10 戦士の装備を手に入れる
僕とライミは僕の適性を見るために冒険者ギルドへ向かっている。
「適性が戦士なら、パワータイプでバトルハンマーなどの重い武器を扱える。剣士は剣の能力が高い。魔法使いは攻撃魔法が使えて、僧侶は回復魔法ができる。狩人は弓が上手で、忍者は隠密行動に特化している。あと、何のとりえもない遊び人ってのもあるわ」
「そのことなんだけど」と僕は言う。「僕の適性ならわざわざ図りに行く必要はないよ」
「どういうこと?」
「僕の適性は戦士だ」
「自分の適性を知っているの?」
「そう、僕は戦士なんだ。ちゃーんとわかっている。だからわざわざ冒険者ギルドに行く必要はない」
「それなら、ギルドにはいかずに鍛冶屋へ行きましょう」
「それがいい」
冒険者ギルドに行って水晶で適性を見てもらえば、僕の適性は「遊び人」と言われる。遊び人の装備はピエロの服とピコピコハンマーだ。そんな装備では万が一つも魔王になんてかないっこない。せめてもっとちゃんとした装備を手に入れないと。
「わしは鍛冶屋ヘパイストス。お前、新しい勇者か?」
「僕は勇者マサルだよ」
「わしがお前のために武器をこしらえてやる。これまでの勇者にもそうしてきたからな」
「ありがとう」
「それで、お前の適性はなんだ? それによって作る武器が変わる」
「僕の適性は戦士だ」
「ほう、人は見かけによらんものだな。とてもそうは見えんが」
ヘパイストスが鋭い目で僕を睨む。
「ほ、本当だよ。断じて遊び人なんかじゃあないんだ!」
「よかろう。では戦士用の武器、大剣ツヴァイヘンダーを作って届けてやる」
「ありがとう」
僕たちは鍛冶屋を後にした。そして防具屋へ向かった。そこでも僕は嘘をついた。自分は戦士だと言ったのだ。店主の太った中年女性は、「おほほほ、あなたが戦士ざますか? 戦士というのは大体が筋肉ムキムキの大男ざますのに……まあいい座ます。戦士用の防具を作って宿屋に届けるざます」
食堂で食事を済ませてから宿屋で待っていると、夕方ぐらいに装備が届けられた。それを見て僕は驚愕した。僕の背よりもでかい剣と、分厚い金属の鎧だったのだ。
「これが戦士の装備?」
「そうよ。あなたはこれを着て魔王と戦うのよ」
「確かにこの鎧を着て、この剣を振り回せるぐらいの筋力があれば魔王と戦えるかもしれないけど……」
僕が絶句しているとドアにノックの音が鳴った。返事も待たずにそのドアが開く。部屋にはいってきたのは国王軍の兵隊たちだ。
「勇者マサル様、お迎えに上がりました」
「いや、あの、今日はもう遅いし、魔王討伐は明日にしようかな……」
「国王の命令です。一刻も早く魔王討伐をせよと」
有無を言わさず僕は馬車に乗せられ魔王城へ連行された。僕の頭の中ではドナドナが鳴っていた。




