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夢を追うもの笑うもの17

予約ミスってました。

すいませんでした。


 ベルがダンジョン攻略者になった。

 

 これでG-SHOPの解禁方法は満たした事になる。


 本来なら怠惰ダンジョンではない他のダンジョンの支配領域下で迂闊な行動は避けるべきなのだろうが、本人がやりたいと言ったのだから好きにやらせたかった。


「それでGーSHOPはどうだ?」


「はい!取得出来ました!早速私の取得可能な加護を取得してみます!」


 今まで加護の力が無い状態で最強の名を欲しいままにしてきたベルが、遂に加護の力を得る。


「どんな加護?」


「私の加護は<神迷宮の加護>です!」


「神迷宮の加護……迷宮神の加護では無くて?」


 千尋と純がベルに色々と質問をしている。


 俺は俺で一人考える。


 今までの加護とは何処か違う、ベルが得た加護。


 これまで俺達が知った加護の種類は大きく分けて2つ。


 1つは俺や千尋達が取得している<神の加護>と呼ばれているもの。


 もう1つは色々な人がSNS等で報告している<精霊の加護>と分類されるもの。


 だが今回ベルが取得した加護は<神迷宮の加護>だ。


 神という字は含まれてはいるが、明らかに<神の加護>とは違う。


 俺達と同じ分類であるならば迷宮神の加護という名称になる筈だ。


 <神迷宮の加護>では神迷宮という存在から加護を授かったという事になる。


「今は考えても仕方ないか……ベル、軽くで良いから能力を教えてくれ」


 考えても答えが出そうに無い事は考えない方が時間を無駄にしなくて済む。


「はいマスター!」





 <神迷宮の加護>

・鑑定 (鑑定対象の情報が分かる)

・同類言語理解 (同類の言語が理解出来る)

・アイテムボックス (自身に所有権のある物を収納出来る)

・迷宮の管理人 (迷宮に居る場合、経験値を取得し、能力値、成長値上昇効果)




 聞いた感じでは<神の加護>と何ら変わりがない。


「特に違う所も無いか……」


「はいマスター!次は加護得た事で新たに取得可能になったスキルを紹介しますね!」


「頼む」





・迷宮の信徒 (迷宮の信徒に任命出来る)

・信心教育 (迷宮の信徒に任命した者を教育出来る)


「迷宮の信徒!名付けてメイズメイズです!」


 迷宮の信徒とは何なのかは分からないが、俺は絶対にメイズメイズとは呼ばない。


「任命ってどういう事だ?」


「はいマスター!こればっかりは私にも使用してみないと効果が分かりません!なので、お家に帰ったら本体に詳しく解析してもらいます」


「りょーかい」


「しかし……これでベルとの戦力差が更に開いてしまったな。精進あるのみか……」


 千尋はベルとの力の差が更に開いた事を気にしているようだが、もはや比較対象にしては駄目な程に差が開いているのであまり気にしない方が良いと思う。


「メイズメイズか……中々良いネーミングだね!私の水龍のミズチナナと良い勝負だよ!」


 俺にはとてもそうは思えないが、純にはメイズメイズが良いネーミングに思えるようだ。


「まぁ色々あったけど、とりあえず当初の目的を達成しようぜ」


「はい!マスター!」


 湯布院ダンジョンに俺達が来た本来の目的は、PCHの合宿所の制作だ。


 これはベルにしか出来ない事なので、今回はベルにも着いてきて貰ったのだ。


 今現在、湯布院ダンジョンは怠惰ダンジョンの飛び地のような状態になっている。


 ダンジョンを改築するにもDPが必要になってくるので、まだ若い育っていないダンジョンではランダムスライムスポナーを設置したり、ダンジョンをあちこち改築するにはDPが絶対的に不足している。


 その不足分をベルによって怠惰ダンジョンから流入させる為にも一旦、湯布院ダンジョンを怠惰ダンジョンの飛び地にしておく必要があったのだ。


 コアルームでコアに手を触れているベルを見つめる事数分、設置と改築が終わったのかベルがコアから手を放してこちらに振り向いた。


「終わりました!後は諸々確認してから、怠惰ダンジョンから株分けして終了です!新湯布院ダンジョンを見に行きましょう!」


「お疲れ様、ベル」


「お疲れ様」


「おつ!」


 皆でコアルームから出ると、そこは怠惰ダンジョンにある地下広場とほとんど変わりがない空間に繋がっていた。


 広場の中心に円錐状の水晶のようなランダムスライムスポナーが設置されている。


「どうですかマスター!怠惰ダンジョンの地下広場と全く一緒の構造にしていますので使い勝手も問題ないと思います!」


「良いんじゃないか。ここにはPCHの人達の他にも冒険者協会の新人も来るだろうからさ、教育係の一馬さんとか千尋も使い慣れてる方が楽だろうし」


「あぁ!これはありがたいな!改めてありがとう、ベル」


「普段使いするには距離が遠いのが難点だけどね!まぁ合宿所だから問題無いんだけど!」


「広場は皆さん満足してくれているみたいなので、ダンジョンの入り口からここへ繋がるまでの道を確認したら終了です!」


 ベルを先頭に広場から入り口に繋がる階段を上っていく、怠惰ダンジョンと同じようにここも地下に広場を作ったらしい。


 階段を上り終えると、怠惰ダンジョンとは違い一本道が続いている。


「ここを真っすぐ進めばダンジョンの入り口です!利便性を考えて敢えて一本道にしています!」


「侵入者とか来たらどうするんだ?」


「ここは怠惰ダンジョンでは無いので、それはそれで良いんじゃないでしょうか?多少不自然な構造ではありますが、PCHの方か冒険者協会の方々で勝手に管理してくれると思いますし」


「たしかに……」


「そうだね!ここは冒険者協会が責任を持って管理、運営させてもらうとするよ!」


 一本道を進む事数分、俺達はダンジョンの入り口へと舞い戻ってきた。


「目的達成!後は家に帰るだけだな!俺はアバターだからここまでだけど、気を付けて帰ってこいよ!」


「マスター!帰る前に少し試してみたい事があるのですが良いですか?」


「なんだ?」


「はい!株分け後に、湯布院ダンジョンのコアにメイズメイズを掛けてみたいんです!もしかしたら……私と同じように意思を持ったコアが生まれるかもしれないので!駄目ですか、マスター?」


 意思を持ったコアが生まれる可能性。


 ベルと同じような存在が生まれるというのは喜ばしい事ではあるが、同時に恐怖でもある。


 ベルは俺達が束になっても敵わない存在にまで育った、それはとても嬉しいし誇らしい事だ。


 だが、それはベルがベルであるからだ。


 ベル以外のベルのような存在は俺達にとっても脅威に成りかねない。






























「面白そうだな!もしかしたら、ベルに妹か弟が出来るかもしれないって事だろ?俺にわざわざ聞くまでも無い!やろうぜ!ベル!」


「はい!マスター!」


 屈託の無い、とても純粋な笑顔を見せるベルに弟妹が出来るかもしれないのだ、反対する理由は何もない。






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