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4.
「……レーア・エルツ……」
ウィルバーは部屋に戻り、ベッドに寝そべりながら老人からもらった鉱石を眺める。
透明な鉱石の中には微かに七色の輝きが見えるが、無機質な灰色を透過させるだけで、老人が持つ鉱石のように色を含んではいない。
「きれいな緑だったなあ……ライム、か……」
――どんな果物なんだろう?
――味は甘いのか、酸っぱいのか?
――大きさは?
「……見てみたい…………はあ」
口に出してから、ウィルバーは深い溜め息をついた。
見られるわけがない。
ここから出る方法などないのだから。
ウィルバーは部屋の隅に置かれた古い瓶の中身を眺める。
たまにもらえる給料を、いつかこの家を出ていくために貯めている。
銀貨ばかりが少しだけ積み重なった程度。
到底、旅に出るだけの軍資金にはならない。
――ああ、つまらない。
つまらない現実など感じない方がいい。
ウィルバーは静かに目を閉じた。




