第12話
2人が小道から刑務所にたどり着いたのはそれほどかからなかった。
カルヴァは脇腹を抑え、ゆっくりと移動していた。
カルヴァは出入り口のドアを叩く。
ドアは開き、そこにはハンセインとセウタ、その他多数の生存者がいた。
「遅かったですね、何かありましたか」
「おい!脇腹どうしたんだ?血が出てるぞ」
ミロスは背負っているディクソンを2人に見せる。
「このくそ野郎の銃弾が当たったのよ」
「分かりました、どいてください!負傷者です!」
2人は驚いたがすぐさまカルヴァの肩を持ち、室内へと移動した。
カルヴァはベッドに座らされ、ハンセインが包帯を巻く。
「ここの囚人ども、少しおかしい」
腕を組みながら壁にもたれているセウタが言った。
先に到着していたハンセインとセウタは先に刑務所内を見ていた。
「おか、しい?」
ミロスはディクソンの両腕を縛ると、さらに椅子に縛り付けた。
「何人かゾンビ野郎になってる」
「なんだって?」
「世界危機では血液感染が主だったらしいぜ、たまーに母子感染があったらしいな・・・」
ヘリの音が響く。
「軍のヘリだ、助かったようだぜ」
全員外に出て、空を眺める。
大きいヘリコプターが上空から舞い降りている。
風が刑務所内の生存者の髪をたなびかせている。
「けが人を優先的に!落ち着いて行動してください!」
軍人はそう言う。
だが民衆は我こそとばかりに集まる。
負傷者のカルヴァが先頭に立てたのは1時間後のことであった。
ヘリコプターが何回も往復してついに乗る番となった。
「何があったんですか!?ベッドは必要ですか?」
「いやいい」
軍人は背中をカルヴァに向けた。
「乗ってください」
カルヴァは軍人の背中におんぶされるように乗るとヘリコプターの椅子に移動された。
「同行者はいますか?」
カルヴァはゆっくりと腕を動かし、ミロスがいるであろう方向に向ける。
「あの女性、黒人、と、白人、の、ハーフだ」
軍人はミロスに手を差し伸べる。
だが、それをカルヴァがそれをさしのけ、代わりに手を差し伸べる。
ミロスは困惑しながらその手をつかみ、ヘリに乗車する。
そして、2人と10人の生存者ほどはは椅子に座り、ヘリで運ばれていく。
カルヴァが小声でミロスに言う。
「俺は、これまで、他人に、興味を、持った、ことがない」
「何?」
「でも、初めて、興味を、持った」
カルヴァはミロスの手を持った。
「付き合おう」
その一言がヘリコプターの翼の騒音を消した。
ミロスは声にならない声を出し、カルヴァに抱き着き、キスをした。
「もう少し、力加減をしてくれ」
ヘリコプター同乗していた軍人含めた人たちが拍手を送る。
両親から連絡が来る。
>無事か、ニュースになってるぞ
>大丈夫
送った画像は、ミロスとカルヴァのツーショットだった。




