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無能と追放された俺、実は全スキル所持の最強でした ~気づいてないけど周りが勝手に国を作ってくる~  作者: 南蛇井


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最終話 日常

――帰ってきた。


長いようで。


短かった旅の終わり。


「……」


見慣れた道。


見慣れた景色。


石畳。


家々。


人の気配。


「……」


都市は、いつも通りだった。


「おかえりなさい!」


「無事だったのか!」


「聞いたぞ!すごいことしたんだってな!」


人々が、集まる。


笑顔で。


嬉しそうに。


「……」


だが。


その中心にいる男は。


「……?」


少しだけ首を傾げる。


「どうしたんですか?」


「どうしたも何もないでしょ!!」


カレンのツッコミが炸裂する。


「世界救ったのよあんた!!」


「……」


ミアも、慌てて頷く。


「そうですよ!」


「すごいことなんですから!」


「……」


アルヴェルトが、苦笑する。


「もはや伝説級だ」


「……」


リリアも、静かに言う。


「歴史に刻まれる偉業です」


「……」


全員が。


同じことを言う。


だが。


「……?」


レインは、やっぱり。


分かっていない。


「そうなんですね」


「軽いのよ!!」


即ツッコミ。


「……」


街の人々が笑う。


その光景が。


何よりも。


“平和”だった。


「……」


少し歩く。


いつもの通り。


変わらない道。


変わらない日常。


「……」


ミアが、ぽつりと呟く。


「本当に……戻ってきたんですね」


「……」


カレンが、腕を組む。


「ええ」


「全部終わって」


「またここ」


「……」


アルヴェルトが、空を見上げる。


「……いいものだな」


「……」


リリアも、小さく頷く。


「はい」


「これが“本来の姿”です」


「……」


誰もが。


感じていた。


あの戦いが。


嘘のように。


今が。


穏やかであることを。


「……」


そして。


レインは。


空を見上げて。


いつも通り。


ぽつりと。


「平和ですね」


「今さら!?」


全員の声が。


見事に揃った。


「……」


沈黙。


そして。


「はは……」


誰かが、笑う。


それが広がる。


街に。


仲間に。


世界に。


「……」


もう。


崩れることはない。


歪むこともない。


壊れることもない。


「……」


ただ。


続いていく。


この日常が。


「……」


レインは、少しだけ首を傾げて。


「変なこと言いました?」


「言ったわよ!!」


「ずっとよ!!」


「……」


また笑いが起きる。


その中心で。


彼は。


何も変わらず。


ただ。


そこにいる。


「……」


それでいい。


それがいい。


「……」


世界を救った男は。


今日も。


普通に。


日常を過ごしている。

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