表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/88

マルゲール王国の国王と王太子の会話

少し短めです。

もう1話、本日投稿予定です。

よろしくお願いしますm(__)m

「父上、ファイザバード公爵はやっぱり来ませんでしたね。それにしても息子までイカレテいるなんて。見ましたか、父上!自分の妻を鎖で繋いでいるのですよ!あり得ないでしょう」


鼻息荒くして怒る王太子。


「ブレイル!お前は何を考えているのだ。確かに私は昔、マリアンヌを愛していた。でも彼女とは、もう終わったことだ。現にお前の母親と結婚して、お前と弟のダイールが生れたんだろう。私は今でも亡くなったお前たちの母親を愛している」



「そうは言っても、いつもダニエラの叔父上が話しているじゃありませんか!ファイザバード公爵が、父上から汚い手を使って王女様を奪った。もし父上と王女様が結婚していれば、父上はもっと幸せになれたってね」


「ダニエラか!お前に余計な事を吹き込んだのは!そもそも、もうずいぶん昔の話だ。私はもう何とも思っていないよ。とにかく、これ以上相手国に失礼な態度を取るのは止めなさい。いいな!」


王太子を強めに注意する国王。


「わかりました。父上の昔の事は水に流しましょう。でも、ファイザバード公爵令息に関しては、口を挟ませてください。あんな他国を招き入れる場で、妻の腕に鎖を付けるだなんて、完全に狂っています。それに、あの怯えよう。もしかしたら、普段からかなり酷い事をしているのかもしれません!」


そうだ、そうに決まっている。そう呟く王太子。


「たとえそうだとしても、私達他国の人間が口を挟む事ではない。ブレイル、お前もいつかは国をしょって立たなければいけない。いいかい、自分の感情で動くな。常に冷静な判断を持つんだ」


必死に王太子に語り掛ける国王。


「それにしても、あの男の奥さん。とても奇麗だったな。あの怯えた顔もたまらなく美しかった。きっと笑ったら、もっと美しいのだろうな。確か名前は、アンネリカと言っていたな。そうだ、僕がアンネリカをあの男から助けてあげよう。僕は王太子だ!マルゲール王国にさえ連れて帰れば、きっとアンネリカは僕のものだ」


名案だと言わんばかりに、満面の笑みを浮かべる王太子。


「ブレイル!何を恐ろしい事を考えているんだ。相手はあのファイザバード公爵家だぞ。お前はあの家の恐ろしさを知らないから、そんな呑気な事が言えるんだ。いいか、そんな馬鹿な考えは捨てろ!そもそも、他国の公爵家の妻を自分のものにしようなんて、外道のすることだ!」


国王に叱責され、考え込む王太子。


(ここはとりあえず、父上の言う事を聞いといた方がよさそうだな)


「冗談ですよ父上。さすがに僕も、他国の公爵家の妻を無理やり手に入れようなんて馬鹿な事、本気で考えていませんから、安心してください」


「それなら良いのだが。とにかく、ふざけた考えは捨てる事だ!いいな!」


「はいはい、分かっていますよ。それじゃあ、僕はもう寝ますね。おやすみなさい」


そう言うと、王太子は王宮から準備された客室へと向かった。


アンネリカ、大丈夫だよ。君は僕が必ず助けてあげるからね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ