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――この世界は灰色だ。
少年は3㎏もある大ハンマーを振り下ろし、灰色のほこりを舞い上がらせながら灰色のブロックを壊していく。
ゴーグルの先にある手袋もブーツもすべて灰色だ。
「ウィルバー! ウィルバー!!」
「……いてっ!」
「いい加減に瓦礫を運べ! 馬鹿者が!」
「……はい……」
頭を殴られてようやく自分のことに気づいた少年ウィルバーは、親方に言われた通りにするため、大ハンマーを背中に担ぎ、砕いたブロックを近くにおいてあった一輪車に乗せてトラックへと運ぶ。
トラックも、その先に見える工場も、そこから吐き出される煙も、煙を吸い込む空も、すべて灰色だった。
――ああ、つまらない。
ウィルバーは視界に入る世界にうんざりしていた。




