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【ヨアケマエ】世界の兵器紹介  作者: うにシルフ
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第9回:『川内』型軽巡(オリジナル)

『5500t級軽巡』(実際の基準排水量は5100t強)の船体はあまりいじらず、主砲を単装砲7門から連装砲塔4基8門に変更したタイプ。

 そのため基準排水量が5500t程度になってしまったが『5500t級改』と呼び、米軍等による性能の推測を狂わせたのである。


『球磨/長良』型の『(正)5100t級軽巡』(【ヨアケマエ】世界ではこうとも呼ばれる)は常備排水量から『5500t級軽巡』と呼ばれていた。『球磨』型4隻『長良』型6隻作られた『5500t級軽巡』は使い勝手の良さから更に生産される予定だったが、主砲の配置的に片舷に指向できるのは6門と6割程度の排水量しかない『夕張』と同じで、「なら『夕張』を量産した方が隻数を稼げる」という意見が出てきてしまったのである。

 しかし『夕張』は小型が故にデメリットも多く、かつ予定していた速力が得られない謎現象が起きていたため量産は躊躇われた(後に原因は判明したのだが)。

 そこで『5500t級軽巡』の船体はほとんどいじらず主砲を連装とする事で4基8門化する事が提案されたのである。これは『(正)5100t級軽巡』の発展型として計画されていた『5600t級軽巡』で予定していた主砲配置を前倒しで採用したものであった。

『夕張』同様に主砲塔を中心線上に配置する事で全ての主砲を両舷に指向する事ができるため片舷攻撃力が33%アップ。また本型の主砲塔は単装砲のものと違い開放式ではなく完全密閉式の純砲塔であるために荒天時の運用も改善された。その分『夕張』に搭載されていた連装砲塔より1基あたり10t程重くなってしまったが。ただし門数あたりの重量はほぼ同じである。

 雷装は様々なタイプが検討されたが新型の4連装発射管2基に落ち着いた。これまで『5500t級軽巡』では連装4基が基本だったが、これだと片舷2基4射線しか得られないので、一時『天龍』型で採用された3連装発射管の改良型が採用される事になったのである。『天龍』型では余分な機構を取り入れてしまったため不具合により撤去換装されてしまったが、本型の発射管では射出用空気の圧力を高める事で駆逐艦より艦幅が広い本型でも中心線上から問題なく魚雷を発射できるようになった。ただし建造時点で酸素魚雷など影も形もなかったので当時最新式の『8年式61㎝魚雷』を搭載している。

 対空火器は『40口径3年式8㎝単装高角砲』と『3年式機砲』を装備。【ワシントン海軍軍縮会議】により戦艦から空母へ改造される艦が出てきた事で「敵は空にもいる」と対空火器を充実させた。もっとも航空機の発達は艦艇のそれを上回っていたので、新型の対空兵装が完成する度実験艦のように換装されていったのだが(詳しくは後述)。

 その航空機について他の『5500t級軽巡』では艦橋に格納庫を設け滑走台を伸ばす事で発艦実験が行われたのだが、本型ではカタパルトが完成した後も航空機は搭載されなかった。他の『5500t級軽巡』と異なり主砲が連装砲塔かつ艦の前後にまとめられていたため、魚雷発射管の上に航空機甲板を設けて3機程度水上偵察機を搭載する案も検討されたのだが、流石にトップヘビーだろうと見送られたのである(カタパルト1基+水上機1機案は魚雷発射管の配置的に無理だった)。

 機関は他の『5500t級軽巡』同様4軸4基6+4+2(大型+小型+混焼)缶90,000hpの予定だったが、建造数の縮小により専焼缶8缶同出力に変更された。おかげで煙突も2本にまとめられ甲板上はよりすっきりさせる事ができたのである。

 また「船体はほとんどいじらず」とあるが艦首はスプーンバウからダブルカーブドバウに改める事により凌波性を向上。加えて長船首楼から更に伸びたシェルター甲板等も撤去された。そのため『(正)5100t級軽巡』と『川内』型では基本船体型が同じといっても信じてもらえない事が多い。

『(正)5100t級軽巡』から『川内』型は約400tも排水量が増加したが、船体の上部構造は小型化された。更にボイラーの数も減少している。その分の重量は装甲や水防区画の強化に使われる事になった。おかげで『(正)5100t級軽巡』よりタフではないかと言われている。断言できないのは開戦前に『(正)5100t級軽巡』が軽巡から護衛/哨戒艦隊旗艦へと大規模改造されてしまったからだ。一方『川内』型は『(正)5100t級軽巡』より進化したスタイルのおかげで軽巡のまま開戦を迎え、更に兵装の換装等の近代化改修まで施されている。だが『阿賀野』型(オリジナル)が揃い、戦時量産向けの改『阿賀野』型就役のめどが立った42年夏には装備を変えないまま大型哨戒艦への艦種変更と名称の変更が行われた。

 その後はインドネシアの油田周辺の警備艦として駆逐隊規模(3~4隻)の旗艦として活躍する事になる。



挿絵(By みてみん)




★諸元(建造時)


全長 162.2m、全幅 14.0m、排水量 5500t

兵装 主砲 50口径14㎝連装砲×4

      『40口径3年式8㎝(7.62㎝)単装高角砲』×4

   機銃 『3年式(6.5㎜)機砲』単装×10

   魚雷 61㎝4連装×2

   爆雷 投下軌条×2、投下台×4

機関 4軸4基8缶90000hp、速力37kt

建造 23~24年

同型艦 『川内』『那珂』『神流』『石狩』

   ※艦名は変更される可能性があります。



■ムラリンとガンちゃんの総括(笑)


ム:初めましての人も、また会えたねの人もこんにちは~。うにシルフのマスコット兼アシスタント、ムラサキウニのムラリンで~す。改めましてどうぞよろしくっ☆

ガ:同じくガンガゼのガンちゃんです。今回もよろしくお願いします。

ム:なんか随分変わっちゃうんだね。ホントに『5500t級軽巡』ベースなの?

ガ:一応船体は史実でいうところの『5500t級』、【ヨアケマエ】世界なら『(正)5100t級軽巡』に準じているわ。艦首にダブルカーブドバウを採用したところはちょっと進歩した形でしょうけど。

ム:まあ印象に大きな影響を与えているのは主砲が連装になったところだろうけどね。

ガ:それは本文にも書いてある通り計画に終わった『5600t級軽巡』の良い所を採用しただけ。『5500t級』だと片舷に指向できる門数が3000tの『夕張』と同じでしょ? でもこの方式なら全ての主砲だけじゃなく魚雷も同方向…極端に言えば1つの目標を攻撃可能という事ね。この『川内』型が装備しているのは空気魚雷だから敵に接近しないと撃てないけど、最大射程で放った酸素魚雷より命中率は高くなる。戦艦を単艦で沈められるかも知れないわね。

ム:そのためには夜戦に持ち込む必要がありそうだけど。流石『川内』型♪

ガ:何かに抵触しそうな発言だけど正しいわ(ちょっと心配そう)。まあ水雷戦隊とは夜間肉薄攻撃が基本だから間違ってはないのだけど。

ム:でもこの時代の14㎝砲を密閉式の砲塔に連装で装備できたの? 『5600t級軽巡』や『夕張』って後ろが開いてたんでしょ? あと対艦攻撃力を高めるなら高角砲も全部同舷に指向できるようにしたほうが良かったんじゃない?(真面目に正論で攻めてる)

ガ:主砲塔については問題ないと思うわ。戦艦は全周装甲で覆われていた訳だし、波や砲弾の破片を気にせず戦えた方がいいでしょうから開発設計自体はできたでしょうし。それと高角砲の配置に関してはまだまだ詰めが甘かった、というのを表現したかったみたい。それにムラリン、この図には描かれてないけど煙突の脇には『5500t級』同様に艦載艇が積まれていたから分散配置にするしかないわ。煙突の間の吸気筒の上には小型の測距儀があるから、そこに乗せる訳にもいかないしね。

ム:そういう事なら仕方ないか…でもだったらちゃんと描いておいて欲しいね。でないと私みたいに思っちゃう人もいるだろうから(軽く逆ギレ)

ガ:その辺は作者の詰めの甘さだから許してあげて(宥め&擁護)

ム:別にあの作者の事だからいいんだけどさあ…(急に表情を明るくして)それよりっ、この『川内』型って『5500t級』の船体とほとんど同じなんでしょ? だったら他の子達も連装砲に載せ換える事ってできないのかな? そしたら同じくらいの性能にできるんじゃないっ?

ガ:興奮しているところ悪いのだけど、それは無理かな。『5500t級』に比べ『川内』型は艦橋の位置を後ろにずらしているのよ。でないと艦橋の前に連装砲2基は載せられないから。それにボイラーの数や魚雷発射管の位置も変えないといけないので結構な大工事になってしまうわ。それなら史実の『五十鈴』より高角砲を増やしたものを作った方がいいかも知れないわね。計画では『天龍』型の主砲を『12.7㎝連装高角砲』4基8門に換装して防空巡洋艦にするというものもあったくらいだから。それをベースに【ヨアケマエ】世界では『5500t級軽巡』の改造を行う事になっているの。『アトランタ』級程ではないにしても強力な防空艦になると思うわ。

ム:(目を輝かせて)それっていつできるのっ!? 楽しみっ!

ガ:あの作者の事だから最っ低1ヶ月はかかるでしょうね。それだけに集中したとしても(頬に手を当てため息)

ム:やっぱりぃ~(分かっていたようだ)…じゃ3ヶ月はかかると思って気長に待つか~。興味を持ってくれた読者のみんなも当てにしないで待ってようね~。

ガ:ムラリン…(げんなりしている)

※作者注:2人も言っているようにすぐにはできないと思います。2022年6月初めを基準とすれば夏の間に公開できれば良いと考えておりますので、ご理解いただけると幸いです。

ム:でも作者、なんで『川内』型を普通の『5500t級』として作らなかったんだろうね。もちろん『5600t級軽巡』の前倒しってのは分かるけど、画像まで作らないで小説に登場させた時軽く説明すれば手間も省けて良かったんじゃない? 小説だって進んだだろうし(作者としては耳の痛い意見)

ガ:それはね、『5500t級軽巡』をベースとした他の改造のついでに、って始めてしまった訳。全く遅筆なんだから横道に逸れないで欲しいのだけど…(ダメ亭主を持った嫁のように)

ム:他の改造って?

ガ:あのね、『北上』と『大井』は史実でも重雷装艦に改造されたじゃない。でも色々と問題があって結局重雷装艦としては活躍できなかったでしょ。それを活躍させるにはどうしたらいいだろうって考えて、史実とは全く別の姿に仕上げようとしているの。それはほとんど絵も完成しているから、防空艦というか哨戒艇母艦に改造したものより早く公開できるかも知れないわね。

ム:面白そうじゃないっ! ゲームでは大活躍だけど史実では…な2人だから早く見てみたいっ! 早くしろっ、作者っ(テンションMAX)

ガ:まあまあ焦らないの。あの作者なんだからなんだかんだで遅くなるだろうし。でも軽巡については色々考えているみたいだから、ゆっくりと、でも楽しみに待ってましょうね(ガンちゃんってムラリンのお母さんだったっけ…)

ム:分かった! それじゃあみんな、年内を目安にじっくり待ってよーねーっ!

ガ:いきなり締めないっ。それと読者の皆様に失礼っ!(ガンちゃんの苦悩は続く…)

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