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世界を終わらす物語~ゴーレムの眼~  作者: 球磨吾朗
第一章・青騎士物語【銀猫】
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召喚の儀 2

召喚の儀パート2です。


ルーツアロマブラック飲みながら書きました。


今日はいい天気ですねー


ではどうぞお付き合いくださいませ、おね!

「なるほど、では召喚は召喚者の力量や知識量ではなく他者との接触経験によって変化するのですね」

「そういうことです。私の国ではこれをAfoculiens menam と言います。他者との接触により蓄積される魂の経験です」

「あ、あふぉくぉ、あふぉくぁりえんすめねいむ……発音できません……」

「ふふっ、私の国の言語は難しいですから魂の経験でいいと思いますよ」


 口を尖らせたり舌を巻いたりしてなんとか発音しようとする。

 そんなヨルダを見てウルフウッドは口元を拳で隠し微笑む。


「というわけで今回は様々な体験をしてきた兄さんに召喚してもらいたいと思います。そろそろ私達もお昼にしましょうか。兄さん達はもう済ませたようですし」

「そうですね、腹が減っては戦は出来ぬでしょうし」

「腹が減っては戦は出来ぬ、ですか。確かに」


 ウルフウッドがくすりと笑う。ヨルダが満足そうに笑みをこぼす。


「ダイキチの国のことわざらしいですよ?」

「へぇ、どおりで――」


 二人はダイキチ達の下へ歩く。






 んー終わったかな?

 食事を済ませタグチの背中に寝そべっていたダイキチは身体を起こした。


「あ、ちょっと身体冷え過ぎだこれ」


 血流を回そうと身体が足から頭に登るように震えた。

 水龍の希少種であるタグチは体全体が水の入った瓶のように冷たい。

 タグチは夏は重宝するんだけどなーまだ春だしな、しゃーないしゃーない。


 両指を組んで上方にぐっと伸ばす。


「んーーーっと。終わった?」


 タグチの背から飛び降りる。ウルフウッドとヨルダも話が終わったらしくちょうどこちらへ戻ってきたところだった。


「はい、これからご飯をいただくので兄さんはもうしばらく待っていてもらえますか、それと詳しい説明を」

「あぁーいぃいぃ、なんかよくわからんがとりあえず俺があのでっかい魔方陣使って召喚儀式やればいいんだろ?」

「それはそうなんですがしっかりと手順を踏んでいただかないと危ないですよ?」

「まぁ何とかなるさ、召喚の儀ってったって魔力ながすだけじゃん、大丈夫大丈夫」


 それにたぶん、かっちょいいもの生まれないもん……


 ダイキチは過去に一度召喚の儀式を行ったことがあった。嫌でも忘れない思い出。

 彼がこちらに来た時初めて行った魔法だった。なにせ特定の魔方陣に魔力を流すだけの簡単な魔法だったからだ。当時彼は十七歳であったが召喚されたのはピクシーだった。


 あの時の魔法使いのおっちゃんの顔は嫌でも忘れん……


 ダイキチの脳裏で脂ぎった顔が憐憫の目を向けてくる。


「あの時は召喚魔法の素質ゼロとか言われたもんな、召喚魔法は生まれ持った才能だとか言いやがるし」


 大きくため息をつく。

 ヨルダはかごの中からサンドイッチを取り出していた。

 それを快く受け取るウルフウッド。


 ま、せっかく仲良くなってるみたいだしな。今までああいう話を話せるやついなかったもんな。あのままにして先に召喚してこよーっと……恥ずいし。


 せっせと魔方陣の方へ歩く。

 魔方陣の中ではヨツバが線からはみ出さないように走りまわって遊んでいる。いや、遊んでいると言うより研鑽している。瞬時に走り瞬時に止まる、曲がり角は鋭く曲がる。

 遠くからでもヨツバの顔に汗が流れているのが見える。


「おーいヨツバ、もうやっから戻って来い」

「りょうかーい」


 急ブレーキをかけて踵を返しダイキチに向かって走ってくる。


「おぉ、すごい汗だな」


 ヨツバは服の袖で額の汗を拭った。


「六十度くらいの曲がり角なら速さ落とさなくて曲がれるんだけどそれより角度狭いと転ける」

「おーそーかそーか気長にやりなー」


 ポンとヨツバの頭を叩く。

 ヨツバがウルフウッドとヨルダを指さす。


「あぁーアイツらはいいよ、先にはじめよう」

「分かった」


 魔方陣の端に立つ。


「ふたりとも心配してるよ?」

「聞こえるのか、相変わらず耳がいいなー」


 ウルフウッドとよるだがサンドイッチを頬張りながらこちらを見ていた。


 ……あまり見ないでくれ。


「んじゃ始めっか」


 ヨツバがダイキチと魔方陣から離れる。


 そっと線に右手を触れる。

 魔方陣の鼓動のようなものが伝わる。


 せーの……とぅっ!


 腹の底から練るように搾り出すように一気に魔力を流し込む。

 魔方陣が強く脈を打ち赤く輝き出す。

 間をおかず怒涛のように魔力を流しこんでいく。

 先に触れる右手が熱い。


「これが召喚かー」


 のんきなセリフを淡々と発するヨツバ。

 ヨツバにとってはこれが初めて見る召喚の儀式だった。


 ヨツバは見るの初めてだったのか……俺なんかでスマン。


 個人的な後ろめたさを抱きつつ魔方陣から離れる。


「ま、ろくなもんでないさきっと」


 ヨツバがダイキチの顔を見上げる。「そうなんだ」とつぶやいたのが心に刺さる。

 こんな兄貴でゴメンな。淀んだ心の中でつぶやく。


 魔方陣が外側から内側に流れるように光りだす。

 なんとなくだが首の後ろがちりちりと騒いでいた。


「……なんかやばい予感がするんだが」

「僕もそう思う」


 二人で魔方陣の前で棒立ちで待つ。


 魔方陣の光が赤から黒に変わり大きく輝いた。


 ヨツバが数歩後ろに下がった。

 それに合わせるようにダイキチも下がる。


 ゆったりとその姿があらわになる。


 二人は召喚されたものを見上げ唖然とする。


 ヨルダは口を大きく開け遠くの魔方陣を見つめ、ウルフウッドは食べ途中のサンドイッチを地面に落とし固まっていた。


「……うん、ろくなもんじゃないねキチニィ」

「あ、あぁそうだな、ろくなもんじゃないな……」


 張り巡らされていた自動防御魔法が無数の雷撃を放ち始めた。

 


 

 

わっはっはっはっは

召喚しちゃったよ召喚

何が召喚されるんだろなー

ホントはもっと書きたかったけどココらへんで一旦切ります。

今まで一個二千~三千字で来てるのに突然四千とか五千字が来たら変かなと思いまして。

でもたぶん次の話はフツーに区切り関係なく続く気がします。

区切るの難しいですね


そういえば活動報告っていうのがあることをさっき知りまして、何を書くんだろうと。

いろんな人のところのぞきに行って参考にしたいと思います。

ではまた


お読みいただきありがとうございます。

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