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受け継がれる才能

遠くへ行くために幌馬車乗り場にやってきた二人、湾岸都市行きの馬車には既に何人か乗り込んでいる。あ二人も見習って幌馬車に乗り込む両脇には長椅子gっ設置しおり、中は先着順となっている模様でふたりは左右別れて長い巣に奥へと詰めて座って、発車する迄じっとして待った。

━━ガタガタ。

馬車が動き出した。懸架装置(サスペンション)が無い為、直に殿部に衝撃を受けるのか、時々座って居た冒険者は立って臀部を揉んだ理触って痛みを和らげている。二人はとくに痛みの心配は無いのでじっとしている。幌馬車の乗り心地等、羽目板で尻を叩かれる牢屋の拷問と大差ないので有る成程宅配クエストが高値で貼られている理由(わけ)があるのだ。隣で大層なため息が漏れた。っとなり隣りの少女は白いケープを纏い、ロッドを震えるように握りしめていた。確か、ロッドは白魔道士の装備だと武器屋の亭主が言って居た。白魔は白魔法術士のこであり、回復系の魔法を使うヒーラーである。

「どうかしたのか?」

アサヒはt尋ねてしまったと、後悔した。学校では良く相談事に乗って居た野津いつもの癖で考え無しで声を発してしまった。身時知らずの人に相談を乗ってもらうにしても見ず知らずのひとにするのも憚られるものだろうと、アサヒは後悔した。少女が泣き出した。馬車の車輪の音と少女の嗚咽が混ざった音が車内を包む見込む気不味い雰囲気のまま馬車がすすすむ。不意に、幌馬車内の明度が一拍子(ワントーン)おちた。林道に差し掛かったのだ。嗚咽は止んでおり、少女はポツリポツリとこれまでの境遇を語り出した。

「私、駄目なんです。パーティにはいっても足を引っ張るだけで……。仲間を死なせちゃったり、死んではいけない私が真っ先に死んじゃったり」つまりは、この少女はパーティ内での役割に()かかる重圧(プレッシャー)に負けてにげてきたのだ。


━━責任とは、その失敗が誰に当たるのか、その、()()()()()とアサヒは思っている。

(別に逃げて良いのじゃないのかな」

少女の目から大玉の(ナミダ)が流れ落ちる。何かしてやったりと云われたわけでない、自然と出た言葉に少女の心に熱したフライパンにバターを落としたように少女の傷心にすぅと染み込んで行った。

この時、やっと隣に誰か居ることに少女は気づいた。言葉を発した人物を見遣る。其処には幌の厚い生地を背に木漏れ日に佇む陶磁器人形(ピスクドール)(いや)、天使がそっと佇んでいた。

少女の頭の芯が(トロ)けるような至福の出逢いだった。少し頭がクラクラした。少女達は旧友のようにお互いの秘密など赤裸々に語り合った。アサヒの少女への印象は眼鏡が大きい人だったが、それは単に顔のpパーツ、頭、貌、眼や鼻に口が小さいことからくる錯覚だと気づいた。

少女の名前は白川紗織、私と同じ歳で、白百合学院に通っている。この白百合学院は特別で日本屈指の財界の白川工業創設させたがっこうでもあり名誉あるお嬢様がっこうである。私はその姉姉妹校とよぶ黒薔薇学園の生徒である。白川とは、白川工業の創始者)なる人物なのだろう、一代で財を成した立志伝中の人物である白川岩崎彌太郎(しらかわやたろう)のことであろう。日本四第財閥のの一人娘なのだ。話している間に解った事は、この少女に」(天賦の才(ギフト))を持っている。これは別に仮想世界のスキルではなく現実世界での才能である。カメラアイであるこれは、写真のような記憶力: 一度見た絵、風景、文字を細部まで正確に覚えるさいのうである。なんてチートなと思ったであろうが、この少女の評価は、全く逆だった。人の顔が判断できない。細部まで記憶出る為にりんごひとつとっても色、形が違う彼女にとって同じリンゴは存在しないのである。その物覚えのわるさに両親さえも疎ましく思われて居た程だ。ただとある少年との出会いで転機が訪れた。その少年は云ったそうだ「全部覚えちゃったらいいのに」これは酷い要請だった。否、普通ならそんな事は出来はしなし考えもつかない。だが、事、白川にすれば覚える事は至極簡単だった。そんな馬鹿げたことができてしまった。


知覚と呼ばれるものが実際には感覚信号と過去に貯蔵された視覚イメージに関する高次記憶との動的な相互作用の最終結果である事示して不断の探究のプロセスを開始する。団分的な事実が高次中枢にトキドキ、「うーん、これは動物だ」と告げる。四股で私たちの脳は一連の視覚的な質問をする。「二十の質問」のゲームのように、それは動物でせか? 猫ですか?どんな種類の猫ですか? 大きい? 小さい? 次に高次の視覚中枢は一次視覚野を含む低次の視覚野に、ある程度ピッタリの答えを投射する。このようにして貧弱な像が段階的に調整され、かいようされる。それが適切であればずっとピッタリになる。私はこれらの大規模なフフィードフォワードやフィードバックの投射が連続的な相互作用をする役割を果たしてそれが真実にもっとも接近すると徒を可能にしていると考えている。敢えて大袈裟に云えば、私達はいつも幻覚を観ているもであり、私たちが知覚と呼んでいるもの、どの幻覚が現在の感覚入力に最もよく適してを判断した結果である。そんな経過の中で少女にキンドリングが起こったのだ。彼女の記憶から「概念」が芽生えたこれは彼女に役に立った。AB型が二重人格と云う評価から天才肌と云う評価に塗り変わって行くように、白川は天才と呼ばれるようになっていった。

朝日が眩しいほどの光の束となって差し込んできた。

林道をやっと抜けたのだ。

 御者の方角を見遣ると、海を照り返す陽の光が眩しい遠方に街がみえた。海鳥が飛んでいる。朝露を弾いて輝く馬の背と、力強く手綱を操る御者の背中が、逆光の中で黒いシルエットとなって浮かび上がる。

━━海鳥の啼き声が聴こえた。



━━湾岸都市マウラである。


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