きゅうけいさんは予想されていた
「びっくりするべきところなんでしょうけど、なんか『らしいな』って感想が最初に出てきますね」
みんなのコメントを代表して、長年一緒にいたシルヴィアちゃんがコメントを出した。
みんな頷いた。
私、苦笑。
さすが言うこと当たってるなって意味で。
「で、なんとなく予想はついていますが……紹介いただけますか?」
「おっけー。とはいえ、怖がらせたらダメかなって思うから、まずみんなから先に見せていくのはどうかな」
「逆効果かと思いますけど……【ステータス】」
シルヴィアちゃんが、自分の情報を出す。
「えっ……レベル6176の古竜!? こんなところに!?」
……あっ、そういえばシルヴィアちゃんの件を全く説明していませんでした。
続いてエッダちゃん。
エッダちゃんも今半端ないレベルでしたね。
びびりますね。
「「「あわわわわわ……」」」
「はわっ、はわわ……」
あっ、三人がエッダちゃんの見た目とレベルのギャップにびびっている!
びびられたことによりエッダちゃんがうろたえている!
これはこれでかわいい……とか言ってる場合じゃない。
次の人は庵奈の、ショートナンバーを切った数値……が出る前に一旦停止!
「全員味方だよ! だよね?」
事前にフォローを入れていきます。
そうしないと、さすがにレベル差がありすぎる
「まあ、きゅうけいさんが味方と言われると、そりゃ味方です。この街の人は、一通り顔見知りぐらいに思ってもらっていいわ」
「は、はいです! きゅうけいさんのお友達がが集まってるだけですぅ!」
二人の言葉を聞いて、ケルベロス三人衆が揃って私に顔を向ける。
私は頷く。仲いいですねー。
ここで……なんと、ルクレツィアちゃんが動きました。
「きゅうけいさん……という、この魔王の友人ということなら、私から情報を出す。【ステータス】」
自分から情報を開示し、周りのみんなに自分のステータスを出しました。
「見ての通り……あなた達の敵になるような存在ではない。だから今更、敵対するつもりもない」
そう言って一歩下がった。
……うーん、びっくりです。
受け答えに何点付けようか迷う。
こういうのってね、生まれた種族の関係で、プライドとかあると思うんですよ。
だってエッダちゃんとか、見た目からしたら自分と同じか、見方によってはちょっと下かなってぐらいなんですよね。
でも、ルクレツィアちゃんは動いた。
理由はもちろん分かる。
後ろのケルベロス三人のためだ。
この子は、自分が主であるから率先して三人を守るつもりで動いている。
思えばそうだった。
もしも地上を制圧するでもなく、暴食の力のままに食い散らかすのなら、この人語を理解する三人衆を地上に送り出す方が成功率が高い。
だけどルクレツィアちゃんはそうしなかった。
何故かというと考えるまでもなく、三人の上司として三人の命に責任を持っているから。
そこに私情や愛着があったとしても、評価が高いことには変わりない。
「成る程……こう正直に出されると、信じる他ないわね。あたしとしては文句ないけど、村としてはどう?」
シルヴィアちゃんが、街の人の方を向く。
遠巻きに集まってきている人のうち一人が、恐る恐る近づいてきた。
「あの……俺の店の辺り、壊れたんですが——」
それは、確かによろしくない。
ルクレツィアちゃんは一度やらかしているのだ。そこをなあなあにして、無罪! とはいかない。
「んー、ちょいと待ってね。【マニュアル】あとスピードアップしとこか」
庵奈がぼそりと呟いた直後——私の周りの速度が変わった。
これは、時間が止まっている?
「あ、私のに引っ張られてるか。ちょいと待ってねー」
きょろきょろしている私を見て、庵奈が手を振りながら目の前のマニュアルを見ていた。
そうか。
庵奈が高速行動しているのを、私の危険意識が反応して一緒の時間で動いているのか。
それで時間が止まったと。
「あるある。これリペアできると思う。デバッグ用のリペアかもね」
庵奈が店の人の顔を見て、ふらりと飛んで行き……なんか光った後にひょいっと戻って来た。
直後、時間が戻る。
「——店が壊れて、許せというのは」
「というわけで直したよ」
「……え?」
店の人、庵奈の方を見て呆然。
庵奈が「見てきたらいーよー」と指を差す。
男性、お店のところに行き……「おおお!」と叫び声を上げて戻って来た。
「直っています!」
「これで、不満ポイントある? 怪我とかはない?」
「怪我はありません! ありがとうございます魔王様!」
「ま、今日はあんま活躍できなかったからねー」
庵奈がぱたぱた手を振って、こちらを見てウィンク。
いやマジで助かります、もう一人の転生者。
互いが互いを支えている感じがしていいよね。
……主に私が好き放題やって、後始末に助けてもらってばかり?
あーあー聞こえませんなー。
「というわけで、オッケーになりました。後は何かある?」
「……えっと、ない、かな……」
ルクレツィアちゃん、ここで三人の方を見る。
「どう? 出しても大丈夫そう?」
三人は顔を見合わせて……中心の子が頷いて、前に出た。
「よ、よろしくお願いしますっ! あっ順番間違えた、【ステータス】!」
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Celeste
Cerberus
LV:104
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「チェレステです、よろしくお願いいたします……!」
犬耳を揺らしてぺこぺこお辞儀をする一人目の子。
後ろで「ケルベロスかー、そっちの分かれ方かー」と庵奈が納得していた。
そういや庵奈は筆頭眷属の説明とか聞いてなかったからね。
「えっと、私ね、クレリア」
「コズマっす、レベルみんな同じっす」
ステータスを見せて貰ったところ、三人揃って同じレベル。
なるほどなるほど、これは実に仲良し三姉妹
恐らく連動しているのかなって思う。
「で、きゅうけいさん。三人を受け入れるとして、次はどうするの?」
「んー、最終的にミミちゃんとかパオラさんとか紹介したい気はするけど……」
私は予め決めていたことを考える。
空は、いい時間。こんな時間にやることといえば一つ——。
「——ルマーニャレストランでディナーといこう!」






