表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能と追放された俺、実は全スキル所持の最強でした ~気づいてないけど周りが勝手に国を作ってくる~  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/114

第80話 不変

だが。


完全には戻らない。


理由は一つ。


「……」


視線。


すべてが、向いている。


レインたちへ。


「……」


先ほどまでとは違う。


明確な変化。


敬意。


警戒。


そして――


距離。


「……」


カレンが小さく呟く。


「変わったわね」


「ええ」


リリアも頷く。


「完全に」


ミアが少しだけ不安そうにする。


「なんか……遠いです」


「当然よ」


カレンは肩をすくめる。


「王女ってバレたのよ?」


「そうでした……!」


「今さら思い出したの!?」


「すごいです!」


「もうそれでいいわ……」


その時。


「……リリア殿下」


貴族の一人が、慎重に声をかける。


先ほどまでとは、明らかに違う態度。


「本日は、その……」


言葉を選びながら。


「大変、失礼を――」


「気にしていません」


リリアは、静かに遮る。


「……」


その一言で、空気が止まる。


「私は、今は一冒険者です」


「……」


「過度な対応は不要です」


「……は、はい」


だが。


完全には戻らない。


「……」


カレンが小さく言う。


「無理ね、これは」


「ええ」


リリアも苦笑する。


「分かっていましたが」


「面倒ね」


「はい」


ミアが、そっと言う。


「でも」


「リリアさんはリリアさんです!」


「……」


少しだけ、空気が緩む。


リリアが微笑む。


「ありがとうございます」


その時。


「……で」


カレンが振り向く。


「当の本人はどうなのよ」


視線が向く。


レイン。


「どうって?」


「どうってじゃないのよ」


「王女よ?」


「はい」


「態度変わらないの?」


「特に変わらないですね」


「……」


カレンがため息をつく。


「でしょうね」


「今さらですよね」


「今さらなのよ」


ミアが嬉しそうに言う。


「いつも通りです!」


「それが一番すごいのよ」


リリアは、少しだけ目を伏せる。


そして。


小さく、息を吐く。


「……」


その表情は、どこか安堵していた。


「変わらないですね」


「はい」


レインは答える。


「リリアさんはリリアさんなので」


「……」


一瞬。


静寂。


そして。


リリアは、わずかに笑った。


「……そうですね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ