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レーア・エルゼ  作者: ゆきや
第1章 旅立ち
4/14

4.

「……レーア・エルツ……」


ウィルバーは部屋に戻り、ベッドに寝そべりながら老人からもらった鉱石を眺める。


透明な鉱石の中には微かに七色の輝きが見えるが、無機質な灰色を透過させるだけで、老人が持つ鉱石のように色を含んではいない。


「きれいな緑だったなあ……ライム、か……」


――どんな果物なんだろう?

――味は甘いのか、酸っぱいのか?

――大きさは?


「……見てみたい…………はあ」


口に出してから、ウィルバーは深い溜め息をついた。


見られるわけがない。

ここから出る方法などないのだから。


ウィルバーは部屋の隅に置かれた古い瓶の中身を眺める。


たまにもらえる給料を、いつかこの家を出ていくために貯めている。

銀貨ばかりが少しだけ積み重なった程度。

到底、旅に出るだけの軍資金にはならない。


――ああ、つまらない。


つまらない現実など感じない方がいい。


ウィルバーは静かに目を閉じた。

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