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最悪の出会い

一話一話読み切り感覚の連載物ですw

結城闇(ゆうきやみ)。28歳にして出版社で社長をしている超エリート。

しかも、その出版社は小さいながらも彼が設立した会社でもあった。

そんな彼には優秀な秘書が一人いた。

叶優瑠(かのうすぐる)25歳だった。

しかし彼が社長の秘書になったのには理由があった。


それは3ヶ月前の出来事だった。


結城はかなりの女好きであった。

なので当然彼の秘書は自分の好みの色気ある女性秘書だった。

そして何より、彼は手が早かった。

社長室で女性秘書と肉体関係を結ぶことも多々あった。


そして彼はいつものように女性秘書と営みを楽しんでいた。

そんなこととは知るはずもない優瑠は軽くノックをすると、静かに社長室を開けた。

すると、彼の目の前では信じられない光景があった。

「えっ?」

「あっ!?」

当然両者硬直状態となり事態は悪い方向へと流れていた。

「・・・・すいません、お邪魔しました」

優瑠は冷静に見なかったことにしようと社長室から出て行こうとした。

しかし、何故か結城はそれを引き留めた。

「ま、待て!!と、とりあえず・・・ちょっと待て」

慌ただしく服を着る結城。

そんな結城に少し呆れながらも、落ち着き払った態度で服を着る女性秘書。

「いいか貴様、このこと誰にも言うなよ!」

悪びれたそぶり一つせずに強気な態度で言い放った。

「・・・・大丈夫ですよ、別に誰にも言いませんから」

呆れたように呟く優瑠。ハッキリ言って優瑠にとってそんなことどうでも良かった。

「そうか、ならいい。で?貴様は誰だ???」

「あっ、申し遅れました。間宮(まみや)社から異動してきました叶優瑠と申します」

丁寧に答えると、さわやかな笑顔で会釈をした。

しかし、その名前を聞くなり結城の顔色は悪くなった。

(ちょっと待て、叶ってあの叶か???)

彼は出版業界ではちょっとした有名人であった。

問題を起こしては左遷、転勤、異動などさせられていたからだ。

しかしそれもすべて彼が悪いのでなくその会社自体に問題があったからだ。

つまり、都合が悪くなり左遷、転勤、異動等をさせられていた。


「・・・・悪い、事態が変わった。貴様は雇えん」

「えっ?はぁ、まぁいいですけど・・・・・」

優瑠自身も会社をたらい回しにされるのは馴れてていたためあっさり納得した。

(ん?だが待てよ・・・・)

結城は冷静に考えた。

優瑠が自分の会社の人間にならない以上この事を黙っておく義務もなくなるのだ。

そうすれば自分の立場は非常に不味いことになるのは目に見えていた。

「やっぱりダメだ!!ここで働け」

「はぃ?どっちなんですか」

ハッキリしない社長に少しうんざりしながら答える優瑠。

「だからここで働け!!そして俺の秘書をしろ!」

「「えっ!?」」

優瑠と女性秘書は同時に驚いた。

「ちょっと、なんでよ!!私はどうなんのよ!?」

「悪いがクビだ」

あっさりと言い放つ結城にあまりにも横暴すぎると思った優瑠は彼女を庇った。

「そんなのあんまりです!!だいたい俺、秘書になるつもりなんてありません」

「ウルセェ、そんなの知るかっ!」

「あんた、それでも社長ですか!!?」

「チッ、わかったよ。じゃぁ仕方ねぇから部署異動にしといてやる」

「な、何それ!!あんたって最低!!!!金輪際あんたなんかとは会わないから!」

激怒した女性は結城の頬に一発ビンタをくらわすとそのまま社長室から出て行った。

「・・・やろう。まぁ、そう言うわけだ。やらねぇなんて言わせねぇぞ」

頬を押さえ、半泣きになりながら言う情けなさに優瑠は思わず同情してしまった。

「はい。わかりました」

半分諦めたように承諾する優瑠だった。

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