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悪女として処刑された私、猫に転生したので破滅フラグを回避します  作者: ゆずこしょう
処刑をされないために……

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処刑までの時間。

騎士団に連行されてから、


1週間くらいたっただろうか。


恐らく王宮の何処かに連れてこられたのだと思うけど、


蝋燭の火しかないから、


何処にいるのかが全く分からない。


「これが……エディの話していた処刑の話なのね……。


話通りだと、この後は弁明する余地なく、


そのまま処刑という感じだったかと思うけど……


何か今の私にできることはあるかしら……」


いくら婚約破棄を願っても、


婚約破棄をしてくれなかったのに、


その結果がこれとは笑えてくる。


せめて誰かしらと話すことができれば、


何かしらの打開策があるかもしれないけど、


食事を持ってくる人に話しかけても、


心ここにあらずで全然話が通じない。


私も王宮に連れてこられたときは、


自分を保っているのが精一杯だったが、


少し落ち着いている。


「もしかしたらここが王宮から少し離れているところだから、


気持ちが落ち着いているということなのかしら……」


それにしても……


いったい何が起きているのだろう。


エディが色々動いていたことは知っているけど、


私はその話を聞こうとしていなかった。


貴族院に通うのが精一杯だったのもあるし、


友達ができて楽しかったというのもある。


エディが話してくれるかは別として、


もう少し状況を聞いておくべきだった。


「本当に……自分のことばかりで、


もう少し周りを見ないといけなかったわ……」


後悔していても、


絶望していても何も変わらないのはよく知っている。


だったら、


この処刑をどう打開するか考えるしかない。


一人でどうやってここを出るか考えていると、


どうやら食事の時間になったようで、


一人の看守が食事をもってやってきた。


そして――


普段はない紙切れが一枚。


「処刑の日まで大人しくしていてほしい。


絶対助けに来るから…… E」


とだけ書いてあった。


Eというのはイニシャル……


もしかしてエディが戻ってきたのか……


それとも違う人なのかわからないけれど、


何かしら周りが動こうとしているのだろう。


下手に動いて計画を邪魔してしまうなら、


何もしない方がいいだろう。


私は食事を食べながら、


手紙を送ってくれた人に、


「待っています」と心の中で伝えた。


***


そして、それからまた月日が過ぎ……


とうとう処刑の日になった。


一枚のワンピースに裸足。


そして両手を拘束された状態で、


牢から出される。


暗い部屋にいたからか、


どんどん心が死んでいくような、


そんな感覚に陥ったけれど――


たった一枚の紙切れの言葉を信じて、


ここまで正気を保ってこられた。


ゆっくりと階段を昇っていくところを見ると、


やはり地下牢にいたようだ。


そんな時に、看守が話しかけてきた。


「心の準備はできているかい?」


「はい……あなた様でしたか。


エリオント殿下」


「シッ……まだ誰が聞いているかわからないからね。


君はここから逃げるんだ。


あちらでエーデルワイスが待っている。


また後で落ち合おう」


それだけを言うと、


両手についたロープを切ってくれた。


「ありがとうございます。どうかご武運を……」


それだけ伝えると、


エーデルワイスが待っているという方向へ、


駆け出した。


***


フランチェスカの処刑日から遡ること数十日前、


一通の手紙が届いた。


パキラはエーデルワイスを迎えに行っていて帰ってきていないし、


他に手紙を送るとしたら、


父上か兄上くらいしか思い浮かばなかった。


「近々パネットーネ国に向かう。


勿論エーデルワイスとパキラも一緒だ。


それと、全てを終息させるために


とても重要な一人を連れていく。


もし可能であれば、


フランチェスカ嬢には処刑の日まで


大人しく捕まっていてほしいことを伝えてくれ。


パキラからの情報だが、


フランチェスカ嬢は西の宮の地下にいるそうだ。


よろしく頼む」


兄上が動くということは、


国が動くということだろう。


もうこの国の未来は……


途絶えられたに等しいということだ。


「西の宮の地下か……」


以前パキラが王宮に入ったとき、


魅了魔法が暴走していたと言っていたが……


確か、普段カルミアやオルテンシア王太子殿下がいるのは、


東の宮が多いと言っていた。


「東の宮から少し距離があるから大丈夫だと思うが、


少し心配だな……」


俺はフランチェスカを一目見るために、


看守のふりをして王宮に潜り込んだ。


地下牢へ続く道に看守が立っているものの、


正気ではないのか、


こちらに気付くそぶりもなく、


すんなりと入ることができた。


これならフランチェスカを連れて逃げることも可能なのでは……


と思ったが、


ここは兄上の意見を尊重しようと、


食事に一枚の紙切れだけ挟んで戻ってきた。


そして処刑日の前日。


兄上と、パキラ、エーデルワイス、


そしてもう一人……


この国でずっと探していた


パネットーネ国宰相が、


俺の部屋に現れたのである。

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