実だ」
■ 発見
「この国の強みは?」
桜木、地図を見る。
「……水がいいな」
「水?」
「川、綺麗だし流れも安定してる」
「確かに」
「あと、麦」
「育つのか?」
「育つ」
「つまり――」
「パン量産できます」
「パン!?」
■ パン革命(雑)
「とりあえずパン増やす」
「雑だな」
「でも重要です」
「なぜだ」
「食料安定=物価安定」
「おお……」
「あと税金も取りやすい」
「そこか!」
■ 商人バルド
「いいですねぇ」
また出た。
「パンビジネス、乗りますよ」
「早いな」
「利益出るならなんでもやります」
「正直だな」
「で、どうする」
「流通を整えます」
「りゅうつう?」
「作って、運んで、売る」
「当たり前だな」
「それができてない」
「……」
■ 不穏MAX+成長
その夜。
「……来る」
ヒュッ。
ナイフ。
今度は――
肩にかすめる
「痛っ」
「当たった!」
影から現れる暗殺者。
「……精度、上がってきました」
「怖い報告やめろ!」
「今日はもう一歩いけます」
「やめろ!」
■ 引き
翌日。
「支店長!」
「だからやめろ!」
「新しいあだ名が!」
「もういいって!」
一拍。
「金とパンを生む勇者」
「なんか増えたな……」
(方向性が見えてきた気もするが)
(敵も強くなってるな……)




