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第4話 「差し押さえ品オークション」

「では銀行員」

「はい」

「昨日の“せんりひん”をどうする」

「差し押さえ品です」

 玉座の間。

 女王が、山積みになった壺や絵画を見下ろしている。

「で、これ売ります」

「売るのか」

「売ります」

「誰に」

「欲しい人に」

「雑だな」

(いや基本です)


桜木はレオに聞いた

「庶民の一人一食分の主食ってだいたいどのくらいだ?」

「カルーソというこぶし大のイモ3個が銅貨2〜3枚位ですかねぇ…。」

(ジャガイモみたいなものか?日本のスーパーなら180円くらいだから銅貨が1枚60円くらいだな…。)

「因みに他の通貨はどんな物があって、1枚で何が買えるか教えてくれ」

「銅貨の上に黄銅貨があり、だいたい4人家族の一食分のカルーソが買え、その上が小銀貨でカルーソが4人家族で10日分位。大銀貨でカルーソ4人分が一月分買えますね。そして金貨が4人暮らしに丁度よい家の2月分家賃くらいで、大金貨が牛3頭くらいですね」

「なるほど…」

(大銀貨が2万円。金貨が30万円くらい。大金貨が1000万円くらいか…)


王都中央広場特設ステージにて

「というわけで!」

 桜木が台に立つ。

「本日、差し押さえ品オークションを開催します!」

 ざわ……。

「なんだあれ」 「貴族の家のやつじゃね?」 「やばくない?」

 レオ、小声。

「大丈夫ですかこれ……」

「大丈夫じゃない。でもやる」

「なんでそんな平然としてるんですか」

「銀行でもよくあった」

「嫌な現場だ!」


「はいまずはこちら!」

 ドン。

「グランベル公爵家の壺!」

 ざわ。

「おいおいおい」 「マジかよ」 「本人いるぞ」

 人混みの奥で、公爵が真っ赤な顔をしている。

「やめろぉぉぉ!!」

「はいスタート価格10大金貨!」

「無視!?」

 沈黙。

(あー……)

「……誰も手を上げないですね」

 レオが言う。

「そりゃそうだ」

「なんでですか」

「買ったら恨まれる」

「あ」

 桜木、ため息。

「じゃあこう言い換える」

 一拍。

「“女王陛下公認”の正規放出品です」

 ざわっ!!

「えっ」 「それなら安全?」 「合法?」

 女王、遠くで小さくうなずく。

(ナイス判断)

「はい改めて! スタート10大金貨!」

「12!」

「15!」

「20!」

「急に来たな!」

 レオが驚く。

「信用だ」

「便利な言葉ですねそれ!」

「60!」

 ひときわ大きな声。

 振り向くと、派手な服の男。

「おやおや、面白いことをしてますねぇ」

「誰ですか」

「商人だ」

「雑な説明!」

「名はバルド。商売の匂いがしたので来ました」

(いい匂いの嗅ぎ方してるな)

「全部まとめて買ってもいいですよ?」

「いくらで」

「……400」

「安い」

「即答!?」

「市場価格の半分以下だ」

「バレてる!」

「ちゃんと競ってください」

「ちぇっ」

 バルド、肩をすくめる。

(いいやつではないが、使えるな)


 結果――

「本日の売上、合計……」

 レオが数える。

「……820大金貨!」

「よし」

「すごくないですか!?」

「まあな」

(とりあえず、16億円の現金はできた)

■ 公爵、再び

「貴様ぁぁぁ!!」

 グランベル公爵、乱入。

「ワシの家宝を……!」

「換金しました」

「簡単に言うな!」

「借金の返済です」

「認めん!」

「もう売れました」

「ぐぬぬぬぬ……!」

 公爵、震える。

「覚えておれ……!」

「はいはい」

(テンプレ助かる)


 その夜。

「支店長!」

「だからやめろ」

「なんか後ろつけられてません?」

「だろうな」

「逃げます!?」

「いや」

 路地に入る。

「出てこい」

 影が動く。

「……」

 現れたのは――

「暗殺者です」

「自己申告!?」

「ええ、暗殺者です」

「正直だな」

「初任務でして」

「新人かよ」

「えーと、その……」

 暗殺者、紙を見る。

「“対象を静かに排除せよ”と……」

「できそう?」

「無理そうです」

「帰れ」

「はい……」

 とぼとぼ去る。

 レオ、ぽかん。

「いいんですか!?」

「いいだろ別に」

「ゆるいなこの世界!」

(いや多分ゆるくない)

 翌日。

「支店長!」

「だからやめろ!」

「王都でさらに噂が!」

「今度はなんだ」

 一拍。

「金を生む勇者」

「やめてくれ」

(そのうち利子つけられそうだな……)

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