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幼なじみ

お久しぶりです…。(汗

私情によりなかなか更新できませんでした。

これからは、ちょくちょく更新していけたらと思います。

気長にお付き合い頂けたら嬉しいです。(汗

「やあ…楽しそうだね?俺もまぜてよ」

兄様の膝の上でトリップしていると扉から声がした。振り向くとそこには大好きな幼なじみが優しげな微笑をうかべていた。

「ジェノス‼︎わぁ!久しぶりね!」

彼は、スタスタとこちらに歩みよってくると兄様から私を抱えあげた。

「久しぶり。俺の姫は今日も可愛いな」

ふわりと笑って抱きしめてくる。

「うん‼︎久しぶり!」

彼はジェノス=ユノアット。我がラーグラス公爵家と並ぶ三大公爵家のひとつ、ユノアット公爵家の長男であり跡取りである。

そして、私の大好きな幼なじみなのだ。

「寂しかっただろ?ごめんな?」

ジェノスが申し訳なさそうな顔をする。

「ううん!大丈夫!ジェノスは忙しいもの。私のことは気にせず、王太子様わしっかり支えてさしあげて?」

そう、彼はなんと王太子様の側近なのだ。

もともとユノアット公爵家は宰相の家柄なのでジェノスを次代の王の側近、ゆくゆくは宰相にのぞむのは当然のことだ。

それに、ジェノスはとても有能で頭脳ではこの国で三本の指に入るとまでいわれている。

最近は何かと忙しかったようで会うの一ヶ月ぶりだった。

「…俺に会えなくて寂しくなかったのか?」

ジェノスが目尻を下げて問うてくる。

忙しいジェノスを私の我が儘に付き合わせてしまってはいけないと思って言ったのだが、どうやら誤解させてしまったようだ。

「寂しいに決まってる!でも、あなたの重荷になりたくないの。」

くしゃりと顔を歪ませてジェノスが言った。

「重荷なんて!!俺はノーアのためなら何だってできる!!ノーアが重荷なら喜んで抱えよう!俺にとって幸せの羽だよ!」

ジェノスは昔からわたしに甘い。彼とは五歳の頃からの付き合いで、年齢はわたしより三つ上だ。

わたしも彼をもう一人の兄のように慕っているし、彼もわたしを可愛い妹だと思ってくれていると思う。

だからこそ、彼の重荷になりたくない。それに…

「でも、ジェノスには王太子様を支えるという立派なお仕事があるわ。…わたしが…お…王太子様をお…お側で支えられる日までジェノスには私の分も頑張ってほしいの…」

やだ!わたしったら何いってるのよ!ずっと思っていたことを口にしてしまった。

お側で支えるなんて!ふふふっ。

赤くなった頬に手を当ててひとしきり悶えたら、何も言わないジェノスに気が付いた。

もしかして、引かれた?なんて慌てて見上げると、予想外の表情をしていた。

「ジェ…ジェノス?」

まるで、恋人に裏切られたような深く傷ついた顔。

恋人に裏切られた顔なんて小説の挿絵などでしか見たことないが。

もしや恋人にでも裏切られたのだろうか?この間いった夜会でご令嬢達が噂していたのを思い出した。

兄様同様、彼にも婚約者がいない。しかし、最近ある男爵家のご令嬢と懇意にしているとか。

もし、その男爵令嬢との間になにかあったのなら傷ついて落ち込んでいても当然だ。何か慰めなければと思うけれど上手い言葉が見つからず、あわあわと口を動かすだけになってしまう。

「…ノーアは…王太子の事が…好きなのか?」

低く掠れた声がとんでもないことを聞いてくる。

「…なっ‼︎わっ…え?あ…」

突然そんな事を聞かれて、また顔に熱が集まってくる。わ…わたしの態度ってそんなにわかりやすかったかしら!!あまりの羞恥にジェノスの異変なんてふっとんでしまう。

「…これ…」

ジェノスがわたしに手紙を押し付けてきた。王家の紋章がついている。

慌てて開けてみると、中には王命がしるされた手紙が入っていた。思わず小さな悲鳴をあげてしまう。

さっきまで、ひとり優雅に紅茶を飲んでいた兄様も慌てて手紙を覗き込んでくる。

ジェノスは兄様にわたしを渡すと、跪いて言った。

「…おめでとうございます。王太子妃様。」


私と王太子様の結婚発表が明日とり行われる。

次話は、ジェノス視点です。

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